第229話 依頼

僕たちパーティーメンバー全員で、冒険者ギルドに向かっている。


冒険者ギルドの扉を開けて中に入ると、一般的に設けられている掲示板とは違って、自分たちは特Sランクなので、一般的な受付のお姉さんの横にある扉から個室に入ってきた。


この個室は置いてあるソファーもすごく豪華で、近くには自分で入れなければいけないが、紅茶を入れる設備が置いてある。


この個室には、Aランク以上の冒険者が入ることができる。


僕たちが入っていくとすぐに、対応をしてくれる、お姉さんが入ってきた。


何も言われていないが、僕たちは全員のギルドカードをカウンターに並べた。


並べられたギルドカードをお姉さんが確認して、特Sランクだとは、思っていなかったみたいで驚いている。


今まではBランク冒険者だったので、このお姉さんは個室専用の受付の人みたいだ。


つまり僕たちとは面識は無い。


特Sランクの冒険者は、めったに冒険者ギルドに来ない。


と言うのは圧倒的に人数が少ないから。


多分、この王国でも僕たちだけだと思う。


つまり、この王国に特Sランクの冒険者が、7人もいると言うことだ。


以前の事件があったときにアレクとロゼッタとパトリシアも貢献が認められて、一気にランクアップして同じになっているから。


だから全員が、特Sランクの冒険者になる。


僕たちのランクでは、いなくなった猫などを探すような依頼は無い


主に依頼があるのは、国からの依頼や貴族からの依頼が中心になる。


しかも、ほとんどが、嬉しいことに高額報酬だ。


もし仮に貴族がどこかの国に行くために護衛の依頼を出す場合、Sランク以上がいなければ、Aランク冒険者を多く雇わなければいけない。


僕たちは差し出された数枚の書類を見て選んでいる。


1番上は、あまりにも期間がかかりすぎる依頼のため、やめた


2番目は、魔物の集団を退治してほしいと言う貴族の依頼だ


3番目をめくってみたら、目が点になった。


3番目の依頼は、この国の王妃であるシャーロットの依頼だった。しかも、なんだか、たった今、出されたような依頼なんだよね?


受付のお姉さんに聞いてみたら、僕たちが来たら、この用紙を依頼に混ぜるようにと言われていたそうだ。


つまり他の人が受ける事はないと言うことだ。


考えたら、俺たち専用の依頼だと言うことだ。


しかも用紙には依頼内容は書いていない。


「あの、この依頼、内容が書いていないんですが?」と俺が聞くと


受付のお姉さんは、「直接、会ってから話すそうです」と言った。


「実は、姫様から、公爵が来たら渡してほしいと言われていたんですけど、なかなか現れなかったので、どうしようかと思っていたんです。そしてその依頼は、最優先です。」


どんな依頼を受けるよりも俺たち専用に発行されて、しかも最優先だと言われればしょうがない。


「じゃぁ、この依頼を受けます。」とお姉さんに言うと、お姉さんはニッコリとして、胸を撫で下ろして、ホッとした。


冒険者ギルドから出てきて、歩きながら屋敷まで戻る。


「みんな、ごめんね、シャーロット姫からの依頼だから断れないや」


ロゼッタが「それもいいんじゃないかな」と言ってくれた。


ロゼッタは、昔は、じゃ て言っていたと思うんだけど、最近は少なくなって普通に話すようになってきた。


アリシアが、「姫様、何の依頼だろうね?」


「ここまで手が込んだ依頼をしてくるんだから、考えてもわからないよ」と僕


全員で、あれや、これやら話ながら屋敷まで戻ってきた。


屋敷の執事のセバスチャンに、先ほど冒険に行くと言って出てきたのに戻ってきたので不思議がられた!


訳を言って話すと、納得してくれたけど。


今からシャーロット姫がいる王城まで転移していくことにした。

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