第265話 指輪

俺たち全員が迷宮のドロップアイテムで自分の能力や、他人の能力が分かる指輪を手に入れた。


でも、どうして人数がわかるんだろう?


誰かが見ているのかな?



でも、指輪は戦闘するときに有意義だと思う。


それぞれのレベルがわかったということは、それを参考に上げていけば自分のステータスが、わかってくると言うことになる。


目標ができると言うことは大切なこと、しかし1の数値を上げるのに、どれくらいの努力が必要になるのか??


例えばかなり危険なことをやらないとレベルが上がってこないとか言うのもあるかもしれないし、どんな経験を積めばレベルが向上するのかと言う問題も判断しやすいと思うので、何かをやるときにレベルさえ見ておけば上げ方がわかるかもわからない。


危険なことをやらない限りは安全な方法でレベルを上げることができればいいんだが。


「 私レベルが55だって」とイザベラ


「 私なんか51だよ」とコリン


「 皆さん何か良い方ですよ、私なんかレベルが38しかないんですから」


そんなことを女性たちは話している。


「 アレクとロゼッタと パトリシアに聞きたいんだけどレベル無限大って書いてあるけど、どういうこと」


「 私たちも指輪を持ったのは初めてだから、レベルの事はわからない」とアレク


「 そうじゃなぁ、指を持ったのは初めてだ」ロゼッタ


パトリシアの顔を次に見たけど「‥‥‥」   パトリシアは何も言わなかった。


俺も神獣たちと同じ無限大なのでヒントくらいはあるかと思っていたが、もらえなかった。


そもそも無限大と言うのはレベルなのか?


う〜ん、無限大って、限界を持たないっていう意味だよな。


限界を持たないって?どういうことだ。


限界がない?、う〜ん、何に対して??


魔法力?なのかな、と言うことは、まだまだ向上の余地があると言うこと?


俺って、今、16歳だから、これからも伸びる余地があるって思いたいけど‥‥‥。


魔法の力がもっと伸びる力があるんだったら、伸ばしたいんだけど、どうやったら伸ばすことができるんだろう?


「う〜ん」




あっそうだ、言っておかなければならないことがあった。


「指輪を持っている人は、他にもいるかもわからないから注意して」


「そして、これからは何があっても自分の数値よりも上の人と喧嘩しないように」


まずは何よりも、指輪のアイテムを使って、スクリーンに相手のステータスを映し出す事だ。


「自分の状態を確認したい場合は左側に写っているみたいだし、相手を見るときには正面に表示されるようだ、そして消す時には瞬きをすれば消えるみたいだよ」と俺が見たことを説明した。


