第250話 トリスタン王国 4
トリスタン王国で、いろいろな情報を探っていると、まだ準備段階だということがわかった。
もし、このまま放置すれば、あと数ヶ月で戦争になるだろう。
戦争になる前に、止める必要がある。
俺たちがこの町に宿をとってしばらく調査しているんだけど、徐々に慌ただしくなってきている。
いまだに馬車が、お城の中に入ったり出たりしている。
俺たちは宿で話し合いを持った。
「多分、あと数週間から数ヶ月で、出兵することになると思う」
「そうすると、すぐ戦争になるね」とソフィア
「今回は、どう動くか意見を聞きたいんだけど?」
「難しいよね」とイザベラ
「そうだね、すごく難しい」と俺
「あ、そうだ、アレクとロゼッタとパトリシア、ちょっと周りに集まって、」
「うん、な〜に」アレク
俺は立ち上がって3人に集まってもらった。
3人が俺にくっついてくる、そして、以前と同じように協力してとお願いして、俺は集中力を高めて魔力を集めていく。
3人の力を借りて目の前で見てきた王城に意識を集中する。
城の中を、ありとあらゆるところを感知魔法でサーチしていく。
いろいろなところにいる人を確認していく。
どこかにトリスタン王がいるはずだ。
お城に感知魔法を展開して、トリスタン王を確認していく。
お城の人数が膨大に上るが、トリスタン王は上層部にいると思われるので、上から確認していくことにした。
出かけていなければ感知魔法にかかってくるはずだ。
神獣3人と俺が集中力を切らさないようにして魔法力を上げていく。
そうすると見つけた。
しばらく間違いないか確認するために会話を聴く事にした。
「王よ、ただいまの準備は5割、整ってございます。もう少しで、オズワルド王国とライオネル公国を、手中にし念願が叶います。」
と、いきなりヒットしてきた。
やはり神獣3人で使ってパワーアップした感知魔法はすごい。
さすが神獣だ。
俺は3人にお礼を言って、離れてもらおうと思ったが、3人ともが離れなかった。
だからそのまま、トリスタン王に意識を集中することにした。
そして、いつでも確認ができるように、マーカーをつけた。
トリスタン王は、オズワルド王国とセラフィーナのライオネル公国の両方に進行しようとしているみたいだ。
一時、感知魔法を遮断して、全員に「オズワルド王国とライオネル王国の両方に戦争を仕掛けようとしている」
それを聞いていたセラフィーナは顔が真っ青になった。
「トリスタン王が先ほど言っていたことを要約すると、ダンジョンを攻略すると言う名目で戦争の準備をしているみたいだ。」
ダンジョン攻略と言う名目で動き出しているから、街は戦争ムードと言う感じではなかったみたいだ。
この国では、他の国に比べて迷宮が多くある。
迷宮の攻略を理由にして準備を始めれば、都合が良いことになるから。
しかし、トリスタン王は急速に周辺の諸国をまとめた人物だから、やり方が汚い。
正当性があるやり方では、こんなに急に諸国をまとめることなんかはできない。
と言うことを考えれば、それだけの人物だと言うことだ。
なんか、腹が立ってきた。
嘘を言って人を集めて、集めた奴らを前面に出して、人間の縦にするつもりだろ。
だから、やり方がおかしかったんだろう、しかし物資は、お城に必要だから、お城の地下に大量にあると思う。
戦争をやる奴は、人が生きようが死のうが関係なく、自分だけの欲望のために動いている。
大義名分は、国のためだとか!
実は自分の私利私欲の場合が多い。
前世の俺の時でも、急に攻め込んできた。
このままトリスタン王を調子づかせると、オーリス王国も、まずいかもわからない。
何よりも戦争と言う事は、自分の国が統治できていない証拠だし、豊かになっていないと言うことだ。
人のことを羨んでばかりいて、自分の努力をしていない。
人が持っているものばかり欲しがっている悪質なガキ大将だ。
しかも2国に攻め込むわけだから、それだけ人員も必要になるし物資もいる。
しかし、お城のトリスタン王を監視すると、やはり荒々しく、すごく暴力的な王様のようだ。
こういう王様じゃないと、そんなに10数年で国なんかできない。
さぁ、どうするか?
俺が3人から離れて椅子に座ると、メンバー全員が俺のことを見ているのに気がついた。
セラフィーナに「大丈夫だから」
セラフィーナは、「わかってるわ、クリスが動いてくれるんだもの。クリスの顔は、いつもと違うから! 」
全員が、今の言葉にうなずいた。
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