ある日の芋名月の日日記② 番外編

そんなこんなでやって来ました!

ざっぱーんっ

「あおばちゃ~ん」

ぴゅいきゅい『『じぃじ~』』

『『亀じぃ~』』

『こんにちは~』


『あ、サーヤちゃん』

『みんなも』

『『どうしたの?』』

『ほっほ。凛さんだけじゃなく小僧にアルコン様まで』

『皆で泉の中までいらっしゃるとは、また何かするのですかのぉ?』

サーヤたちが声をかけると直ぐにみんなが出てきてくれました。


『そうなの。お月見をしようと思って。それと、デザート祭りね』

「ふりゅーちゅ!」

『そうね。今ゲンさんたちが畑で育ててくれてるのだけど、それを生かす素材に足りないものがあってね』


『それがここにあるんですか?』

さすが青葉ちゃん、鋭い!

「あい!」

『ふふ、多分あると思うのよ。とろみを出す草を探してるの』


『なるほど、それならありそうですね』

『『『みんなで探そ~』』』

『ほっほ。では別れようかの』

『そうだのぉ、小僧の背中に皆いては効率が悪かろう』

『『『『『は~い』』』』』

『じじぃ共、悪いな』

『なぁに、この位はなんでもないからの』

『双子は父上と一緒がよかろう』

ぴゅいきゅい『『はぁい』』

『では、行くか』

「『『『『『おー!』』』』』」


そんな訳で

『これなんかどうかな~?』

『あ、なおっちゃう草だ』

『もんでヌルヌルしたのを傷に塗ると治っちゃうよ』

『わ~すごい~』

『ヌルヌルだからとってこ~!』


「こりぇ?」

『ふむ。これは滑りが出るはずじゃの。もみほぐ草と言って、これを貼って揉むと楽になるんじゃよ』

『あらあらまあまあ、マッサージに使えそうね。持っていきましょう』


こんな感じで色々採取して、

「あいがちょ!」

『後で必ずいらしてね』

『はい』

『『『絶対行くよ!』』』

『ほっほ。必ずお邪魔しよう』

『楽しみにしておるよ』

「あい!」


頑張って作るからね!

そして、ソフトクリームの材料以上の物もゲットして



『ふふふ。上手くいったわね。この柔らかさ!』

『ああ、ついに完成したな』

『『ふふふふふふ』』


『『⋯⋯』』ぐったり

「ひょーかちゃん、ぼたんちゃん」ゆさゆさ

『大丈夫~?』ふにふにハクと一緒にゆさゆさ。

なぜか氷の精霊の氷花ちゃんと、雪の精霊の牡丹ちゃんがぐったりしてます。

『⋯私、こんな細かい魔力操作初めて』ぐったり

『⋯私も、こんな一度刻みで温度指定されたこと、無い』ぐったり

『というか、温度なんて概念が』

『無かった⋯雪は雪、氷は氷』

『『何、温度計って⋯ひどい』』ぐって~


「あわわ、ちっかり~」ゆさゆさ

『しっかりして~』ふにふに

そうなのです。ソフトクリームを一番美味しい硬さにするため、おいちゃんが温度計を作り出し、更に氷花ちゃんと牡丹ちゃんを何度も試作に付き合わせたのです。とことん追求するおいちゃんとおばあちゃんに振り回されて、二人はついに


『『もう、だめ⋯』』くてっ

力尽きました。


『氷花、牡丹、二人の犠牲は無駄にしないぞ』

『ええ。素晴らしいパフェに昇華して見せるわ』

『『どうか安らかに⋯』』ちーん


『『死んでない~⋯』』しくしく


おばあちゃん、おいちゃん⋯ダメだよ。遊んじゃ


そんな犠牲もありながら


『ふっふっふっ。いい出来じゃないか?』

『あらあらまあまあ、芋名月に相応しい出来ね』

『『ふふふふふふ』』


『き、気合いが違いました』

『恐るべし秋の味覚です』

いつもお手伝いしてる山桜桃ちゃんたちですらそう感じたんだね


『いやあ、充実した時間だったね』

『レパートリーが増えたよ』

『明日から楽しみだねぇ』

わ~おカミさんたちは生き生きしてる~


きゅるる『さあ、みんなは着替える』

きゅるるん『『『『『『『おきがえ~♪』』』』』』』


「ふ、ふおお?」

『え~?ぼくも~?』


絹さん親子がせまってきましました。けっこう、うさぎはもう着たはずなんだけど、新作って何?


そして


〖〖いや~ん♪可愛い~♪〗〗

『『可愛いですわ!』』

『新手のうさぎさんにゃ!』

『あらあらまあまあ、大正浪漫みたいね。ちょっぴりゴスロリ入ってるかしら?』

『ああ、大正の喫茶のメイドさんみたいな感じか?』


ちょーんっ


「ふおお?」

『ぼく、男の子なのに~』

きゅるる『可愛いから大丈夫!』

きゅるるん『『『『『『『たいじょうぶ!』』』』』』』


そう、サーヤたちは黒いお着物に、黒い袴、白いエプロンに、うさぎのお耳。でもね?

きゅるる『ふんだんにレースとリボンを使った』

そうなのです。エプロンも肩紐にも裾にもフリルが!ポケットはうさぎん!後ろは大きなリボンで!お着物も襟や袖や裾にレース!そして、サーヤの頭にはうさ耳の他に、大きなおりぼん!


『小さい子だから許されるデザインだね』

『下手したらくどくなる一歩手前だね』

『さすがだね!私ら!』

そう、おかみさんたちもしっかり参加!


『だからなんで僕の頭にもリボン~?』

きゅい『スイも~』

『『『ぼくだって~』』』

男の子たちの頭にもリボンがドン!

「う?かあい♪」

きゅるる『うん。可愛いから大丈夫』

『まあまあ、今だけだから』

『似合ってるよ』

『いいじゃないかい、皆おそろい』


『『『『『うう~』』』』』うる


『ハク』

『スイ』

『みんなも』

『『『頑張れ』』』ぽんっ

女性陣には勝てません。


〖ワハハハ!みんなとにかく早く食おう!〗

『うまそうだぞ!美味いもん食ってたらかっこなんか忘れるさ!』

ヴァル様、牙王様、そんなこと言うから


〖『脳筋と言うんですよ』〗

『ほ~絹、用意しているのだろ』

『変えてあげてください』ぶるる

バートさんやエル様たちが取り成してくれて


きゅるる『仕方ない。ジーニ様』

〖ふふ。可愛かったのに残念。ぱちんっ〗

ハクたちは

『良かった~』

きゅい『こっちなら』

『『『『いいや~』』』』

燕尾服に白手袋、蝶ネクタイだけはちょっとおっきなリボンだけど、うさ耳のミニ執事さんたちの登場!

「かあい♪」

〖うんうん。うさぎのしっぽがぷりぷりしてて可愛いわね〗

「あい!」

可愛いは正義!


『さあ、宴会だぞ!まあ、デザート祭りだな!』

『夕飯は栗ご飯に、里芋沢山使った芋煮があるから、食べすぎないでね』

「あ~い!」

『『『『『は~い』』』』』


わ~い♪デザート!

『私たちの努力が』

『報われる時』

氷花ちゃんと牡丹ちゃんも張り切ってます


『そのガラスのグラスのような容器にお好みで、ヨーグルトや生クリーム』

『フルーツや、今回初登場のソフトクリームを使ってお好きに盛り付けてください。たとえば』

『こんな感じね』

「ふおお~」キラキラ


おばあちゃんの前には完璧なパフェが!角刈りにしたスポンジの上にソフトクリーム、桃や葡萄や、プリンまで乗ってフルーツソースや生クリームでデコレーション!


おいちゃんのはモンブラン仕様!白玉にあんこにチョコレートソース?

和洋折衷パフェです!


「ふおお~」じゅるり

『ふふふ、白玉ぜんざいに、栗とソフトクリームを⋯』くに~ぃ

「ふおお~」じゅるじゅるり

『こんなことも出来るわよ~』

おばあちゃん、天才!

あとは、今回初登場、さつま芋のいきなり団子!鬼まんじゅう!どっかの銘菓何だって!

モンブランのケーキ、桃のケーキもあるよ!ドーム型で可愛い!

『うふふ。青葉ちゃん達のおかげでゼラチン代わりのアガーが手に入ったからね』

『ケーキの可能性がまた広がったな』

『『ふふふふふふ』』


やったー!


『さあ、皆さんには少し小さい器ご用意してますからね』

『色々試してみましょう』

「あ~い!」

『『『『『は~い!』』』』』


『サーヤ、私がソフトクリーム絞るの手伝って上げる』

「あい!あいがちょ!」

牡丹ちゃんが後ろから絞り袋を一緒に持って絞ってくれました。そこに桃と、ぷりんと、

「しゃいんましゅかっちょ♪」

『シャインマスカットな』

「しょーちょもゆー」

『そうとしか言わないだろ⋯』

「おいち♪」

美味しいからいいのです!


大人は

〖見ちゃダメだよ~〗ぱし

「う?いりゅしゃま?」

〖うん。お招きありがと~僕もここに入れてね〗

「あい!」


『『『『美味しい』』』』

『『ほんにのぉ~』』

青葉ちゃんたちも美味しそうに食べてます。


『『『鬼まんじゅう?』』』ぱく

『『『ぉいしい』』』


『いきなり団子も』

『『美味しいんだな』』

鬼まんじゅうといきなり団子、半分こして子鬼ちゃんたちとぽぽちゃんたちが交換してます。仲良し♪


美味しいの沢山♪嬉しいな!

あれ?月は?


『月はまだこれからね』

そっか~


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。うお~花うさぎと、おばあちゃん、今日無理かもっ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る