アリシアが「相手の年齢や名前まだわかるなんて」


イザベラが「なんだか、すごいね」


ソフィア、「魔物でも、わかるのかなぁ」


コリン、「人がわかるんだから、魔物もわかると思うけどね」


俺、「次、魔物が出たら見てみようか?」


アリシア「面白そうだね」



そして俺たちは、下に降りていく階段を見つけて降りてみた。


階下に降りてみたけど、通路があるだけで、魔物はいない。


さらに進んでいくと通路の幅が徐々に広がっていき、広場みたいなところに出てきた。


その広場に、何が出現するのかわからないけど、今は何もいない。


さっきは大きなトカゲだったけど、今度は何が出現するのかドキドキしている。


なんだかさっきのトカゲも、すごくリアルだったから気持ち悪かったな。


俺は、あんまり爬虫類は好きじゃないんだよね。


そうして、そのフロアで待っていると、現れてきたのは、大きな蛇だった。


出現した瞬間、俺は顔がこわばってしまった。


アレクとロゼッタとパトリシアは、平然としているけど、ソフィアもとコリン、イザベラは平気そうだ。


しかし、あとのメンバーは、全員、大きな蛇が出てきたら、後ろに下がった。


「うわっ」アリシア


「気持ち悪い」セラフィーナ


「わたしダメ」シャーロット


後ろに下がると言う事は、多分、得意では無いんだろうな。


なんてことを考えながら、蛇がみんなに向かってシャーと言っている。


口から出てきている舌も気持ち悪い。


アリシア「あんなのムリムリ」って言ってきた。


セラフィーナ「わたしもムリ」


シャーロットも「足が震えてムリ」だそうだ。



先ほどドロップしたアイテムの指輪を使って、蛇の数値が表示されるかどうか確認してみると、表示されていた。


俺は、「みんな、ヘビの強さが表示されているから確認して!」



と俺が大きな声で言うと、全員が蛇のステータスを表示させた。


蛇の表示は、67と表示されている。


つまりパーティーメンバーの女の子たちと比べて、強さが上だと言うことだ。


1番高いアリシアが57、ソフィアは58だから、アリシアよりもソフィアよりもランクが上だ。


ランクが上の魔物、どうやって攻略するか。


もし仮にランクが上の魔物を討伐することができたら、ランクが上がるかもわからない。


「みんなよりもランクが上みたいだから、ランクが上がる可能性があるよ」と行ってみる。


そうするとみんなの蛇を見る目が変わってきた。


ソフィアとコリントイザベラだけが蛇を怖がっていない。


でも、それ以外のメンバーは蛇を怖がっている。


これ以上放置しておくと、トラウマになると思って、ソフィアとコリンとイザベラが、大きな蛇に向かって戦いを挑んでいく。


大きな蛇が口を大きく開けた。


口を大きく開けた蛇の喉のあたりが赤く光ってる。


「蛇が火を吐くぞ」と俺が大声で言う


今にも蛇が炎を吐きそうだったので、3人に注意しながら後ろに下がってもらったが、下がってすぐ蛇は炎を吐いた。


吐いた炎が高温だったみたいで地面が焦げている。


蛇が炎を吐いて、すぐ、ソフィアとイザベラが切りつけたが、皮が固く刀が通らない。


一度、後ろに下がった2人は、コリンが刀で斬りつけたが、やはり通らない。


3人では負担が大きいと思って、俺が前に出てきた。


そして蛇が口を大きく開けたと思ったら喉の奥が赤くなっているのが見えた。


蛇がまた炎を吐いたけど、すぐに避けて無事だ。


俺は考えて異空間収納に入れている使っていない刀を数本、出した。


これは以前、訪れた武器屋で、必要になるかもしれないと思って購入していたものだ。


刀を2、3本ずつそれぞれに渡して、横に広がってもらった。


「ヘビが口を開けた瞬間に思いっきり刀を口の中に投げ込んで」


そして次の炎を吐くために、蛇が口を開けた。


その時に全員が、基礎魔法を展開したまま蛇の口に向けて刀を思いっきり投げた。


すごい勢いで投げつけられた刀は、蛇の口に入っていった。


蛇は大口を開けていたので、喉の奥まで刀を入れられて、のたうち回っていたが、そのうちに動かなくなってしまった。


蛇の動きが止まった。


「今のうちに、もう一度、切り込むんじゃなくて、刀を垂直に立てて。」俺が言うと、すぐに動いたのはソフィアだ。


ソフィアが蛇に向かって刀を垂直に立てて刺した。


そしたら刺さった。


それを見たイザベラとコリンが、蛇に飛び込んで刀を垂直に刺した。


蛇はまだ生きていたみたいで蛇が、のたうち回りだしたので、いちど離れた。


しばらく、のたうちまわっていた蛇が、動かなくなった。


「やったー」ソフィアが叫んだ


「ヘビを討伐した」イザベラが言った


「うれしい〜」コリン


「3人ともすごいね」アリシア


全員が3人の周辺に集まってきた。


ワイワイ、ガヤガヤ


「3人とも、お疲れ様」


アレク「ほんと、すごかったよ」


ロゼッタ「本当にご苦労様じゃ」


パトリシア「格上の蛇を倒すなんてすごいね」


騒ぎがおさまって、3人ともステータスを確認してごらん、俺が言うと全員ともステータスを確認したら、ソフィアが61、イザベラが56、コリンが52になっていた。


1番、活躍したソフィアのステータスが1番増えていた。


よかったね、ソフィア

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