第563話 体力測定開幕!

『『『ほいほいほいっと』』』

『『『ふんふんふ~ん♪』』』


ご機嫌な様子で何かを配置したり組み立てたり、時には


『お~い、土の妖精たち、頼む』

『『『は~い♪』』』


『水の妖精たちはこっち頼むよ』

『『『おまかせ~♪』』』


『風の妖精たち、ちょっと調整するから来てくれ』

『『『いいよ~♪』』』


『緑の妖精たちはこっちを頼むよ』

『『『わ~い♪』』』


『光の妖精たちはこれを頭に付けてくれ』

『『『なになに~♪』』』


『残りのみんなはこれだよ!』

『『『『『やった~♪』』』』』


妖精さんたちに応援を頼んでます。妖精さんたちも自分たちも活躍できると大喜び!


『よし!こんなもんだよな』

親方が周りを見渡すと


『そうだな。最後にこれを設置しないとな』

親方の弟、黒曜が何やら輪っかを取り出した。


『おう!そうだな』

『しかしよ、これ本当に発動すんのか?』

『大丈夫だろ?エル様とバートさんが用意したんだからさ』

『それにしても、神様ってのはすごいね』

『そうだね。体力測定の為にこんな大掛かりなもの⋯』

〖大丈夫ですよ〗ぬっ


『『『んぎゃーっ』』』ずざっ

『『『うぎゃーっ』』』ばっ

突然湧いた何かに飛び退くドワーフさん達。


〖おや、ひどいですね。私が化け物か何かのようではないですか〗ふぅ~

そこには如何にも傷つきましたとばかりにエル様が⋯


『『『エエエ、エル様っ』』』どっどっどっ

『『『びびび、びっくりするじゃないですかっ』』』ばくばくばく


〖おや、それは失礼しました〗ふふふ


絶っ対、そんなこと思ってないな!

絶っ対、わざとだね!


ドワーフさん達は口に出したかったが飲み込んだ!


『そ、それより、これ、本当に使っていいんですかい?』

『貴重な物ですよね』

親方夫婦が聞くと


〖もちろんですよ。いざという時に使えないと困りますし、いい練習になるでしょう〗にっこり


『そうですか?それなら遠慮なく使わせてもらいます』

〖ええ。是非そうして下さい〗


という訳で、ドワーフさん達の力作に、神様がらみの何かまで追加され、設置が完了した。


そして⋯


『よし、やるか!』ふんっ


何かが入った樽を前に力こぶを作って気合を入れているクゥ。足元ではサーヤとモモとスイが

「くぅ~、がんばりぇ~」ぐっ!

ぴゅいきゅい『『がんばれーっ』』ぐぐっ

クゥの足にピッタリくっついて、手をグーにして応援している。見上げる顔は、鼻息で鼻が膨らんでいる。ふんすっ


『ぷっ。おう!ありがとな!』わしわし

「あい!」にぱっ

ぴゅきゅ『『うん!』』にぱっ

そんなサーヤたちの頭をわしわし撫でて応えるクゥだったが


『ほらほら、三人ともちょっと離れて』

「あ~い」

ぴゅきゅ『『は~い』』

『クゥ、成功させなさいよ』


フゥはくっつきすぎのサーヤたちをクゥから引き離して激励する。


『おう!任せとけ!せーのっ』


ひゅ~パンパンパンパーンッ

お空に空砲がっ


『ふぅ~、出来た~』ぐい~

爽やかな笑顔で額の汗を脱ぐうクゥ


「やっちゃあ~♪ばんじゃ~い♪」

ぴゅいきゅい『『わ~い♪ばんざーい!』』

『まあ、上出来じゃない?』

『おう!ありがとな!』にかっ


ぱーんっ!

四人で仲良くハイタッチ!大成功!


クゥは魔法でおいちゃんが作った花火を打ち上げて、魔力を通して順番に発火させたのです!すごいね!



