死神少女
相川なつめ
二人の出会い
ある晴れた夏の日。
私は、六年前の出来事を思い出していた。
その日は、今日みたいに晴天で、家族旅行に出かける日だった。
はしゃぎながらバスに乗って一時間ほどたったころ。
山の中の高い崖からバスが転落した。
しっかり椅子に座っているはずなのに、体が横になる。
聞こえてくる人々の悲鳴。
なぎ倒される木。
五歳だった私には何が起きたのか咄嗟に理解できなくて、お母さんにしがみつきながらギュッと目を閉じていた。
ドンッという鈍い音と、体に走る激痛。私は気を失った。
目を覚ました時、体がとてもふわふわしている不思議な感覚に襲われた。
目を開けると、目の前に男の人が立っていた。
「貴方のお母さんとお父さんは死にました。貴方が死ぬまで会えません。」
男の人が言い放った言葉に、私は目を見開いた。
だってそんなわけないもん。お父さんとお母さんが死んだ?私が死ぬまで会えないって何?理解できない現実に、私はただ首を捻っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます