第10話 レベルぺナルティ

そろそろレベルが上がり辛くなってきた。


ゾンビメイジになってからはや1ヵ月。

ファイヤー一発狩りでゾンビ時代より遥かにテンポよく狩れていた為、レベルはもう16にまで上がっている。

だがそろそろ、この狩場では経験値ペナルティがきつくなってきた。


――経験値ペナルティ。


それはレベル差が5以上あると発生し、15以上離れるとほぼ0になってしまう、余計なお世話以外何物でもない糞仕様システムだ。

此れのお陰でひたすら弱い魔物を乱獲し、レベルを上げるという行動が制限されてしまっている。


この森での獲物は角兎、巨大カブトムシ、角猪、三つ目の梟の4種。


角兎は最初にポチが瞬殺したあれだ。

こいつのレベルは3。

今や俺もファイヤー一発狩りしてるが、レベル差が大きくてもう殆ど経験値をくれない。

そのため、MPの無駄以外何物でもないので今はポチに丸投げしている。


角猪は角の生えた猪。

こいつはHPがかなり高く、ファイヤー1確には程遠い相手だ。

その為いつもポチに持って行かれ、未だに俺は一度も狩れた事がない。

レベルは10。

得意技は突進攻撃で、喰らうと俺はほぼ即死する。


ま、初めっから死んでるんでづけどね。


巨大カブトムシ。

そのまんまでっかいカブトムシ。

硬すぎる上に魔法も余り効かない嫌な奴。

ポチは偶にこいつを狩っているが、硬すぎて俺には無理ゲー。

ノンアクティブなので基本無視。


虫だけに……

うん、今日もキレてる。


レベルは13。

得意技?

殆ど戦った事ないのでそんなものは知らん。


三つ目の梟。

ファイヤー1確の、美味しい美味しい鳥さん。

飛んで逃げる為ゾンビ時代は手が出せなかったが、今や大のお得意様。

レベル16はこいつに鍛えて貰ったと言っても過言ではない。


レベルは8。

得意技は目玉穿り。

目玉抉るだけ抉って飛んで逃げられたりしていたので、ゾンビ時代はこいつに本気でムカついていた物だ。


ポチ。

ウォーウルフ。

レベルは28。

毎日俺を食って絶賛成長中。

上級職まであと一歩。


狩場的にもう殆ど経験値は入っていない。

それでも元気よく毎日狩りの邪魔をしてくる犬畜生。

だが許す。

何故なら、俺の将来のガールフレンド候補だから。


早くケモナー垂涎すいぜんの獣人になって欲しいものだ。

その為なら、俺はいくらでも体を張る所存である。

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