『それでは、これより聖域体力測定を初めます』

らんちゃんが風魔法を使ってみんなに声を届けてます。

『今回の司会進行も私たち、聖域の精霊がお届けいたします』

そういえば前にもこういうのあったかも~


『司会は私、風の精霊・晴嵐と』

「らんちゃ~ん♪」ぶんぶん

『は~い♪』ふりふり


『雷の精霊・鳴神』

ぴゅいきゅい『『なるちゃ~ん♪』』ぶんぶん

『うふふ♪』ふりふり


『氷の精霊・氷花』

ぴゅいきゅい『『「ひょうかちゃ~ん♪」』』ぶんぶん

『ありがとう♪』ふりふり


自己紹介するらんちゃんたちに手を振ると振り返してくれました。


『とりあえずこの三人でお伝えいたします』

『『『よろしくお願い致します』』』にっこり


とりあえず?


『『私たちもいる』』ぬっ

『突撃隊』ひょいっ


『『わあっ』』

「ふおっ」

ぴゅきゅっ『『わあっ』』

『牡丹様っ』

『揚羽様っ』

「げっかちゃんっ」

ぴゅいきゅい『『びっくりちた!』』

白黒コンビの雪と闇の精霊、牡丹ちゃんと揚羽ちゃん。それに光の精霊・月花ちゃんが突然湧きました。


『私たちは、いんたびゅーとかいうのする』

『感想聞けばいいらしい』

『まずはハクたち応援に行く』すたすた

「ふお~」

『『月花様待って』』

『『じゃあ』』

『モモは私』ひょい

『スイは私』ひょい

ぴゅきゅ『『わあっ』』


サーヤとモモとスイは月花ちゃん達にあっという間に抱っこされて、みんなの所に向かいます。月花ちゃんたちがスタスタ行っちゃうから慌ててフゥとクゥが追いかけてきます。


そうなのです。サーヤとモモとスイとフゥは、花火を打ち上げるクゥの応援『私はサーヤたちのお守りよ』

応援のために『まあ、いいか』ハクたちから離れてたんだけど、

ぴゅい『だってね、フゥとクゥとサーヤは』

きゅい『モモとスイと、さいちょから、いっちょだもんね』

「あい!いっちょ!」

『そうよね、お空から落ちてきた時から一緒だもんね』

『そうだな。あれからずっと一緒だもんな!』

「あい!」

ぴゅきゅ『『うん!』』

だから応援するのは当たり前だよ!


ハクたちは先に準備しなきゃいけないから、サーヤとモモとスイと一緒に来られなかったんだよ。だからね、ハクたちの所に移動です。だって今度は


『『あっ来たよ!』』

『『『クゥ~おつかれさま~♪』』』ぶんぶん

みゃあ『きれいになってたにゃ!』

『上手に煙も出てたのだ!』

『おかえりなさい!』

『席はこちらです!』

山桜桃ちゃんと春陽くんが席を用意してくれて、みんなでおで迎えしてくれました。


『ありがとな!』にかっ

『さあ、席につきましょう』

「あい!はくは?」

ぴゅいきゅい『『もうすたーと?』』


『はい。あそこにギン様たちと一緒ですよ』

『白雪様と吹雪様、それから』


「う?」

それから?


『ととしゃまもでるでしゅよ!ねぇねしゃま!』ぱたぱた

「かにょこちゃん!」

鹿の子ちゃんだ~


ぴゅいきゅい『『いひかしゃまもでるの?』』

『はいでしゅ!ちろいからって、ばーとしゃまがいってまちた!』


『『白いからって⋯』』

フゥ、クゥがなんとも言えないお顔してるね。


『とくべちゅなおかちも、もらったでしゅよ!おいちかったでしゅ!』


「ふお~よかっちゃね~」

ぴゅいきゅい『『おいしいもんね~』』

きっと天界のおばあちゃんのお菓子だね!あれ?ということは?


『鹿の子たち、エルクもパワーアップねぇ』

「むすびはしゃま!」

『そうなんでしゅか?』

『あらぁ?何も聞かされずに連れてこられたのかしらぁ?』

『はいでしゅ!ととしゃまと、かかしゃまと、あにしゃまと、いっちょに、しゅんってきたでしゅ!しゅごかったでしゅよ!』ぱたぱたぱた


しゅん?鹿の子ちゃん大興奮だね?

『きっと転移魔法だと思うぞ』

そっかぁー。クゥ、ありがとう。


『あらまぁ、それでイヒカはちょっとオロオロしてるのねぇ。ちょっと気の毒ねぇ』うふふ

「むすびはしゃま」

気の毒に思ってたら、うふふってしないと思うよ?


