第42話 分担してね

「なんか今回は単純な事件じゃないな。あちこちで起こった事が写真部の脅迫状つき心霊写真と関係があるのかも分からない。複数の人間が様々な意図を持ってやった事なのかもしれないし。」


細田は話を聞くと感想をもらした。そうなのだ。まずそこなのだ。


「結局は全部調べることになるね。このアンケートだけじゃなんとも言えない。だって佐田がやった様に見えるボブの骨折だって間中がコケてるし、切れ込みが入ってたわけだし。」


細田と佐田に見られて間中はちょっと縮まった。


「調べ方だが、吹奏楽部の時みたいに面談型にするかツテを使っての聴き込み型にするか悩んでおるのだが。」


面談型にすると、どの範囲まで人を呼ぶのか考えねばならない。聴き込み型にすると聞いてきた奴の主観で決まってしまう気がする。例えば、幸太朗に任せたら、「あいつ犯人」「あいつ違う」ぐらいしか分からない気しかしない。と悩んでいると間中が勢いよく


「今回ですね、写真部の教頭がボイレコとトランシーバーを5台ずつ貸してくれたのでカッコ良く聴き込みいけます!」


実験机に置いてあった段ボール箱を見せてきた。


「「おー」」


男子達は大喜びだ。教頭、科学部をなんだと思っているんだ。ボイレコはともかく、トランシーバー何処で使うのだ?このまま混雑時の駐車場の誘導をやらされない事を祈ろう。


「じゃあ、分担するか。各々のツテを使おう。まずは危険性から部活関係からだな、クラス企画はおいおいだ。」


と私が言うと、


「「「安田先輩の3-3は如月行けよ。」」」


と真っ先にこれだけは気が揃ってる3人よ、そこ後回しだと言っておるであろう!


「とりあえず写真部は私が行く。脅迫状を見たいからな。書道部もいけるかな。」


「軽音部と応援部は俺がツテ使う。」


と細田が言えば、


「ガラスの破片の件は昨日連絡入れときましたが、手に入れて復元して、あとは状況を整美係に聞いてきます。」


間中が言い、皆で次の幸太朗に目を向けると幸太朗は、


「俺、如月に付いてく。」


と答えた。

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