第49話 ボイレコを集めて会議6/23(水)放課後
教頭先生が寄越したボイスレコーダーは随分と高機能だ。音質をいじったり、長時間記録できたり、形も何かとスパイ映画的だ。聞き込みの内容と写真は最終的に幸太朗が全部パソコンに落としてくれる
「あれ、間中はその都度、パソコンに落としてたのかの?」
「最高音質で録音しましたので、時間持ちませんし、万が一消したりしてしまうのも心配ですからね。」
「ん?細田の雑音多い。声優先モードにしてない!」
など3人でごちゃごちゃいいながら、全部を聴き終わるとゆうに1時間半は経っていた。
「手口が一緒だ。」
それが感想だった。
看板の破損だが、それは教室の入り口に掲げられたものでやられたクラスはいずれも段ボール製。刃物で十字に切られて破片はそのまま床に転がっていたらしい。
黒ビニールが破られたクラスは廊下を黒ビニールで装飾した所であった。刃物で斜めにさっと切られてダラっと垂れていたそうだ。まるで通りながらカッターナイフを片手にさっと切り裂いていったような。
黒板アートは前日の準備日、最後の生徒が帰るまでは異変は無かったようだ。ただやられたクラスは教室の装飾がすみ、ドアを外して帰っていた。感染症予防の観点から今年はドアを外して企画を行うことになっており、そこまでしてしまったクラスが雑に黒板消しでさっと一筆消されていた。時間をかけていない。
景品を盗まれたクラスは意見が割れていたと言っていた。出入り口近くのゴミ箱側に景品係が一時的に置いたはずの景品が無く、無くなったともゴミと間違えられて捨てられたともとっくに補充して捌いてしまったとも。ただ後藤さんは収支が合わないと言う。だから盗まれたか捨てられたかだと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます