第184話 誘拐 3
誘拐されて拉致されている子供たちがいるので、ソフィアとイザベラに憲兵隊を呼んできてもらう。
憲兵隊を呼ぶときに、公爵の部下だと言うことを言った方が信用されやすいので、俺はギルドカードを渡した。
助けた子供たちを、ヒーリングしていると7人の憲兵隊と5人の騎士がソフィアとイザベラを先頭に入ってきた。
入ってきた憲兵隊と騎士は中の状況を見るなり、驚いている。
「公爵様は、どちらに?」と言われたので、手を挙げた。
今は16歳になっているが、背は多少、小さいので、わからなかったみたいだ。
「公爵様、申し訳ありませんが、ご説明、願いますか」と騎士に言われた。
そして俺は、知り合いから依頼され誘拐されている子供たちを探していた、と簡単に説明した。
なんだか、さらなる説明を求めるような顔をしていたが、俺は、それ以上、話さなかったので、聞いてこなかった。
こういう時はありがたいと思うよね、公爵って
俺は指示をして、子供たちをそれぞれの親に返すように言った。
なんだか今回の誘拐事件も、前回のアリシアが拉致されたときに似ているなと考えていた。
そう考えると、なんだかイラッとしてくる。
そんな俺を見ていたのかわからないが、アリシアは俺の手を握ってきた。
そして、なぜか反対の手を、ロゼッタが握ってきた。「熱くなるでない」と言われてしまった。
なぜ手を握ってきたのかわからないが!
あとの処理は憲兵隊と騎士に任せることにした。
これ以上、聞かれる前に、俺たちは誘拐現場をあとにした。
真夜中なので、暗いが路地裏に入って、宿の部屋に転移した。
転移して明るくなったら、アレクと女の子が笑いあって遊んでいた。
転移してきた俺たちを一瞬見たが、また遊びだした。
「アレクご苦労様」と俺はいったが、アレクはこちらを見ないで、ずいぶん元気になったでしょ?と言ってきた。
本当にアレクに任せて、よかったと感じた。
「今日は、本当に上出来だったよ」俺が言う
イザベラが「何、言ってんのよ、ほとんど、あんたがやったんでしょう」と言われた
否定できないところが悔しい
まだ、夜中だけど、眠るには時間がない。
魔族の皇帝の方を確認したら、夜中なのに、いろいろな指示を出しているみたいだ。
俺たちは時間ができたので、今日の1日の疲れを取るために屋敷の温泉に入りに行くことを提案した。
そうすると女の子以外全員が手を挙げた。
あっそうだった。
この子どうしようかなと思っていると、私も温泉に行きたいと軽く言われた。
体が回復しているか確認してみると、大丈夫そうだったので、「じゃぁ一緒に行くか」と言ったが、女の子が俺の手にすがりついてきた。
「名前はなんていうの」と女の子に聞くと
「ミーアって呼んでね」と言った。
「ミーアは、歳はいくつ」と俺が聞くと
「7歳よ」と言った。
「あなたの名前は?」と女の子が聞いたので俺と全員の名前を紹介した。
紹介も終わったので、「じゃぁ温泉に行くよ」と言うとロゼッタ以外の全員が俺の手をとった。
ロゼッタは自分で転移ができるけど、何だか寂しそうにしている。
女の子は訳がわからなかったけど、俺の腕を握ったままだった。
「今から温泉に行くけど、ちょっとふらっとするかもわからないよ」と女の子に注意をして、温泉棟に転移にした。
女の子はアレクが女性用の脱衣場に連れて行った。
俺は男性用の脱衣場に向かいながら、今は真夜中などで星が綺麗だから露天風呂に来ている。
もし女の子が入ってきてもいいように、タオルを巻いている。
露天風呂につかって本当にきれいな月と星空を眺めていると今日あったことが嘘のようだ。
でも厳しい現実なんだ。
まだ、俺たちが助けられた子は、良い方だ。
この世の中には、男の子が好きな奴もいる。
そして女の子だったら、成人していなくても性の奴隷として扱われる。
そのうちに精神的に病んでくることや、死に至ることもある。
また残虐の限りを尽くす奴もいるし、ムチで打つのが好みの奴もいるから。
そう考えながら、なんだか最近冒険者なのに冒険をしていないなぁと考えている。
そこに女性陣が入ってきた。
ミーアもタオルを巻いて入ってきている。
なぜか、ミーアが俺の横に座る。
俺が座っている目の前を通りながら反対側にアリシアが座る。
そしてアレクが泳ぎだす。
全然ゆっくりできないんだけど!
ソフィアとイザベラとコリンも近い距離にいる。
今日はなんだか女性人との距離が近いような気がする。
そしてロゼッタは少し離れたところで、こちらを見ている。
なんだか寂しそうにしているので、手招きすると、すぐにきた。
「なんだか主様の近くは落ち着くのじゃ」と言っていた。
「今日は、みんな、ご苦労様」と俺は言う
アレクが少し静かになったので、温泉を堪能した。
何を思ったのか、アリシアが全員に目配せして、タオルを外した。
そうすると全員がタオルをとった。
「あーやっぱりタオルがないほうがいいわ」とイザベラが言っている
「本当にタオルをしていると温泉入っている気分が半減するわね」とソフィアまでが言っている。
「あー本当に気持ちがいいわ」とアリシアが肩に手で温泉をかけている。
「ほんと」とコリンが言った。
アレクが「温泉は、裸で入らなきゃ」
ロゼッタが、「本当じゃな〜」
全員が温泉を楽しんでいるが、ミーアまでタオルをとった。
なんだか今日は女子率が高いため目のやり場に困る。
せっかくゆっくりするために温泉に来たのに、逆にドキドキしてしまう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お読みくださっている方、ありがとうございます。
ブックマーク、ハートマーク、星マーク、評価も、感想も、ほんとうにありがとうございます。
ほんとうに小説を書くための励みになっています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます