第18話 レベル30
「遂に……遂に上級職だ!」
俺は喜びから拳を突き上げ、ガッツポーズを取る。
渓谷に狩場を移して1月。
そう、おれはたった1月でレベルを30にまで上げる事に成功している。
この狩場、超うめぇ。
ありがとう!乳神様!
此処での主食は、渓谷を飛翔するコンコンドルという魔物だ。
スピードが速く攻撃力も凄いのだが、耐久力がかなり低いため俺のファイヤーでも一撃で狩る事が出来た。
しかもレベルが20後半もある為、俺にとっては経験値をべらぼうにくれる正にボーナスキャラ。
その余りの美味さに、来た当初は脳汁垂らしながら狩りをしたもんだ。
因みに狩り方は、夜間崖の壁面等で眠っているこいつにファイヤーをぶっかけるだけの簡単なお仕事でした。
え?
卑怯?
違うな、夜寝る奴が悪い!
そしてゾンビで眠る必要がない俺は偉い!
以上!
さて、肝心の進化先だが。
俺がなれる上級職は5種類ある。
後衛系に進んだ俺だが、どうやら前衛系に軌道修正する事も出来る様だ。
まずはデッドマン。
ゾンビの正当進化系だ。
下級職時代はパワーだけだったゾンビも、このデッドマンになると弱点だったスピードも補われる。
しかもパワーが更に増す事で、もはや別物の強さを保有していた。
見た目もゾンビよりかは多少マイルドになるっぽい。
次にあげるのはデスナイト。
全身に骨で出来た重鎧を身に着けた、スケルトンの進化系だ。
それまでのスケルトン系の動きに更に高い耐久力が加わった、受けて善し、躱して善しの耐久の達人だ。
パワー自体も上がっている為、純粋に戦闘力も高い。
3つ目はレイス。
ゴーストの進化系。
物理攻撃無効で魔力が高く、その上多種多様な状態異常をばら撒く憎いあん畜生。
物理系では手も足も出ないかなりの強クラスと言える。
但し日の光や聖なるものには極端に弱く、弱点も多い。
4番目はレッサーヴァンパイア。
言わずと知れた夜の帝王。
その雛型のクラスだ。
全てのパラメーターが高水準であり、多くの魔法や特殊能力を扱うこれまた強クラス。
但しレイス同様致命的な弱点を抱えている為、クラス選びとしては一長一短と言える。
姿形が人間そのものなので、これを選びたい所ではあるのだが……
最後はリッチ。
アンデッドメイジ系の進化クラス。
その高い魔力から強力な魔法を操り、更には最低限の近接戦闘までこなす案外万能なクラスとなっている。
レイスやレッサーヴァンパイア程の強さは無いが、代わりに弱点も少なめ。
――そしてこいつが俺の今回の進化先だ。
人間に近い姿のヴァンパイアでも、風呂を覗き放題なレイスでもなくこいつを選んだのには理由がある。
それはこいつのクラススキルに、状態異常成功率アップのスキルがあったからだ。
このスキルは俺のモテモテハーレム生活には外せないスキルなので、絶対に取っておく必要がある。
え?
別にスキルポイントでとれば良くないかって?
残念!
俺は貧乏性でした!
――と言うのは冗談で。
いつ何時、どんなスキルが必要になるか分からないからな。
使わずに取れる分は可能な限りポイントを保留しておきたい。
賢いやりくりって奴よ。
因みに、このスキルはレイスも持っている。
ただレイスは日の光に極端に弱い。
弱すぎると言っていい。
流石に日中全く動けないのは不便過ぎるので、リッチを選んだという訳だ。
後、レイスになるとポチに餌をやれなくなるという弊害もあるしな。
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