第80話 魔法使いみたい
お昼から帰ってくると、もう辺りは薄暗くなって夜になってきている。
アリシアと2人で馬車に揺られながら屋敷を目指していく。
屋敷に帰ってきたら、執事が出迎えてくれて、「旦那様お帰りなさいませ」と言われて馬車を預かってもらい、屋敷に入っていく。
今日はなんだか、いつもと比べたら、ゆっくりできたなと思ったので、心の中だけど姫様に感謝した。
お風呂に入って自分の部屋でゆっくりしていると、ゆっくりもいいけど研究の続きを思い出したので、俺は自分の部屋から地下2階に転移した。
いちいち鍵を開けるのも、めんどくさいので鍵がかかったままの部屋に転移した。
真っ暗だけど自分しか使っていないので、どこに何があるのかわかっているから。
地下2階の部屋に転移したら、すぐにランタンに火をつける。
さらに学ばなければいけない魔法や、思い出さなければいけない魔法もいっぱいあるので時間的な余裕は感じられない。
前世では使えていた魔法が、まだ、すべてが使えるわけでは無いから。
風の魔法を大きくすると、嵐が起きる、そして嵐を大きくすると竜巻になって人や物を飛ばすこともできる。
風の魔法を大きく、そして強く、早く動かすこと。
まずは1つずつから…
今、自分はソファーに座っているんだが、右手を前に出して、手のひらを上に向けて開いている。
手のひらに魔力を集めていく、風が徐々に揺らいで小さく回り始める。
それを大きくしてしまうと部屋が、どうにかなってしまう。
風を徐々に集めてイメージして早く回すようにする。
早く回ってきたら、周りにも風が動きだしたので手のひらだけを魔法の結界魔法で覆うようにする。
魔法の結界魔法の中で、風がすごい勢いで回っている。
それをもっと勢いと風を強くしていく。
よしこれぐらいで、いいだろうと思って俺は風の魔法をキャンセルして被っていた結界を解除した。
そして今度は、手首から先を魔法の膜で覆って、同じように風を起こして竜巻のように早く濃密に着ていく。
これは先ほどと同じようなやり方なんだけど、それに火の魔法を加えていく。
つまり風が早く竜巻のように巻きながら、そこに火が回っていく感じだ。
火の魔法を解除して、俺は、そこに氷の魔法を発動させてみる。
手の部分では、小さい竜巻が起きていて、ブリザードのような感じになっている。
もちろん魔法の膜で覆っているので部屋の被害は無い。
例えばこれに火や氷ではなくて水を混ぜる。
こういう使い方もやってみると面白いなと思う。
俺はこうやって研究することで、魔法の範囲を広げたり、能力を向上させるように前世でも努力していた。
いろいろなことを考えて実践して見ると言う事は、自分が生きていく上で大切なことだから。
*
そして先ほどから、魔法の結界魔法で手を覆っていたが、この魔法も訓練しようと思ったけど、どういう訓練をしたらいいんだろうかと考えていると、思い当たることがあるので実践してみる。
結界魔法で覆うには防御的の意味もある。
いかに強固にするかも意味があることだから。
人を守るために結界魔法を張ったって、ブヨブヨの膜では意味がない。
そんな結界なんか張ったて弓矢が通り抜けてしまう。
どこまで大きくできるかだし、頑丈にすることができるのか。
自分の周りに魔法が集まるようにイメージして、さらに濃密にしていくこと、それを結界にして結界を分厚く硬くしていく。
そして固すぎるだけではダメなので、柔軟性も持つこと。
その両方を備えることが人や自分を守ることになる。
よし今日は、この辺までしておこうかなと思ったのでランプを消して真っ暗くする。
部屋が暗くなると、なんだか少しイメージ力が湧いてきたので、もう少しここで同じことを繰り返してみる。
そろそろ練習も疲れてきたので自分の部屋に瞬間転移して寝床に入った。
「おやすみなさい」と誰がいるわけでもないのに言ってしまった
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