第284話 救世主3
俺が救世主として覚醒するか、勇者の称号を得ることができなければ、監視者として、殺すことになると‥‥‥
たぶん称号を持ったものが現れるのは、時代に一人だけなのか??
だから称号を持ったものが、称号通りになり切らないで、いつまでも生きていると次の世代が生まれないと。
今回は、俺一人が、この時代にいると言うことなのか?
しかも、二つの称号を持っている俺って‥‥‥
普通なら、どちらかのはずが、転生したことで、二つの称号を持つ羽目になったということか?
今の時代は、それを必要としているのか??
しかし、ジャネットの話は、俺を緊張させた。
神獣たちが世に出る理由がわかった。
ジャネットの話は初めて聞く話であり、恐ろしい話だった。
俺は改めて、救世主としての考えを正さなければいけない。
今から、救世主として何をするのか?
何の準備をしたらいいのか?
そのためには俺が友好関係を築いた国に対して告知をしなければいけないこと。
今、俺たちのメンバーの中には二人の姫様がいる。
その姫たちが、俺につき従っていると言う事実もあるので、俺としても行動しやすいと思う。
俺たちは、連絡が取りやすいオーリス王国の屋敷に戻ってきた。
そして、全部の国が同じ話を聞けるように日時を決める手配をする。
全員が同時に話を聞けて、意見を言えるようにしなければいけないと思う。
それは明日の午前中に決まった。
重要事項じゃない限りは、こちらの方が最優先事項になるので、強引にでも開けてもらうようにした。
当日の朝9時から、俺たちはメンバー全員を揃えた。
揃った国はオーリス王国、ダイラス連邦、サイラス王国、ブラッドフォード大公国、ライオネル公国、リッチェスト国の6か国のトップと宰相、高等文官の数名。
「今、私の近くには、皆さんが知っているようにメンバー全員が揃っています」
「 そして今通信で話しているのはオーリス王国、ダイラス連邦、サイラス王国、ブラッドフォード大公国、ライオネル公国、リッチェスト国の6カ国の首脳人たちです」
俺は目で見えないことを全員に説明をした。
「今から私が話をする事は部屋にいる人たちの中で留めるようにして他言無用にお願いします」
通信魔法道具からも緊張が伝わってくる。
俺はテーブルの上の喉の渇きを感じてお茶を飲んだ。
「今から話す事は、皆さんの国に関係することです」
俺だけが話を続ける。
「知っている方もいるかも分かりませんが、今、現在、私の側近は13人います。人種の6人は、アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、シャーロット、セラフィーナですが、別に、私に忠誠を誓うものたちがいます。
それが、アレク、ロゼッタ、パトリシア、アデル、エイミー、アイリス、そしてジャネットです。この6人は人の形をしていますが、人ではありません。
この6人は、薄々、気がついている方もいるかも知れませんが、実際にはいるかも知れない程度だと思いますが、伝説や神話の中に出てくる神獣たちです。
私も、多くの文献を読み漁り、神獣のことを知りましたが、召喚魔術を使い呼び出すことに成功しましたが、実は、召喚できたのは、理由があったんです。
今は平和のように思えると思いますが、遠くの方で、危険で、途方もないことが進行してきています。
それを止めるために、神獣たちを俺は集めました」
「多くの国の禁書庫の文献にあるように神獣たちは、世の中を守る役目を持って生まれてきています」
「神獣たちに逆らえば国は滅ぼされますし、神獣たちが悪い行いをすれば、神罰が降ります、だから普通は神獣たちは悪いことをすることもなく普段通りに人の中に生活をしています」
6カ国の人たちは言葉を話すことなく、俺からの言葉を待っている。
「今、ここにいる神獣7人は、私が召喚した神獣達ですから、私に従ってくれています。神獣たちが召喚できたのは、ある危機が迫っているからです」
言葉を1つ、1つ区切りながら、考えながら話を続けた。
「私が召喚できた神獣は、全部ではありませんでした。
残念ながら1体だけ、召喚することができなかった神獣がいます」
「召喚できなかった神獣が、今、悪巧みをしようとしています。しかし、今は進行中であり、なにもしていません。」
「たぶん、戦争をするよりも被害が出るのは広く人が殺されたり、国家が崩壊したりするレベルのことが起きようとしていると未来予知ができる神獣が言っています。
「一人の神獣と人の戦いになると思います。」
「神獣は、ご存知の方もいると思いますけど読んで字のことく獣です。今はハッキリ言えませんが、ここにいる神獣たちも実は巨大な獣です。
「しかし、ここにいる神獣たちよりも数倍も、恐ろしい神獣が召喚できなかった者です」
「その神獣はウルフなんですけど、ウルフはオオカミであり、狼の性質を持って生まれていれば、どの性格を持つかは、わかると思います。」
「オオカミでありウルフである神獣は、あることで人を憎んでいます。
オオカミとウルフは、違うという方もいますが、神獣ですから両方を合わせ持った性格だと思います。」
そこまで俺が説明しても、全員が何も言ってこなかった。
何も言えないほどショックだったと思う。
ここにいるメンバー全員も、俺の言葉を聞いている。
「ただし、今は何もしているわけではありませんから、影で画策している可能性もありますが、決まっているわけではありません」
「このまま、何もしない可能性もあります」
「何があっても、対処できるのは、私達のメンバーだけだと思います」
「これから、私たちはウルフがどう動くのか見ていきたいと思います」
「何もしないのであれば、放置しておきますが、隠れたところで何かをしている場合もありますので、一応、各国に知らせなければいけないと思って、この場を設けました」
早速、オーリス王国の王が「神獣の前では、人の力は無力に等しい、私の国の禁書庫にも神獣のことを書いてある本はあるが、物語のように書いてあって、それが本当なのかどうかわからなかったが、今、ここで初めてわかった。」
「私の国にも禁書庫あり、同じような物件があるのを私は見ている」とダイラス連邦の首長
そしてライオネル公国やサイラス王国の王たちからも、同じような声が上がる。
知らないのは新しく即位した王だけだ。
「しかし、物語のように書かれていた本が、なぜ禁書庫にあるのか疑問だったが、そういう理由があったのか」とオーリス王
「オーリス王、その本の内容を教えてもらえませんか?」
「うろ覚えであるが、かなり古い書物で、オーリスの時代ではなく、前の国の時代の時の本だと思うが、私が、その本を読んだのは10代の時だ。数百年か数千年前の時代に幾度か神獣たちは現れて、戦乱の世を収めたり、また、怒りの矛先を向けて国を滅ぼしたと書いてあった」
「しかし、あまりにも、突拍子もない出来事を書いてあったので今の今まで物語かと思っていた」オーリス王
「そうですよね、そういうことが書かれてあれば誰だって物語かと思いますよね。でも、本当に真実が書かれていたみたいです」
そして神獣たちの方を見ると、うなずいている
「一度だけ、私は、ウルフを黙示したことがありますが、震えが止まりませんでした。すごくドヨドヨしく禍々しいオーラをしていて」
「こんな奴と戦わなければならないことに、本当に、私は恐怖しました」
「貴殿でも、それほど、か‥‥」オーリス王
「クリス殿ほどでも、ダメか‥‥」ライオネル王
「英雄の公爵どのでも、か‥」リッチェスト国王
全員の言葉が出なくなってきた。
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