第147話 国交樹立

俺は、オーリス王国に所属している貴族だ。

しかし、貴族と言っても本当に名前だけ。

土地も持っていないし、決まりも知らない。


あまり貴族って、良く知らないから。


そりゃ、昔は前世で魔法を使っていたから、王様に認められ貴族になれたけど、貴族になって、すぐに侵略戦争が勃発してしまうから、貴族としてのふるまいも何も知らない。


だって、今だって最近、貴族になったばかりで、王都に屋敷はもらったけど、すぐに王様から依頼された国の視察の最中なんだけど、その最中に、ダイラス連邦で事件があり、それを解決したら、ダイラス連邦のトップから依頼を渡されたから、暇そうに思えて忙しい。


その依頼と言うのが、オーリス王国と国交樹立したいという話だ。

ダイラス連邦で誘拐事件があり、それを解決したら、橋渡しを依頼されてしまった。


ダイラス連邦に行って、ダイラス連邦の首長の子供さんも拉致されていたみたいで、事件を解決したら、ダイラス連邦の首長に会うことができて、その首長から親書を渡されたということだ。


ダイラス連邦では、以前からオーリス王国と国交樹立したいと言う思いがあったが、きっかけがなく交渉することができないでいた。


オーリス王国との国交樹立は、数年前から考えていたそうだ。


たまたま俺たちが、事件を解決したことから、国のトップに会うことができて交渉することになったが、オーリス王国は、そういう話もしていなかったので、今、慌ただしく動いているところだ。


おかげでダイラス連邦から帰ってきて、俺たちは3週間、放出系魔法を練習することができた。


毎日、毎日、地道な基礎訓練を実践し、草原に行って練習をした成果が出てきている。


基礎訓練と言うのは、本当に地味だ。


最初は、魔法を体にまとわせるのが難しくて、初めて、それができたら喜んでいられるが、いつもいつも同じことをやらされると、人は飽きてくる。


「じゃあ、今日は試験ね」


「なんで、急に今日が試験になるのよ」とイザベラが言った。


「もう、みんな、ずいぶん使うのに慣れてきたでしょ?」


「だから今日を1つの区切りにしないと、伸びないから」


アリシアが、手を上げながら「分りました」と言ってくれていた。


メンバー全員で草原に転移してきた。


「じゃぁ、1人ずつ、やって見せて、まずはコリンから」


コリンが前に進み出て、基本魔法から始める。

基本魔法が確実に上達している。

基本魔法を見ただけでも、修練していたことがわかり、能力が高くなっていることおを示している。

コリンが放出系魔法を発動すると、遠くの木まで大きく揺らいだ。

「よし、コリン、合格だ」



「次にイザベラやってみて」

イザベラが前に進み出て基本魔法から発動して、放出系魔法をやってみると、コリンよりも少し大きいような感覚があったので、もちろん合格とした。



「次はアリシアやってみて」

もちろんアリシアも2人以上に発動させることができたので合格した。


「最後は、ソフィア」

ソフィアの放出系魔法は、3人以上にすごかった、もちろん合格だ。


全員が合格したので、今日はパーティーをしようと話ながら屋敷に帰ってきたら、パーティーは中止せざるをえなくなった。


王様から手紙が届いていた。


屋敷の執事のセバスチャンから王様の手紙を受け取って、開封してみる。


手紙には、国交樹立をする準備ができたので至急、王城に来られたし、と書いてあった。


誰が王城に行くのかと言う話をメンバーにすると、ソフィアとイザベラとコリンは一歩下がった。


動かなかったアリシアだけが残されて、唖然としていたが、しょうがないかと言う感じだった。


また王城にはシャーロット王女もいるかもしれないし。


「じゃぁ、王城に行くのは俺とアリシアだね」


「手紙には、至急と書いてあるので、着替えてきてくれる」と言ったが、アリシアが手を挙げて、お風呂に入りたい、と言ってきたので了承した。


俺もアリシアと一緒にお風呂に入りたいけど、1人で男風呂に入った。


女の子4人、全員でお風呂に入りに行ったみたい。


それから1時間くらいして、王城に行く洋服を着て準備する。


俺は貴族が着る洋服に着替えた。


と、そこにドアからノックがして、アリシアがパーティーメンバー3人の女の子と入ってきた。


アリシアは、以前、俺がプレゼントしたネックレスとドレスを着ている。


お城に行かない女の子3人でアリシアの衣装を整えたみたいだ。


「じゃあ俺たちは、お城に行ってくるので、後はお願いしますね」と言って転移した。


王城には、俺専用の部屋を用意してくれているので、そこに転移することになる。

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