第10話 ストレート

 頭が痛すぎる。

 そして、いつもの三点セットなので省略よ。

 さあ、今日もがんばりましょう。


 まずは反省会をしましょう。


 私は宗教の影響力を、甘く見ていたようね。

 本物かどうかで、戦争が起きるとは思わなかったわ。


 もうあそこに手を出すのは、止めましょう。

 多分、あそこは人間の聖域なのよ。


 うん、気を付けましょう。

 以上で終了ね。


 さて、次はどうしましょうか?


 そうだ、まだ一番単純なものを試していなかったわ。

 今回は直球勝負よ。


 神の力で、子供を欲する気持ちだけを増大させるのよ。

 他にどんな望みがあろうとも、その思いが一番強ければ、その他のことは全部妥協して、結婚して子供を生むようになるでしょう。


 うん、完璧な作戦ね。


 これは勝ったな。


 人間たちは、この作戦が終わったら結婚するのね。

 私は宴会をしましょう。


 あれ?なんだか嫌な予感がするような、しないような感じね。

 どこかで、何かが立ったような、そんな気がする。


 いや、気のせいよね。

 神(見習い)である私の作戦は、完璧だからね。


 え?何度も失敗してるだろ!?

 って、ツッコミをされたような気がしたわ。

 うん、気のせいね。



 では、さっそく始めましょう。

 神の力を注入開始よ!!


 人間の中に眠る、子供を欲する思いよ!

 生命体の本能、子供を欲する思いよ!

 一番強くなれーーーー!!!!



 次の瞬間。

 人間は全滅した。


 突然、体が爆発したのだ。

 神の力を注入したせいである。



「ど、どういうことなのよ!なんで爆発しちゃうのよーー!!」


 私は思わず叫んでしまった。


「神様ー、人間が爆発しました。これ神様のせいッスよね?」


 マイケルがやって来た。


 今回の一件を、私の仕業だと決めつけている。

 まあ、その通りだけど。

 その通りだけど、腹立たしい。


「そうよ。人間に神の力を注入したらこうなったのよ。子供が欲しいと思わせようとしたのよ」


「なんでそれで爆発しちゃうんすか?」


「私が聞きたいわよ。子供が欲しいという気持ちが、一番強くなるようにしただけなのに……」


「それをしたら爆発って、人間の欲望強すぎッスね」


「そうね。本当に強すぎよね」


 爆発したということは、神の力が体の許容量を超えるくらい注入されたということだ。

 そうまでしないと、他の欲望を超えられないとか。

 どれだけ高望みをしているのだろうか?


 コーンカツ星の人間、おそるべし!


「ところで、これからいつものッスか?」


「そのようね……」


 殺気を感じた。


 私は正座し、目を閉じて、覚悟を決めた。

 あぁ、神(上司)よ、罪深き私をお許しください。

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