第三章 事件ファイル3
第61話 おのれ科学部 7/11(月)
放課後、いつものように理科室2科学部数学班へと向かう。今日やらねばならぬ事を考えながら辿り着くと
《果たし状 科学部佐田殿
本日16時半、理科室2にて剣山投げ合いの決闘を申し込む
華道部部長 森田千英》
なんてご丁寧に筆ペンで書かれた紙が数学班入り口脇の掲示板に剣山で刺してあった。
はっ?今3時50分。あと40分後に、ここで剣山投げ合い?てか幸太朗は?慌てて数学班のドアを開けようとするも開かない。鍵が閉まっている。当然だ。鍵の持ち主は私だ。かなり取り乱した様だ。鍵を開けるが、もちろん幸太朗はいない。そこで、ハタと先程の果たし状を取り込まねば騒ぎになると思いつく。かなりの力で剣山が差し込まれている。相手の怨念を感じながら、
「全く、今度は何やったんだ。幸太朗のやつ。」
と呟けば
「なんもやってない。」
と答えが返ってきた。
「幸太朗!果たし状だぞ!こんなレトロなもの初めて見たぞ!」
剣山で穴が無数に空いた果たし状を幸太朗につきつけると、
「俺も初めて。剣山投げ合いって俺のコントロールと肩を考えたら理科室2でおさまらないじゃん。」
「だな。どんなルール?ホルマリン漬けのウーパールーパーちゃんとか避難かのう」
「いや、こんだけ物がある倉庫だって知らないんだろうな。」
2人で理科室2を眺めて思わずため息を。とても投げ合いとやらをするスペースは無い。
「廊下にしてもらう?」
と幸太朗に問えば
「通行人が危ないじゃん。これ剣山?痛いじゃん。大体、俺なんで応じなきゃいけないか、分からないし」
「事情きいてから考えるか。」
「な。」
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