第115話 アーロン伯爵領


久しぶりの野営をしたあと、俺たちは朝食をとったあと、すぐに出発した。

大きな道に出ると、やはり昨日と同じように人や馬車が通るが、そんなに多くはない。


時々すれ違うくらいだ。

ずいぶん、人が減ってきたなと俺は感じた。


さらに昼食を挟みながら進んでいくと村よりも少し大きな街に着いた。


兵士が守っている門に到着してギルドカードをさし出しながら通り過ぎる。


王都ほど大きくはないが、この街はアーロン伯爵の領地になる。

街の中心に王城よりは少し小さいが、城が立っている。


貴族が、どれぐらい、いるのかわからないけど、それぞれの領地の管理を王様から任されている。

それが貴族だけど、俺は持っていない。



アーロン伯爵の街で、治安も良くて、きれいな宿屋を探している。

しかも、お風呂付き、どうしてかと言うと女の子の要望が多いから。


門に立っている兵士に、良い宿屋がないか聞いてみたんだが、悪い宿屋はいっぱいあるけど、良い宿屋は少ないそうだが、お勧めの宿はあるそうだ。


街並みを見ていると、アーロン伯爵も、そんなに良い治安統括をやっているわけでは無いような気がする。


なんだか街が乾いてるというか、うまく表せないけど、どよーんとした感じを受ける。

活気がないと言うか、元気がない街のような気がした。


王都でも、貧民街はあるので少しは暗い通りがあったりするが、ここまで感じる事は無い。


俺たちは色々な人に聞いて、門の兵士に聞いた宿に着いた。

宿につくと、満室と言う場合もあるので、受付に行って聞いてみる。


宿の受付に行くと、10歳ちょっとの女の子が座っていた。


その子に聞いてみることにする。


「今日は空きはありますか」と聞くと、「何人お泊まりですか?」と聞いてくるので5人だけど2部屋で、1人部屋と4人部屋が欲しいんだけど、と伝えると。


台帳を確認したみたいで、「大丈夫です、空きはあります」と伝えてくれた。


「料金はどれぐらいですか?」と言うと安くは無いけど高くもない。


お風呂はありますか?と聞くと、「はい、ありますよ」と言ったので、ここに決めた。


まずは、2日、泊まることを言った。


まだオーリスの国を超えていないので、同じ国にいるんだけど、急ぐ必要もないので。

部屋に案内されて、1人部屋と4人部屋を見た。


まず初めに、4人部屋を見てみたが、結構、広くてベッドが4つある。

それから俺が寝る、1人部屋を見たが、すごく狭い。


ベッドとテーブルと椅子が部屋の中にあって、あとは歩くスペースもない。


まあしょうがないか、と鍵をもらって部屋の中に入っていった。


案内をしてもらった女の子が出て行きながら、食事はどうしますか、と言ったので朝食と夕食をお願いしますと言った。


今日からできますかと聞くと、大丈夫ですよと言われたので今日の分からお願いした。


別料金ですけど、と出ていきながら言われた。


今の時間は、昼をちょっと過ぎたくらいの時間なので、夕食までには時間があるので街を散策してみることにした。

いろいろなショップを見て回ったり、軽く買い食いしたりした。


鳥を焼いた串がおいしかった。

お店を回りながら、足りないものを買ったり、民芸品、物産品などの珍しいものを買ったりする。


お店を出て宿に帰ろうかと思っていた時に、居酒屋で喧嘩が起きたみたいだ。


喧嘩は、どんどん周辺にいる人を増やしながら広がっていき、居酒屋の店の外まで喧嘩が始まってきた。


俺たちに被害がなければ関係ないので、人混みの後ろから少し見物して帰っていった。


宿に帰ったら受付の女の子が座っていたので、俺たち冒険者なんだけど、いろんな町は廻っているんだけど、この街はどう?と聞いてみた。


「そうですね、ちょっと前までは良い街だったんですけど、最近はちょっと荒れているかな?」と言った。


俺たちは外国を見て回る仕事を請け負っているので、この領を統治している伯爵の事なんか関係ない。


統治するのが伯爵の役目だから。治安が良いのも、悪いもの、伯爵次第だから。


「そうなんだ」と言って部屋に上がっていった。


俺が寝泊まりする部屋が、あまりにも狭いので、話をするために女の子4人が泊まっている部屋に来ている。


ソフィアとアリシアがベッドの上に座っていて、テーブルには俺とイザベラとコリンが座っている。


「この街の様子どう思った?」と俺が4人の顔を見ながら聞くと、


「あまり良い感じはしなかった」とイザベラが言った。


「私は、料理はおいしかったけど、人の目がうつろになっている、おかしい感じがした」とソフィアが言った。


コリンは「何もわからなかった」


アリシアは、「なんだか人が殺伐として嫌な気分がしたけど」とそれぞれが感じた意見を言ってくれた。


なんだかこの街に入った途端に、俺も変な感じを受けたんだよね。


なんだろう?   気のせいだろうか?

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