第166話 ブラッドフォード大公国

俺たちの移動速度は、普通だったら数ヶ月かかるところも、飛んでいるので、山なんかも飛び越えて、川を渡る手間もなく、速度が異常に早い。


もうすぐ、ブラッドフォード大公国に入る。


この国には、1人の王様が、すごい権力を握っていて、統治している国だ。


もちろん王様はブラッドフォード一族が王家だ。


情報収集するためには、やはり王都が一番なので、街が目視できる位置まで飛んできて、街の上空で誰も見られていないことことを確認して路地に降りて透明化魔法を解除した。


異空間収納から、それぞれの荷物と剣と盾を出した。


何も持っていない冒険者なんていないから!


長剣を持っていないのは貴族くらいだ。


貴族も短剣は持っていると思う。


今日は温泉に入りに行くのは夕方から、夜の間にいく事にして、まだ時間があるので街に出て情報収集をすることにした。


まぁ、情報収集と言えば、恰好が良いが、実はショッピングをしたり、買い食いをしたりしているだけ。


この街が、どうなのかと言うことは簡単にはわからないから。


まずは、街の様子を見ていくが、何の変哲のない街だとしか言いようがない。


食事もまずくはないし、買い物をするときにも、普通の値段から、安いものから、高いものまで普通にある。


何の変哲もなかった街だけど、女の子たちは買い物に夢中になっている。


その買い物は、普段着を買いたいみたい。


どうしても冒険者と言うと、汚れてもいいものや、埃っぽくなるから、大丈夫な服を着ていることが多くあり、宿でも同じ服を着ている。


帰るのは寝る時だけと言うことが普通だ。


でも情報を集めるためには、買い物が一番なので、好きに買い物を楽しんでもらうが、更衣室には注意しなければならないと思う。


まぁ、それは、めったにないことだけど、あっちゃダメな事だから。


誘拐、拉致、人さらいなんて最悪だから。


一度、経験しているけど、もう二度とごめんこうむる。


俺たちは普段着が欲しいという事で、女性専門店に入っていく。

女性専門店って言うと、あるものがある。それは目の毒になるもの。


男の夢のランジェリーだ。


つまり下着。


まずは女の子たちは普段着のコーナーを見て回っている。

俺は、窓に置いてあった椅子に座って、外をみる振りをしているけど監視は怠りない。


店の中の監視、外の監視をしている。


誰が、どこを歩いているのかまで、わかる監視体制。


近づく奴がいれば、そいつの監視をしているが、それは女性店員だ。


女性専門の店なので、店員は数名いるが女性ばかりだけど、女性だって悪い奴がいるのは事実。


アリシアが毛糸で作られた上着を広げてみている。

イザベラが、スカートを見ている。


ソフィアが靴下を見ている


コリンが、ハンカチを見ている


あとは、やはりランジェリーのコーナーに目が行っているみたいなので、お気に入りを探すんだろう。

国によってデザインが違うそうだ。


そして生地も違うらしい。


「うわっ、これ、かわいい」と言うことを言ったのは、ソフィア


「これも良いと思うわ」と言ったのがイザベラ


「わたし、これ」と言ったのはコリン


「じゃ、私も、これを買うわ」と言ったのはアリシア


これはすべて下着コーナーでの発言だ


普段着も気に入ったものと合わせて、防寒着や合わせやすいスカートや上着をカウンターに置いている。


もちろん下着も、それぞれが山を作りながら、置いていくから洋服の山が4つできている。


女の子たちは結構な量を買うみたいで、店員の顔が喜んでいる。


店の女主人が出てきて、全員分のコーヒーまで出してくれたから。


俺だけ、先にコーヒーを飲んでいるけど。


一応、全部、試着しているみたい。


料金は、公爵の部下なので俺がまとめて払うからだけど。


しかし、公爵の部下が、公爵を伴いながら、普段着を買うというのも変な話だと思う。


普通だったら、ドレスとか、だと思いたいけど。


俺たちは、店で買い物をして、コーヒーを飲んで、それぞれが大きな袋を抱えて、宿に帰ってきた。


途中で異空間収納に入れてあげようとしたんだけど、断られた。


自分で持ちたいそうだ。


宿まで、そんなに遠くなかったからかも知れないが。


宿の俺の部屋に帰ってきて、部屋の窓を開けて、外を見ている。


しばらくすると、ノックの音が聞こえ、俺が鍵を開けに行くと、4人が入ってきた。


4人全員が、普段着に着替えていて、なぜだか全員がミニスカートを履いている。


しかも、かなり短い。


俺は何かあるんだろうか?と思った。


でも単純に、買ったものを見せびらかすために来たみたい。


お披露目会??


女の子たちが来ている洋服が、普段と違うので、なんだか、いい感じだ。


「みんな、似合っているよ」と言うと

「ありがとう」と言われた。


「ほんと、可愛いのがあったね」と付け加えた。

「うん、そうなんだ、たくさん買っちゃったから見せにきたの」とアリシア


「そうなんだ」


「うん、ほんとうに似合っている」


おれが再度、ほめるとアリシアだけじゃなく、イザベラまで顔を赤くしている。


俺は窓の横に立ちながら、部屋の中のいる女性たちを見ている。


俺の部屋には、椅子がいっこしかないので、その椅子にソフィアが座っている。


あとの3人はベッドに座っている。

俺は座るところがないので、立っている。


窓に手を置いて外を見ていると、少しだけ肌寒い風が入ってきているけど、とても気持ちが良い風だ。


俺は、異空間収納から、紅茶と茶器を通り出してお湯を注いで紅茶を入れてあげる。


入れた紅茶をテーブルの上に5つ並べると、何も言わずに、それぞれが取りに来た。


最後の1つを俺が取る。

温かい紅茶を飲みながら、風を楽しんでいる。


なんだかいい感じだ。

言葉をしゃべらなくても、全員が和んでいるのが感じられる。


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お読みくださりありがとうございます。


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