『あの、それより』ひく

『なんであの中に凛さんが?』ひく

「うにゅ?おばあちゃん?」

おばあちゃんがどうしたの?フゥたちはなんでお口の横ひくひくしてるの?


『うふふ。あれよ、あれぇ』ちょいちょい

「ありぇ?」

ぴゅきゅっ『『あっ!』』

「ふおお?」

おばあちゃん?なんで、ハチマキ?なんで柔軟体操?


ぴゅいきゅい『『なんで~?』』

「おばあちゃん?」

結葉様を見ると


『それがねぇ?バートが白いんだからって理由でイヒカを連れてきたでしょう?』

「あい」

流石の結葉様も眉毛がヘニョッてなりながら説明してくれます。


『そうしたら、白いなら自分だってって言い出してねぇ?』

「ふお~?たちかに、ちりょいけぢょ~」

ぴゅいきゅい『『でも~』』

『あみぐるみですよ?』

『それなのにギン様たちと?』

おっきなわんちゃん『フェンリルは狼よぉ』おおかみさんと、おっきな鹿さんと、おばあちゃんが?

「ちっちゃいにょ」

『そうよねぇ、小さいし、魔物でも聖獣でも神獣でもないしねぇ?さすがに皆で止めたんだけどぉ』



『天界の私もきっとパワーアップしてるはずよ!なら、私だって確認しないと!』

『でも凛さん、体格が違いすぎるし、むしろサーヤたちと一緒の方が』

『それじゃ私の勇姿をサーヤに見せられないじゃない!』

『いやまぁ、それは、そう⋯なのか?』

『そうよ!』

『そう⋯なの、か?』



『という感じでぇ、ゲンも丸め込まれちゃってねぇ』ふぅ~

「おいちゃん⋯」

止められなかったんだね


ぴゅきゅ~『『おいちゃんもだめだめ~』』ふりふり

「ぢゃめぢゃめ~」ふりふり

三人でダメダメポーズしちゃうよ。

『『あはは⋯』』


『それで、あそこにいるわけなのよぉ』

「ふお~」

おばあちゃんがすみません⋯



『さあ、それでは参りましょう!』

『プログラム一番は、フェンリル一族によるデモンストレーション!』

『特別参加、翼を与えられた白きエルク・イヒカと、なぜか、可愛い可愛い(ここ言えって言われたの)編みぐるみ・サーヤのおばあちゃん凛さんです』


「ふあ~」

アナウンスが始まったね~


『まずは、サーヤたちちびっ子の前に大人に見本を見せていただきましょう』

『ただし、ちびっ子の物よりコース自体は簡単になっております』

『すなわち、スピード勝負!!どれだけの記録が生まれるでしょうか?』


「う~ん?ぼく大人じゃないよ~?」こてっ

ハクが不思議そうにしてます


『え~と、その点についてはエル様から解説頂きます。どうぞ』

らんちゃんがマイクに見立てた枝を渡すと


〖では、⋯ああ、自己紹介が必要でしたね。医神エルンストです。エル様で良いですよ〗にっこり


知ってます!

みんな心の中で思ったけど


「ちってりゅにょ?」こてん

サーヤは言っちゃった。

『サーヤ、それはみんな思ってるから』

『言わなくて大丈夫よ』

「わかっちゃ~」


〖ふふ。ハクはちびっこですが、体は大きいですからね。せっかくですから、フェンリル一族としてまとめてみようということになりました〗にっこり


『そっか~』

ハクはもふもふでおっきいもんね。


〖ですが、サーヤたちと一緒にころころした可愛いハクも見たいので、後ほど元の姿、もしくは人化した姿でサーヤたちとも参加してもらう予定です。どちらの姿でも、実力の把握は大事ですからね〗


『そうなの~?』

『ハク、知らなかったのか?』

『うん。今初めて聞いたよ~』

『そうか⋯私も初めて聞いたのだが、無理はしないようにな』

『うん。わかったよ~』

ハクはどうやら二回出番があるみたいです。疲れないかな?大丈夫かな?



