第10話

「ソフィア殿 先程セバスチャンが言っていたのですが アンバ―伯爵が帰ってこられたらしいですよ この舞踏会にソフィア殿に会いに来られるらしいです 良かったですね」俺 挨拶ちゃんと出来るだろうか……どうしよう 反対されたら…

「お父様が?本当ですか?嬉しい!」

「存分に話されるといい」

「はい!ありがとうございます」




「ダリア これでどう?ばれるかしら?」

「大丈夫 マ―ガレットあたしは?」

「大丈夫 いつも通りやってれば 王宮も公爵家も使用人のレベルなんて変わんないわよ」

「そうよ」

「いくわよ」

「オッケー」



チュンチュンチュ―ワン!(ついたね まだ時間があるから隠れとこう!)




「着いたな いざ参ろう お手をどうぞ 奥様」

「貴方と舞踏会なんて久しぶり 嬉しいわ!でも気を引き閉めて参りましょう」


「ソフィア殿 着きましたよ さぁどうぞ」

馬車から降りるのにエスコートするマシュ― 少しは堂にいっている

「有難うございます マシュ―様」




「ソフィア 待ってておくれ 可愛い娘」




登場人物の勢揃い ワン!



「まぁバルトロメウス公爵 それに奥様お久しゅうございますわ」

「マシュ―様まで ご公務でいらっしゃいますか?」

「マシュ―様よ―!」

「キャ―!」

「一緒にいらっしゃるのは何方?」

「凄くお綺麗」


「お久しぶりですわね チェルシー侯爵夫人 マシュ―は公務とアンバ―伯爵令嬢をエスコートの2役ですわ」

「アンバ―伯爵令嬢ですって?」

「えぇ ちょっとしたご縁がありまして しかも主人と伯爵はお友達ですのよ」

「まぁまぁ そうなのですか?」

「マシュ―!」

「はい」

マシュ―を呼ぶと ソフィアを伴い近くにやってくる

「マシュ― ソフィア こちらチェルシー侯爵夫人よ」

「お久しぶりです 侯爵夫人」

「ソフィア・アンバ―と申します」

「ソフィアさんは マシュ―様とは?」

そこ 聞いちゃうんですよね おばさまは

「マシュ―様とは…………」



「ソフィア!」

「お父様!」

親子久しぶりの再会に盛り上がっている

そんなところに

「奥様 バカ親子 近づいております」

ダリアが王宮の使用人のなりで 奥様と旦那様にグラスを渡す振りで 告げる

「わかったわ」


「あなた 伯爵様を ソフィアから離してくれる?」

「了解した」



「よかったなぁ」

伯爵の肩を叩きながら ソフィアからはなしていく






「お母様~~~王子様はどこ~~」

「お姉さま 彼方にいらっしゃるのが王子様では?」

「ほらあそこ」

「どうかしらね~お顔を見たことがないの」

「あちらじゃない?」

そういって マシュ―の方に歩いていく



チュンチュン

(そろみたいだね)



バカ親子が歩いていった先は

騎士団の正装をしたマシュ―だった


「あの~私の王子様ですか?」

「?」

「あっ!」

ソフィアは気がついた

「こんな 服装をされてるのですもの 私………あら そちらにいるのは……」

「お姉さま」

「ソフィア?まさか!」

「何?ソフィアなの?」

「あなた何故舞踏会に?出てはならないと申し付けましたはず!」

「お義母様……」


ソフィアの様子に マシュ―もバカ親子と気がつき ソフィアを庇い前に立つ


「そう あなた方がソフィア殿に嫌がらせをしていた方々だったのですね」

「王子様!なぜソフィアなんかを庇うのですかぁ?」

「王子様?何を言っているんだ?私はマシュ―・バルトロメウス バルトロメウス公爵家の者だ 王子様などと 貴様らバカ親子のようだな よくもソフィア殿を使用人の様にこきつかってくれたな」

「ソフィアはシンデレラですわ 汚くて使用人となんら変わりません!」

「なんだと!」

「王子様ではないけれど マシュ―様?うちの娘達の方が きれいで頭も良く マシュ―様にぴったりですわ」

「鏡を見たことがないのか?」

「うちのコ達の美しさがわからないのですか?」

「ソフィア殿の美しさに叶う者はいない 思いやり 慎ましさ お前達にはないものだ」

「マシュ―様」

横にきたソフィアの手を持ち手の甲にキスをする

「ソフィア殿 結婚してください」

急成長を遂げたマシュ―が結婚を申し込むと

「私で良ければ…」

小声で でもしっかりと返事をしたソフィア

それを聞いていた親達

「あなた 見ました?聞きました?お嫁さんですわ」

「うむ お嫁さんだな ソフィアをもらい受けるが いいだろ?」

「ああ 本人が良いと言うのだ 宜しく頼む」


「あのシンデレラが?なんでよ!灰かぶりの娘が!悔しい!シンデレラのくせに!生意気な!」

「シンデレラシンデレラシンデレラ!グズでのろまなくせに!」


伯爵が前に立ち

「お前達!」

「あ、あなた いつお戻りに…」

それを受けて伯爵 奥様 公爵がマシュ―の後ろに立ち バカ親子を睨み付ける!

「お母様 怪物がいますわ…怖い!」

「あなた 睨みが全然足りませんわ あなた怪物らしいです」

「ふぬ!!」

120%150%200%の睨みに変わった


ガクガク ぶるぶる


「チュンチュンちゃん 今よ」

マ―ガレット

チュンチュン!

小鳥さんが数羽バカ娘達に突撃


「キャ―!」

小鳥さんがドレスの紐を嘴で挟み曳く

すると………ドレスの所々が破けていく!


ソフィアが補強しなきゃと糸を買いに行った理由のドレスです

マ―ガレットはそこをちゃんと覚えてて確認して ちょっと手を加えた

小鳥さんに頼んで引っ張ってもらったら破けるくらいに


「キャ―!キャ―!キャ―!」

「帰るわ!ドレスが、ドレスが、キャ―!」




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