第203話 誘拐犯 2
誘拐犯を捕まえてから、ソフィアに憲兵隊を呼びに走ってもらった。
ここでも、俺の他国だけど公爵としてるのギルドカードが役に立っている。
そういえば疑問に思ったけど、16歳の俺が公爵だと言っても、信用してもらえるのか?
公爵の後継だと言えば信用するかもしれないが、後継は権力を持ってないと思うけど。
親の脛齧りで親の権力を利用しているだけだから。
どこかの、お偉いさんみたいに、この印籠が目に入らぬか、って言っても、偽物だと言って、ええいっ、切り殺せっ、ていう本で読んだ物語があったような。
ソフィアが呼んでくれた憲兵隊は20人。
誘拐犯たちが15人いるので、それぐらいは必要だ。
狭い部屋に誘拐犯が15人と憲兵隊が20人と俺たちがいると狭くなるので、子供たちと一緒に建物の外に出てきている。
俺は、ひとりで立っているが、他の6人の女性たちは子供に寄り添っている。
俺は一人で立ちながら、先ほど見た紙束のことを考えていた。
その紙束には、誘拐犯たちが指示を受けて行動した形跡があった。
子供を集めたら、落ち合う場所が書いてあった。
今は、そんなに時間は立っていないので、誘拐犯たちが捕まったと言う事は知しれていないと思う。
押収した紙の束のことは憲兵隊に言って他には漏らさないよう口止めしてもらった。
どこから子供を攫ってきているのか、わからないが、遠くの村からも連れてくるのかもしれない。
この場所だけじゃないのか??
俺は、憲兵隊のリーダーに地図を見せてもらい、場所を確認してみた。
大まかな場所の特定ができたので、感知魔法のサーチを使って、誘拐犯の居場所をしてみることにした。
そして紙束には集まった人数だけ連れて行くと書いてあり、間に合わなければ、次の指示を待てと書いてあった。
次の待ち合わせの時間は、4時間後だ。4時間後ということは、もうすぐに出ないと間に合わない。
つまり、ここのアジトから、連れ出される前だったと言う事。
だから集合場所には多くの人と。誘拐された子供達がいる。
まだ、連れられてくる可能性もあるけど、広い範囲をサーチしても、近付いているやつはいない。
一人の子供が眠れされている状態から目が冷めたみたいで、泣き出した。
男が、袋に入っている子供を足蹴にしている。
急がなければ‥
でも今は俺たちは動けない、憲兵隊の事情聴取がある。それも公爵の権利を使い、早めに帰ることができた。
俺たち7人は憲兵隊に、泊まっている宿の名前を聞かれたので教えた。
俺たちは、憲兵隊と分かれて、路地から瞬間転移した。
7人で誘拐犯から見えない、気づかれることもない位置に瞬間転移してきた。
まずは、誘拐犯の様子を確認することにした。
俺が集中して感知魔法を使い、サーチで確認する。
そうすると先ほど一人の子供が目を覚ましたが、また、眠らされているので安心した。
暴力は受けていないようだ。
このことをソフィアに走ってもらおうと思って、ソフィアに説明した。
俺はソフィアを、もう一度、連れて路地に戻り、憲兵隊を連れてきてもらうことにした。
そして先ほどまでいた、場所に瞬間転移して戻ってきた。
まだ、サーチしても、この近辺には、誰もいないし、近付いてくる人もいない。
しかし、誘拐犯が待っているということは、くる可能性がある。
俺たちはもう少し待ってみることにした。
王都だけではなく、他の村からも子供たちが拉致されてくる可能性もある。
俺は憲兵隊が、どこまで近付いたのか確認してみた。
もう近くにきているみたいだ、先頭にはソフィアがいる。
憲兵隊を連れたソフィアは、ゆっくりと静かに馬を降りて近付いてきている。
誘拐犯たちは、50人以上いるみたいだ。
子供たちは、32人もいる。
馬車が5台もあるから、複数箇所から子供を誘拐したと思う。
そして王都の塀を通るためには、憲兵隊か誰かの手引きがないと難しいので、そこでも内通者がいる可能性がある。
多分、下っ端では難しいと思うから、強引に子供たちを乗せた場所を通すために上役の役人だろう。
俺が透明化の魔法を使い、飛んで確認してみることにした。
やはり馬車が5台もあって、多くの馬と大人の人数が50人以上はいる。
そして、やはり馬車の中には、子供たちが多く眠らされている。
俺は全員と話し合うために、戻った。
「馬車が5台あって、誘拐犯が50人以上いる」
「子供たちがいなければ、妾が消飛ばしてくれよぞ」とロゼッタ
「うん、私も暴れ回りたい」とアレク
「早く救出しなきゃ」とアリシア
俺は、「作戦を立てようよ、むやみに突っ込んでも子供たちに怪我させられたら、どうしようもない。何とか無傷で取り戻さなければ」と俺が言うと
アリシアが、「クリス、ちょっと聞きたいんだけど」
「アリシア、なに?」俺がアリシアに聞くと
「クリスは、子供たち全員に結界を張ることができる?」と聞いてきた。
「うん、できると思うよ、というか、できるよ」
そこで俺は思い当たった。
アリシアがくれたアイディアを実行すればいいんだ。
「じゃあ作戦会議ね、俺が誘拐された子供たち全員に結界を張って守るから、後は全員で誘拐犯をやっつけよう。
もちろん殺さないようにして! でも、もし危険なことがあったらそういうこと言ってられないからね」と俺は言った。
「そして危なくなる前に大声で俺を呼んで」といった。
「じゃあ全員、集まって、俺を中心に、奴らのど真ん中に転移するから、見えた男は全て倒してね」
「アレクとロゼッタも他のメンバーのフォローをお願いね」
2人が了解とうなずいた。
「全員で転移する瞬間に子供たちを結界で覆うからね!」
「じゃあ構えて、行くよ」
転移して、すぐに子供たちが乗っている馬車を結界でカバーする。
子供たちは全部で32人いた。
32人を結界で覆うよりも馬車を結界で覆ったほうがいいと思ったので。
50人以上の誘拐犯の中に俺たちは瞬間的に姿を現した。
こちらを見ていた奴もいたが、瞬間にアリシアが倒した。
そして特に、すごかったのがアレクとロゼッタだ。
この2人だけで30人以上の誘拐犯が倒されていた。
俺も、睡眠魔法で10人ぐらいは倒した。
あとの残りは、アリシアとイザベラとコリンが倒した。
人数が多いので全員をロープで縛っていくだけで時間がかかった。
子供たちの安全は確保しておいたので時間がかかっても危険性は無い。
そして俺は馬車に捉えられている子供たちの容体を確認する。
全員が眠らされている。
大きな怪我をしているような子はいない。
俺は5台の馬車を行き来しながら確認を行っているが大丈夫そうだ。
そうしている間に馬の足音が聞こえてきた。
感知魔法で確認してみるとソフィアと憲兵隊だ。
先程の王都のアジトで誘拐犯を捕縛したときにソフィアが連れてきた憲兵隊の数人がいたので、俺たちだと、わかって指示を出していた。
憲兵隊の1人が話しかけてきた。
「公爵様、このたびは本当にありがとうございました、これだけの子供たちが誘拐されていたとなると大変なことでした。」と言ってきたが、俺は気にしていないような返事をした。
「後は皆さんにお任せしていいですか?」と俺が言ったので、わかりましたと言われたので、俺たちは徒歩で離れた。
徒歩で離れた後、宿の近くの路地に瞬間転移した。
そこから歩いて宿に帰ってきた。
俺を含めて全員で女性たちが泊まっている部屋に行く。
「今回の誘拐犯は、やはり組織として動いているような感じがする。それに関係しているのが、商人や、貴族や、国なのかもわからない」と俺は話した
「怖いことだね」ソフィアが言った
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