『それでは、位置について下さい』

あ、始まっちゃうみたいです。

『途中障害物がありますので、それをクリアしながらゴールを目指してください』

『今回は競走ではなく、あくまで体力測定です。繰り返します。競走ではありません。怪我なく安全第一でお願いします』


「うにゅ?」

『なんか、やたら念押されてるわね?』

『そうだな。まあ、とにかく応援しような』

「あ~い。みんにゃ、がんばりぇ~」ぽんぽん

ぴゅいきゅい『『がんばれ~』』ぽんぽん

『『『『『がんばれーっ』』』』』ぽんぽんぽん


みんなでぽんぽん振って応援です。



『ハク、お父さんと吹雪おじいちゃんは気にしなくていいからね』

『うん?分かったよ~?』

何でそんなこと言うのかな?と思いながらも白雪に頷くハク。

『いい子ね。(あの二人は絶対競い合うと思うのよね~)がんばりましょうね』

『うん!がんばろうね~』

ほのぼの~


『凛さん、本当に参加なさるのですか?』

『ええ!負けないわよ』ごごごご

『そ、そうですか(競走ではないはずなのですが⋯)』

イヒカ様、頑張って。色んな意味で


『ふふふ⋯血が騒ぐの。まだまだ若いもんには負けぬぞ』

『親父、引退した身なのだから大人しくしていていいのだぞ』

『ふんっバカを言うでないわ』

『どうなっても知らぬぞ』

なんか、バチバチ?


どうなる?体力測定⋯


『位置について』

『用意⋯』

『ドン!』


だだだだっ


『まずはグラウンド一周全力疾走です』

『さすがフェンリルにエルク、凄まじい速さですね。ギンと吹雪が先頭を競ってますね』

『あら?あれって疾走になるの?』

氷花ちゃんが何かおかしいことに気がついた


「はく~、おばあちゃ~ん、みんにゃ~がんばりぇ~⋯うにゅ?」ぽふぽふ

ぴゅいきゅい『『がんば⋯あれ~?』』

おばあちゃんが変?


『『おばあちゃん?』』

『『『とんでる~?』』』

『『そうみたい』』

『『飛んでますね』』

やっぱりみんなにもそう見えるよね?スーパーマン?



『おばあちゃん、ずるい~』だだだだ

『あらあらまあまあ、体力測定でしょ?走れとは言ってないわよね?』びゅんっ

『それを言われたら私も飛んで良くなるのでは?』ダカダカダカ

『あらあらまあまあ、イヒカ様は立派な四本の足があるのだからダメよ』びゅーんっ

『はあ、そうですね⋯』ダカダカダカ

『ハク、ごめんなさいね。凛さんも気にしちゃダメだったわ』だだだだ

『分かったよ~』だだだだ



『おばあちゃま、しゅごいでしゅ!』

みゃあ『おっきいごしゅじん、ねぇね、あれ、いいのかにゃ?』

『さ、さあ?どうなのでしょうか?』

『わ、わからにゃいにゃ』

『あ!ゲンさんなのだ!なんか指示出してるのだ!』

姫ちゃんがコースの途中で何かを叫ぶおいちゃんを発見!


『凛さん止まれーっ!こっからは障害物だぞーっ!足使えーっ』ぶんぶんぶんっ


『ちっ』ぴたっ ててててて

あ、降りて走り出したよ



『今、舌打ちしましたよね』

『ああ。聞こえたな』

バートさんと梟の白夜にはしっかり聞こえたようです。

〖ちゃんと走ってますね〗

『中々速いじゃないですか。初めから走ればよかったのでは?』

エル様と天馬の天翔は感心するやら呆れるやら


〖やっぱりリーチの差はでかいんじゃないか?短い足が高速回転してるみたいだぞ〗

『そうだな。残像みたいに見えるな』

ヴァル様と天虎の牙王様は冷静に分析。


『まあ、ここからが本番よねぇ』

結葉様がまとめた!そうだね、まだこれから。じゃあ応援しなきゃ!


「がんばりぇ~」ふりふり

ぴゅいきゅい『『がんばれ~』』ぽんぽん

『『『『『がんばれーっ』』』』』ふりふり


これからどうなるのかな?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読み頂きありがとうございます!(´▽`)

遅くなってすみません。フォロー、感想、応援などなどありがとうございます!

実は今、『もふしら』の作者ひつじのはね様の旧TwitterのXの企画でモモとスイが立体に!ひつじのはねさんがXにて、制作過程を上げてくれてます。よろしかったらご覧下さい。羊毛フェルトでめちゃくちゃ可愛です!

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