エターナル・ペンダント

うつりと

武藤りきた


            1

 君は冒険の旅に出た。道を歩いていると体調が悪そう

なおじいちゃんと、割腹のいい中年おじさんがいる。

 どちらに話しかけますか?

 おじいちゃん→10へ 中年→12へ


            2

 道をゆずってくれてサンキューな。次のジャンケンで

はチョキを出せばいいんじゃん? 4へ進む


            3

 おお。私達夫婦に話しかけてくれて有難う。…といっ

ても私達お金はなくてもラブラブだから、構ってもらわ

なくても良かったけどね。まぁ一応次のジャンケンでは

パーを出せばいいんじゃね?マジで。17へ進む


            4

 アパレル柳本が現れた!

柳本「現れたな貧乏人め。ジャンケンで勝負して君が勝

ったら私の宝物をあげよう。だが負けたら君の全財産を

もらう!ジャーンケーン…」

グーを出す→16へ 

パーを出す→19へ 

チョキを出す→11へ


            5

孤独な男性(47)「私に話しかけてくれるのか!めちゃめ

ちゃ寂しかったんだ。君はいい人だ。お礼に秘密を教え

よう。ビッグ・ゲイツはパーしか出さない…グハッ(吐血)

…最期に君と会話できて楽しかったよ。世界を…世界を

救ってくれ……。」そう言って孤独な男性(47)は息を引

き取った。  17へ進む


            6

 君はグーを出した!IT前島はチョキだ。君は勝った!

前島「仕方ない、これをお主にさずけよう。」そう言う

と前島は『ナ』と書かれたペンダントをくれた後、去っ

ていった。 8へ進む


            7

 さらに歩いていくと道端に、孤独そうな男性(47)と、

幸せそうな夫婦、そして貧乏そうな夫婦の三組がいた。

どのグループに話しかけますか?

孤独な男性(47)→5へ

幸せそうな夫婦→20へ

貧乏そうな夫婦→3へ


            8

 道を歩き進むと向こうから男性と女性が並ぶように歩

いてきた。どちらに道を譲りますか?

女性に道をゆずる→14へ

男性に道をゆずる→2へ


            9

 IT前島が現れた!

IT前島「今、時代はインターネットさ。インターネット

時代にのれるかどうかで、六本木ヒルズに住めるかどう

かが決まる。もし君がインターネット時代に乗りたいの

なら私とジャンケンをするんだ。もし、君が勝ったら私

の大切にしている宝物をやろう。しかしもし、私が勝っ

たら君の全財産をいただく。それではいくぞ!ジャーン

ケーン…」

チョキを出す→18へ

パーを出す→11へ

グーを出す→6へ


            10

 こんな老いぼれに話しかけてくれて有難う。おかげで

寂しさが紛れたよ。お礼にいい事を教えよう。この先を

歩いていくと、IT前島という金持ちがいる。そいつとジ

ャンケンをすることになったらグーを出すんじゃ。さす

ればきっといい事があるだろう。

 そう言っておじいちゃんは去っていった。 9へ進む


            11

「ポン!」

……結果を見て君は固まった。負けてしまったのだ。

君は一文無しになった。しかし人生はまだ始まったばか

り。1に戻って人生をやり直そう。


            12

中年おじさん「俺に話しかけるとはなかなかセンスがい

いな。いいことを教えてやろう。もしジャンケンをする

ことがあったらパーを出しなさい。なーに私の47年の経

験からくる勘は外れたことがない。パーを出しなさい。

パーを。」

 そう言って中年おじさんは去っていった。 9へ進む


           13

「…ポン!」君はチョキを出した!

ビッグ・ゲイツは……パーだ!君は勝った!

ビッグ・ゲイツ「ふん。やるな。褒美にこれをやろう。」

そう言うとビッグ・ゲイツはそれぞれ『ツ』『リ』と書

かれた二つのペンダントをくれた。そして立ち去った。

百万円はくれなかった。 21へ進む


            14

 女性「有難う。男性よりも女性を優先して下さるあな

たは優しい方だわ。お礼にいい事を教えて進ぜよう。次

のジャンケンではパーを出すのじゃ。ではの。さらばじ

ゃ!」そう言って女性は姿を消した。 4へ進む


            15

「…ポン!」君はパーを出した!ビッグ・ゲイツもパー

だった!引き分けだ! 17へ戻る


            16

「…ポン!」君はグーを出した!アパレル柳本もグー。

引き分けだ! 4へ戻る


            17

 ビッグ・ゲイツが現れた!

 こいつは悪名高き世界一の金持ちだ!こいつを倒せば

世界に平和が訪れるかも知れない。

ビッグ・ゲイツ「何?世界を平和にしたいだと?そんな

事をしたら私が金を出さなきゃならなくなるじゃないか!

そんなことは認めん。よし。ジャンケンで勝負だ。もし

君が勝ったら私の大切にしているものと100万円をやろう。

しかし私が勝ったら君の全財産をいただく!ジャーンケー

ン…!」

パーを出す→15へ

チョキを出す→13へ

グーを出す→11へ


            18

「…ポン!」君はチョキを出した!IT前島もチョキ!

引き分けだ! 9へ戻る


            19

「…ポン!」君はパーを出した!アパレル柳本はグー!

勝った!

アパレル柳本「ぐぬう。やるな。仕方ない、私は約束は

8割方守る男だ。これをお主にやろう。」

そう言うと柳本は『ガ』と書かれたペンダントを君に渡

した。 7へ進む


            20

幸せそうな奥様「あら、私達に話しかけてくれるの?き

っとあなた寂しいのね。可哀想に。いいわ。話し相手に

なってあげる。」そういうと幸せそうな夫婦は会話の中

に入れてくれた。会話の最後、幸せそうな夫が言った。

「ふむ。君は次にジャンケンをする時はグーを出した方

がいいな。なに、安心したまえ。私の勘は99%当たるの

だ。そのおかげで今私達は幸せなのだからな。ガッハッ

ハ!」幸せそうな奥様「オッホッホ!」

 そう言い残すと、幸せそうな夫婦は去って行った。

           17へ進む


















            21

 君は最後の敵を倒した。とうとうやり遂げたのだ。

 だが君は虚しさを感じていた。

 ジャンケンで世界一の金持ちを倒したところでなんに

なるというのだ。百万円もくれなかったし。っていうか

仮に貰っていたとしても百万円ぽっちで世界を平和にな

んてできるわけないじゃないか。

 ただ虚しかった。


 その時!


 三人の強敵(作者注"とも"と読む)を倒した証である4

つのペンダントが空中に浮き上がり、眩いばかりに光を

放ち始めた!


 君はペンダントに書かれていた文字を思い出すと、そ

の4文字が、ある一つの単語を形成していることに気づ

いた。


 『ツ』 『ナ』 『ガ』 『リ』


 そう。『繋がり』だ。

 この旅の途中、いろんな人と出会った。貧乏な人。金

持ちの人。幸せそうな人。嫌な人。女の人。男の人。孤

独な人(47)。老人。若者。強い人。弱い人。

 君はこの旅の中で、これら全ての人々とどんな関係で

あれ、「つながり」をもったことに気づいた。


 つながりは消えない。


 人とふれあうことこそ、世界平和への第一歩であるこ

とに君は気づいた。

 作者である僕自身も今これを書いていて、今それに気

づいた。こんなオチになるとは思ってもいなかった。


 君はもう一度、光り輝く4つのペンダントを集め、懐

に入れた。

 虚しさは完全に消えていた。


 さぁ。この文章を閉じ、また歩き出そう。

 もう僕らは”つながって”いる。


 君は……、いや、僕らは、本当にに大切なものを

 たった今、


 手に入れたのだ。


Congratulations!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

エターナル・ペンダント うつりと @hottori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