第213話 誘拐犯 12
他の3チームの子供たち助け出して奪還に成功したみたいだ。
あとは、城に潜入する俺とアリシアのチームだけ。
俺たち2人は、結界を張っている階の前まで瞬間転移してきた。
今は地下に通じる通路にいるんだが、見えない結界魔法でさえぎられて、人が通ることができない。
「やはり、人は通れないね」
「うん、どうしよう」
これを破壊しないと、通ることができないんだが、俺ならできると思ったんだが簡単にはいかないみたいだ。
急がなければ人が来てしまう。
この結界は、かなり特殊な結界みたいだ。
そういえばパトリシアと感知魔法を展開したときに、見通すことができた。
という事は、人が張った結界ではない?
と思ったのでパトリシアに念話でつなげてみた。
「パトリシア聞こえる」
「ご主人様、なに?」
「今、結界の前にいるんだけど、破壊できないんだよね」
「‥破壊しようとしないで、仲良くなれるような感じで思ってみて」と理解しがたい言われ方をした。
「どういうこと?」
「敵意を持った人が侵入しようとするのを防ぐ結界だから、ご主人様だったら何気なく通った方が、すぐ通れるよ」とパトリシア
そんな結界があるのか?
パトリシアに言われた通りに俺は、普段通りに通路を通ってみると簡単に通ることができた。
「パトリシア、結界を通ることができたよ、ありがとう」
「うん、何かあったら、すぐに連絡してね」と言って念話を切った。
「パトリシアって凄いんだね」とアリシア
「神から遣わされた獣だからね」と俺、俺は心の中で、神から遣わされたクマだけどね、と思って、フッと笑ってしまった。
それを聞いていたアリシアが???と思っている。
張られた結界を通って、後は最下層の子供たちがいる牢屋の中まで転移をした。
急に目の前に現れた俺たちに子供たちは、びっくりしていたが、アリシアが子供たちに近寄って「もう大丈夫だからね、助けに来たからね」と言って近づいていった。
殴られたあとがある子供もいれば、怪我をしたり、病気になっている子供がいるので、ヒーリングの魔法を使った。
全員がアリシアの周りに近づいてきたので、オーリス王国の屋敷にアリシアとともに転移させた。
これで全員の子供たちが無事に確保できた。
さらに廊下を進んでいくと腐敗臭がしてきた。
かなりの人数の子供たちの亡骸が、そこにはあった。
かなり前から子供たちを拉致したりしたんじゃないかと思うくらいの数はあった。
全員に念話をつなげた。
時間的に夕食を持ってくる時間だったみたいで、女性がトレーに食事を持って廊下を歩いてきた。
ここにも多くの食事を持った女性が3人降りてきた。
俺は透明化の魔法を使って3人の女性を魔法で眠らせる。
全員の洋服から見て、奴隷のような格好をしている。
しかも殴られたような跡がある。
そして女性たちは暴力を受けっているみたいで手足に縛られたあとがある、すぐに魔法を解いて目を覚まさせる。
3人には、口裏合わせを、される可能性があるので、一人ずつ引き離して魔法を解いて聞いてみることにした。
1人に話を聞くと、すぐに助けてください、と言われたが、「子供たちが誘拐されているのは知っているね」と俺が聞くとうなずいた。
「主犯格は誰」
「大公様と第一王子様と第3王子様です」
3人の女性に、それぞれ同じことを聞くと、同じように答えたので嘘は無いと判断した。
自分たちも助けてと言われたが、今は、まだ待つようには言っておいた。
俺は、王様も第一皇子も第3王子も顔を知らないが、ここまで降りてきた奴ら全員が関係者だと思う。
俺はこれから精神魔法を使うことにする。
前回は帝国が侵略してきたときに王様に使ったけど、今は、さらに上手になっている。
他のメンバーがいるところでは聞かなかったけど、3人にアレクとロゼッタとパトリシアに念話でつなげて、精神魔法が使えるかどうか確認してみたら、そんなん簡単だよ、と言われた。
本当は精神魔法を使わずに、そういう奴らは殺したいと思ってしまうが、それでは国家の一大事につながってしまう。
しかし、この国でも以前、オーリス王国で出回っていた麻薬の被害は多くなっているので、麻薬のせいにしてしまえばいいと考えていた。
つまり麻薬のやり過ぎで精神的に、おかしくなったと言う感じにして欲しいと言ったら、全員から簡単に、わかったわ、と言われた。
そんな話をして考えながら牢屋の通路をうろうろしていたら、どこかから、うめき声が聞こえてきた。
子供以外に誰かがいるのか?
さらに奥に行ってみると、女性が両手を上に上げて鎖で繋がれている牢屋があった。
女性は裸だった。
ムチを打ったあとが、体に残っている。
俺は、すぐにヒーリングの治療をしたが、助かる可能性があるかわからない。
ヒーリングの治療だけじゃ足りないので、さらに上級のヒーリングを施すと、傷が治って顔色も良くなってきた。
髪の毛を見ると、荒れてはいるけど、どこかの貴族の娘だろうか?
治療を施したので大丈夫と思うけど、洋服もないので、オーリス王国の屋敷に転移した。
俺が姿を現すと、すぐにアリシアが駆け寄ってきて、女性を受け取ってくれた。
俺の屋敷には、すごい人数の人が集まっていた。
雑踏の中、多くの人が動き回っている
オーリス王国も人を派遣してくれたみたいだ。
俺は、また、すぐ城に戻った。
城に戻ると、すぐに念話が送られてきた、それはロゼッタからだった。
話を聞いてみると、公爵が隠している麻薬を見つけたので、10人以上が地下に降りてきたときに、精神魔法を使って麻薬のやり過ぎに見せるようにしておいたと言っていた。
ロゼッタは俺のところに転移してきた。
転移していたロゼッタに、「城に他に誘拐されたり、拉致されて牢屋に入れられているような人はいると思う?」と聞いてみると、いないと言うことだった。
そしてすぐに、アレクとパトリシアも合流した。
アレクとパトリシアもロゼッタと同じ方法でしたらしい。
あとは、俺たちがいる城だけ。
国が関与していると、厄介なんだよね、国が崩壊することもあるので、どうしようかと悩んでいたけど、先程の女性が、第二王子は、関係していないような感じで言っていたのを思い出した。
そして先ほどから捉えている食事を運んできた3人の女性に第二王子の特徴を聞いた。
第二王子は、体が弱い王子らしい。
体が弱いからといって奇行に及ばないかと言うと、そうではないと思うので、あとは性格だろう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お読みくださっている方、ありがとうございます。
ブックマーク、ハートマーク、星マーク、評価も、感想も、ほんとうにありがとうございます。
ほんとうに小説を書くための励みになっています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます