前のエピソード――病院

子どもが生まれて、私の危機管理能力は飛躍的に上がったと思う。子どものことに関してのみだが。

料理をしながらも子どもを視界に入れて気に掛けているし、寝ているときも息をしているか、暑すぎないか、寒すぎないか気に掛ける。少しでも泣こうものならすぐさま目が覚める。子どもを潰すかと思って寝ていても寝返りをうたない。おかげで朝には体がバッキバキだ。

しかし、危機管理能力高めの仕事をしているはずの旦那がなぜか子どもにこのスキルを発揮しない。旦那は元々ひとつのことしかできないタイプ。夢中になると周りの音も聞こえない。だから、子どもを見るときは子どもだけを見るように言うのだが、本人に自覚がないので大丈夫という謎な自信がある。結果、旦那と子どもを2人にしたときに限って怪我をする。

庭で遊んでいるときなぜか日曜大工のようなことを始めて子どもの指を金槌で叩いてしまう。散歩をしていて子どもが水路を跨いで遊ぶのを止めずに水が流れる水路に落ちる。大怪我どころか下手をすれば命に関わるような危険を回避できない。創造力がないのだと思う。

だが、子どもはパパが大好き。だからパパと散歩に行きたいとか、畑に行きたいとか言う。いつも私がついて行けるわけでもない。結果、怪我をしないように、目を離さないように、何度も何度も念押しする。私が出掛けなきゃないときは数時間おきに安否確認する。旦那からしたらうざったいだろうが、前科がある以上こればかりは譲れない。危機管理に関して旦那に信用はないのだから。

福祉について色々な資格を持っている旦那。そのスキルをぜひ家族にも発揮してほしいと思う。