第75話 小中学生科学体験8/25(木)
事前に広く地元の小中学校に告知された『小中学生科学体験』は予定通り8月25日の木曜日の午前中に行われ大盛況であった。
物理班「振動で動くおもちゃを作る」
「万華鏡作り」
化学班「消えにくいシャボン玉液を作ろう」「pH、酸塩基の秘密を使って紙を染めてみよう」
生物班「煮干しの分解、身体の仕組み」
「生物班のペット達とイケメンさんと写真を撮ろう!」
数学班「数独を考えよう」「プログラミングで遊んでみよう」
のラインアップであった。
終わってから
「なんか納得がいかない」
と間中が愚痴った。
「どうしたのかの?」
「生物班と数学班が明らかに手抜き感が漂っているのに意外とお客さんがいたことです。」
手抜き感とは失礼な。
「いや、あのですね、数学班、頭と紙と数学班のパソコン出してきただけ。まあ、経済的ですけど地味なのに人気があったのが謎すぎです。」
「そこは人徳と面白さだ。」
「誰の人徳ですか?あと、生物班ですよ。なんですか、細田と撮影会って。割り当てられたお金なにに使ったのかと思えばあの撮影会場の飾り付け!」
撮影会場はカオスであった。生物班のペットのイシ亀とイモリとアフリカツメガエルと雛ちゃんと細田とどれかを選んで撮影。会場には紙で作られた花のアーチとどっから借りてきたのかアンティークなオシャレ椅子と豪華な生花。脳内を「細田の部屋」というタイトルと音楽が流れたくらいだ。子どもと一緒に来たお母さん達まで、写真撮影に便乗していたのだが、いいのか?
実際の音楽といえば、不機嫌なのか興奮しているのか、雛ちゃんが「酵素の歌」をエンドレスリピートしていた。
各自片付け後は下校なりお弁当なり自由だが、午後にはもう一つのイベントが迫っていた。私の寒気はずっと持続中だった。真夏なのにクーラーいらずじゃないか!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます