十二月十三日 じょげん 下
空木先生へ
井の川くんに缶けりが難しいなら、かくれおにをしたらいいと言われました。
もしよかったら、私とかくれおにをしてくれませんか。
✎﹏﹏﹏﹏﹏﹏﹏
杏の文字を読んだ空木は、ふふと笑ってしまった。小さな空気の震えに振り替える者はいない。
これでは、最初におはなしをしようと言った空木と一緒ではないか。どちらが教師かわかったものではない。
そう考えつつも、一理あるとも思う。走ることも蹴ることもない、かくれ鬼は杏と空木にはぴったりだ。隠れることが得意な杏にもちょうどいい上に空木は気を取られることなくじっくりと探すことができる。
明日に、と書こうとした空木は手を止めた。明日は日曜日。空木には予定がある。考え込む節を見せ、再び動き出した。
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鈴宮さんへ
かくれおに、いいですね。じっくりと探す練習ができそうです。
明後日、急な用事がなければできると思います。井野川くん達も誘って、かくれおにをしましょう。
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