第173話 王都散策

野原での戦闘訓練をしているときに、アレクが「お腹、空いた~」と言い出したので、そういえば、俺もお腹が空いたと思って宿に転移して食事に行った。


食事をしたあと、情報収集のために、ショッピングに出かける。


お菓子屋さんに入ってお菓子を買ったり、おまんじゅうを売っているお店に入っておやつ用にお饅頭を買ったり、洋服屋さんに入って洋服を物色して気に入ったのを買ったり、そして今は露店商が焼いていた鶏の串焼きを食べている。


串の鶏焼きは、タレがかけてあって、ほんとにホクホクでおいしい。


女の子は近くに置いてあった椅子に腰かけて串焼きを食べている。


今日も全員が、なぜだかミニスカートを履いている。

アレクまでがミニスカートだ。


なんだかミニスカートを履いているアレクを見ていると、女の子と言うよりも虎がミニスカートを履いているように思えるんだ。


いくら人形をしていると言っても、見た目は13歳の女の子のような容姿をしているけど、実際は虎だから!


そういう目で見ているから、虎がミニスカートを履いているようにしか思えないんだろう。


なんか変な感じだ!


そんなことを考えながら、俺は、串焼きを食べている女の子たちを見ている。


全員のそばに近寄りながら、「今回も情報収集するので、多少のショッピングは経費で落とせるから、もし買いたいもんがあったら買ってね。


そしてできたらその時に店主と少しでも話をして情報をもらってね」


と言っておいた。


実際に何かの情報をもらうためには、普通の話をしているときにぽろっと出てくる場合が多い。


しかも商品を買ってあげないと情報を引き出す事は難しい。


情報は集めようとしても、集まるものでは無いから。


特に女性がショッピングをすることで集まる情報の方が、男よりも多い。


男の場合は、どうしても警戒されてしまうから。


警戒されにくい女性がショッピングをしながら、余計な話をすると言う事は多いと思う。


それが情報になる。


そこでイザベラが、靴が欲しいと言い出したので、俺たちは靴を売ってるところを探して中に入ってみた。


靴だったら、俺が店に入っても大丈夫だから女の子5人の後ろをトボトボついて行った。


時々、洋服が置いてなくって、下着ばっかりのお店もあるんだよね。


こういう店が一番、困る、でも今はアレクがいるから心配しなくていいようになったと思う。


でもアレクって、洋服は自分の能力で作れると言っていたけど下着なんかはどうしているんだろう。


そういえば前、戦っているときに、ちらっとアレクのパンツが見えたよな。


じゃぁ、パンツも能力で作っているのかな?


興味があるけど聞けないよな!


なんて言うことを考えながら店の中に入っていく。


靴屋の中は、サイズに合わせて、いろいろなデザインのものが置いてある。


「パーティー用の靴を買っていいよ、そして普段の履いている靴も新調しようか」と俺が言ったら、アレク以外の女の子が目の色を変えた。


アレクは靴も自分で作れているみたいだ。


そう言う魔法の使い方もあるみたいだ。


なるほど!


じゃぁ、俺も魔法で洋服を作ることができればイメージチェンジしやすいな、でも突然、魔法が切れたら、どうすんだろ。裸に戻るのかな?


なんて言うことを考えながら女性陣が靴を選ぶのを見ている。


アレクが暇そうにしているので、アレクは選ばないのと聞いたら、必要ないと言われた。



そして俺が座っている椅子の横に、ストンと腰を下ろした。


「人間て不便だよねぇ」


「え、どうして?」


「あんな靴を履いて歩かなきゃいけないんだから」


と言って自分の足を組むようにして俺のほうに見せた。


その時にミニスカートだったのでパンツがチラッと見えた。


一瞬だったので、逆に俺はドキッとした。


一瞬、見えるっていうのもなんだかいいよね。


と考えながらアレクの足を見てみると、靴のようにも見えるけど俺が試しに魔力を集中して見てみると、人間の素足の上に魔法をまとっている状態だった。


「これだったら、すごく速く走れるんだよ」


と言うことを考えればアレクは、洋服も靴も自分の力で持っているといっているので、俺たちが修行のためにしている基礎魔法と同じことなんだと考え着いた。


アレクは、アレクで、24時間ずっと、寝ている間も基礎魔法を続けながらしていると言う事。


「さすがだね」


「だから私たちは伝説級って言われるんだよ」と言った。


あれっ、私たち?


「私たちって言ったよね、と言う事は他にもいるの?」


と聞くと、アレクは


「うん、いるよ」と簡単に言った


「ご主人様だったら、全員を呼び出せるんじゃないかなぁ」と足をぶらぶら交互に降らせながら言っていた。



でも俺は、それ以上聞かなかった。

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