第202話 誘拐犯
写真があれば瞬間的に転移させる事は可能なんだけど、写真を持っていないし顔も知らない子供が5人もいるので、どうしようかと考えている。
どうする?? と考えていたが、空気がある空間魔法を使うことを考えた。
作戦は、5人の子供を一気に空間に転移させることだ。
アジトらしき所に全員で瞬間転移するが、俺だけは子供たちの近くに転移して、子供たちを、すぐに空間に収納する。
そして、誘拐犯を片付けることが作戦だ。
全員に俺の周辺に集まってもらって、説明をする。
なぜかベッドから立ち上がったアレクは、俺の後ろに回って抱きついてきた。
他のメンバーはアレクと俺を見ているが、気にしている余裕は無い。
転移してからの動きを確認して、誘拐犯が少しでも子供から離れたときに実行するからといって、いつでも転移できるようにした。
俺を中心に手をつないでいる。
まだアレクは俺の後から抱きつている。
後にはアレクが抱きつきながら、右の手にはアリシアとつないでいる。
アリシアの横にコリンとロゼッタがいる。
左側にはイザベラが手をつないで、その先にソフィア
俺は感覚魔法で、誘拐犯の位置を探っていく!
なかなか子供たちの近くから誘拐犯が離れない!
しばらく様子を見ることにして、メンバー全員に、いつでも転移ができるようにしておいてと伝える。
しかし、どこの国にも誘拐犯みたいな奴らがいるみたいだけど、国生またがった組織があるのかな?
国を、またがった大掛かりな組織があるかもしれない、どこかの貴族が関係しているか、または国全体が関係している場合もある。
または、小さい組織だったら無数にあると思う。
それを、1つずつ潰していく作業は不可能に近い。
他人事では、いられない理由は、アリシアが誘拐されているからだ。
俺の手を両側で握っているメンバーが、俺の手が熱くなるのを感じたみたいで、握り返してくれたので俺は意識を戻した。
俺はアリシアのことを考えて、一瞬、意識が離れたことで集中していなかったので、再度、集中しなおして子供たちに意識を向けた。
数人の男が拉致した女の子に何かを話している。
まだ、転移はできない。
女の子が大声で泣いているので、ナイフで脅しているようだ。
そうすると女の子は余計、大きな声で泣き出した。
そうすると男は女の子をナイフで傷つけようとしている。
これは、もう待っていられない!
そう思った俺は男が持っている刃物だけを、俺の手元に引き寄せて、ナイフが現れた瞬間に全員で瞬間転移した。
自分の持っている手からナイフが突然、消えたので、男は驚いて動けない状態だったが、俺は手刀で、男を気絶させた。
急にメンバー全員が男たちの前に現れたので、男たちは全員が動くことが、できない状態。
メンバーたちは男を確認して、全員を峰打ちで倒した。
俺たちメンバー全員で7人だけど、誘拐犯15人を倒すことに成功した。
特に俺に抱きついていたアレクと、ロゼッタの活躍がすごかった。
誘拐犯には、拘束のためロープを出して縛った。
そして誘拐犯、15人を倒したので、子供たちの手足を縛っているロープや袋に入れている状態から出す。
子供たちは恐怖で震えているし、大声で泣いている子もいるがメンバーの女性たちが慰めている。
こういう時は女性たちがいるのが助かる。
しばらくして少しだけ落ち着いてきたので、ソフィアに頼んで憲兵隊を呼んでもらう。
「ソフィア、憲兵隊を呼んできてもらえる」
「うん、わかったわ」
「また前と同じように、ギルドカードを持っていってくれる」
また、ここでも信用させなければいけないので、俺のギルドカードソフィアに預ける。
ソフィアは走って出て行った。
まだ子供たちは不安そうに泣いてはいるが、メンバーがついているので、徐々に落ち着きだしている。
俺はやることがないので、部屋を見渡している。
何か誘拐犯の手がかりになるようなものがあるんじゃないかと思って部屋を見渡していると、机の上に書類が置いてある。
その書類を見てみると、男や女などが書いてあって人数が書いてある。
書類を見る限りは、やはり、どこかから指示があって拉致する人数や男性女性を決めているみたいだ。
誘拐する奴らは、誘拐した子供たちを売り払うところが必要だから、どこかに売り払う場所があるはずだ。
しかも、それを買う奴らがいるからだ。
目的がいろいろあるにしろ、人身売買組織は最悪だ。
人の幸せを奪おうとしている奴らなんだ。
許すことができない。
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