第157話 公爵

やっとオーリス王国と、ダイラス連邦の両方の国で調印式が終わった。


だけど、これから俺の公爵の任命式がある。王様の前で貴族の誓いを立てる、となんだか、わからない式がある。


第一、俺は貴族なんか興味ない。


爵位なんていらないと思っている。


貴族としてふるまうこともしないと思うけど、貴族の名前を利用することはあるかもしれない。


例えば自分の国では、王都の塀を出るときは、貴族だったら、素通りできるらしい。


でも、俺の転移を使えば、塀は通らない。


まぁもらっておいて困るものではないし、貴族なんかいらないとは言えないかもしれない。

そんなことをしたら、どう思われるから、わからない。


拒否できるかも知れないけど、わからないから波風立てるよりも、しょうがないな、と思ってもらっておこうと思う。


しかしもう、貴族になっているのに、他国からも貴族の地位をもらえるんだ。


両方の国で調印式が終わったので、今度は俺の公爵しての儀式がある。


なんだか嫌になってきたよ。


まずは公爵になるのが早かった自分の国から儀式に参加する。


謁見の間に、正面には王族、両横には貴族が並ぶ、

そして俺は、王族の手前の方で片膝をついている。


そして王様が、俺から剣を受け取って、「貴殿に、公爵の地位を授ける」と王様が言う

そして俺から受け取っていた剣を両肩に軽く触れる。


そして俺は、文官から聞いていた、「ありがたき幸せ、我が剣は国と民のために使われる。」といった。


これで俺も正式に公爵と言うことだ。


そこで全員から、すごく大きな拍手が起きて、しばらく鳴り止まなかった。


この場には、後ろのほうにメンバーの参加が許されている。


そして王様から、「本当に此度の活躍、貴殿には感謝している」


「公爵には、私たち王族の暗殺の事件でも伯爵の反逆罪の事件、アーロン伯爵の麻薬事件でも、そして、このたびの他国との国交樹立にご助力いただいたことに、我々全員が感謝申し上げる」と言って、ここにいる全員が頭を下げた。


俺が何か言わなければいけないような雰囲気だったので、「頭を上げてください、私も、たまたま、いろいろなことに首を突っ込みましたけど、この国が好きだから、守るために成したことです。


これから私も、王国の一員として、さらなる努力をいたします。


どうか、皆様よろしくお願いいたします。」と挨拶をして頭を下げた。


そこで、さらなる拍手が起きた。


……


俺は疲れるようにして貸し与えられている部屋にメンバーと一緒に戻ってきた。


本当に疲れた。


死んだようにベッドに倒れ込んで俺は、「はぁー疲れた」と言ったら、アリシアが近づいてきて、お疲れ様、と言って飲み物を差し出してくれた。


アリシアから差し出された飲み物を一気に飲んで、もう一杯 といった。


アリシアから一杯の水を受け取って、俺はテーブルに置いてあるフルーツを食べることにした。

緊張したから、お腹減ったんだよね!


もうここには、用はないから、屋敷に戻ろうかと思っていたらシャーロット王女が飛び込んできた。


飛び込んできたシャーロット王女は、なぜか、俺に抱きついてきた。

それを見ていたアリシアが、ほっぺたを膨らませていた。


俺はびっくりして何も言えなかったが、シャーロット王女が離れて「あっごめんなさい」と言って謝ってきた。


王女は「公爵様、叙爵のときの言葉が、あまりにも素晴らしくて、つい抱きついてしまいましたわ」


アリシアの方を見ながら頭を下げている。

「お父様も感心していましたよ」と言ってくれた。


「ありきたりな言葉じゃなく、自分が思ったままで喋るのがアルベルト殿の良いところだ、とお兄様も言っていましたよ」


自分ではそんなに良い言葉だと言葉だとは思わなかったけど、思ったままに言ったことが良かったみたいだ。


しばらくはアリシアと女性4人で話していたが、時間がなかったのか、またすぐに戻っていった。


ここでは、なんだか落ち着かないので、俺たちは屋敷に戻ることを考えて、そのことを言うために文官を探して、その人に伝えてもらった。


勝手に帰ってはダメだろうから、しばらく待っていたが、文官から一度、屋敷に戻っても良いと言ってくれたので、瞬間転移で帰ってきた。


また、5日後に、ダイラス連邦の叙爵がある。


なんだか大変だ!


次の叙爵まで、本当に屋敷でゆっくりしたい。

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