第286話 救世主5

世界を守る秩序である神獣のウルフが、恨みから世界に反抗を企てようとしている。

でも、今は現在進行中と言うことだけど、あれだけ、禍々しいオーラを纏った奴が正しいことをするとは考えにくい。


しかし、今は、まだ証拠に乏しい状況だから、動くわけにはいかないけど、一度、奴と対面してしまうと、戦闘になると思うし、後戻りができないかも知れない。


今、奴は何をしようとしているのか。


遠くから24時間、監視することはできないから、断片的なことしかわからないけど。


現世にウルフとして出現した奴を確認しなければならないと思って、どこにいるか、見つけてみると、ウルフは、ある王国のお城にいることがわかった。


しかし、この近くの王城ではないようなので、安心したけど、サーチでもお城の名前が出ないとわからない。


ただ、かなり遠くなのは、サーチでわかるけど。


お城にいるからといって、悪い訳ではないので、お城で何をするのか、監視する必要がある。


お城を見物していることもあるからだけど、そうではないみたい。


ウルフの近くにいる訳じゃないので、奴に見つかることもなさそうだけど、相変わらず禍々しいオーラをしている。


しかし、一般の人には、わからないみたいだけど。


本当に、この禍々しいオーラをして歩いてたら、避けて歩きたくなるようなオーラをしている。


オーラは、誰でも、同じだけど、身体が弱っているときや病気の時には、オーラが弱って見える。


その時、その時の人の状態で違うのがオーラ、つまり気だ。


気が溢れている人でも、疲れていると気が減って弱くなる。


眠っていない人も、同じで、大きく落ちていく。


だから修業する時にも寝ることは大切なんだよ。


大きく落ちた人は、回復できないこともある。


特に眠りは人のオーラにモロに出てしまって、オーラの力が落ちていく。


人を恨んだり、妬んだりする人は、オーラの落ち方が大きくなって、もう、一生上がることはない、そのうちにオーラが汚れていく。


うちの神獣たちが、綺麗な黄色いオーラをしている。パッと見てしまうと金色のようなオーラに見えることもある。


しかしウルフの奴のオーラは、真っ黒で汚れているから、ドス黒い色をしている。


こんな奴が、夜に眠れるわけはない、目をさますというよりも、妄想に入って目が開かないと思う。


妄想は夢じゃない、夢よりも、もっと浅い眠り。


だからオーラがドス黒くなっていく。


オーラが汚れてくると、ハイテンションになるから、自分の体がどれくらい悪くても、何も感じない。


人でも、ハイになると、疲れることをしても、疲れを感じないから、麻薬みたいなものだけど。


しばらく監視していたが、奴自身が暴れてくれた方が、やりやすいけど、それでも最低限の人に影響が出ることもある。


しかし、王族を操ることもできるかも知れないから、注意しないといけないが、以前では破壊神の猪だったが、ウルフとして転生した後は、奴の能力まで変わってしまっているから、神獣たちもわからないと言っていた。


想像だけど、ウルフと聞いただけで、狡猾な性格だと伺えるんだけど。


実際には、わからない。


俺はウルフを監視する時には、遠見の魔法で遠くを見ることや、サーチの魔法を使って、監視をしている。


しかし、ここと反対にいる奴を監視するためには、向こうは、こことは逆の時間になるので、こっちが昼間の時は、向こうは夜だ。


だから昼と夜の逆転の生活をする羽目になっている。


まぁ、悪いことは夜することもあるから‥‥‥



今、俺がいるところは夜になっている。


ウルフがいるお城は昼間なので、そのお城の中を歩いているみたいだ。


ウルフは階段を登って上階に向かっている。


お城の上階は、王族が暮らしていることが多い。


そして奴が、最上階に上がると、扉の前の兵士が恭しく頭を下げて、中に入れた。


部屋の中に入ると何を誰と話をするのか??



それにしても夢の中で出てきた、神レイチェルは、コントロールから離れたと言ってきたので、神の庇護の元にはないと言うこと自体が問題なんだ。


しかも、ウルフは、もと破壊の神獣だ。


もしかしたら、生まれ変わっても、猪の能力も、引き継いでいる可能性もあり得る。


と言うことは俺と同じように、二人の能力を持ち得る相手になる。


やはり神獣だって破壊みたいなことばかりしていると、精神的に病んでいくのは必然的だと思う。


奴は、破壊の役目を負担に思っていたのかも‥‥‥


しかも、そういう奴は奥さんを見殺しにされれば、当然、悪の化身には、なり得るはずだ。


しかし奥さんを殺されれば、誰だって恨みを持ってしまうのは当たり前だけど。


俺だってそう思う。


仮にだけど、アリシアを殺されれば俺だって、やけパッチになる、暴れまわるかもわからない。


だから、ウルフに共感するわけでは無いけど。


大切な人を失う悲しみというのが本当にウルフにとっては、つらいことだったと思う。


しかし、この世の中では、そういう人がいっぱいいるのは事実だ。


俺だってアリシアを誘拐犯に、さらわれたときには、激しく動揺をしてしまった。


もし、俺に力がなければ、アリシアはさらわれて、性的な暴行を受けて、殺されていたかもわからない。


どんなに、いい人ぶっていたって、心の奥まではわからない。


誘拐犯を実際に主導していたのは王族だったから。


王族が主導する誘拐犯に女の子が誘拐されれば、どれだけの恐怖を味わわなければいけないか!


ましてや牢屋に閉じ込められて、悪辣な環境から病気になってしまって苦しんだり、殴られて殺されたりすることもあるから。


俺は、そんな奴らは許せないし、人が本当に笑顔で暮らして温かくなる気持ちを大切にしてほしいと思う。


人間だから夫婦でもときには喧嘩したりすることもあるだろうけど、特に夫婦になるためには相性が良くなければいけないから、相性が良い人ほど同じ価値観を持ってしまうため、多少の食い違いはあると思う。


しかし、多少と言うだけであり、それ以上、外れて相方に迷惑をかけるようなことをしたら、どうなるかわかっているだろう!


ウルフが、国を動かして戦争を持ちかけてくるのか、何を仕掛けてくるのか?


しかし人も同じだと思うけど、付き合い出して結婚しても、理想と違うとか言うことも起きるし、徐々に仲のいい夫婦でも、一緒に長くいると少しずつ、ずれていってしまう。


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