ある日の海老とかいわれ大根の日 番外編
『う~ん?』
「おいちゃん?」
『あらあらまあまあ?何を唸ってらっしゃるの?』
おいちゃんが何だか悩んでる?
こそこそ
『サーヤ、あの顔で悩んでる時は大したことない時よ』
「しょにゃにょ?」
『そうなのよ。ああやって腕組んで下唇をとんとんしてる時は食べ物関係の時ね』
〖へえ?そうなのか?〗ぬっ
〖ふふ、よく見てらっしゃいますね〗すっ
『愛の力でしょうか?』すっ
「ふおっ?」
いきなりヴァル様とエル様とバートさんが湧いてきました。
『おや、サーヤ湧くなんて心外ですね。先程からいましたよ』にこにこ
「ふえっ?」
気づかなかったよ!
『ふふふ。うそです。今来ました』
「ふえ~?」
どっち?
『ふふふ・・・』
ええ~
『あらあらまあまあ、愛?そうねぇ、隣人愛?家族愛?皆さん家族みたいなものですものね』にこにこ
〖隣人、家族か・・・〗はぁ・・・
〖師匠、頑張って下さい・・・〗うる
『春は遠そうですね・・・』ふっ
「うにゅ?」
何かな?ヴァル様たち変なの。それより、
「おばあちゃん、おいちゃん、ちゃべもにょ?」
『ええ。多分ね』
「ふお~」じゅるり
美味しいやつかな?聞いてみなきゃ!
「おいちゃ~んっ」てちてちぴとっ
『ん?サーヤどうした?』ひょい
走ってあんよに抱きついたら、おいちゃんがひょいって抱っこして腕に座らせてくれました。
「おいちゃん、おいち?」じゅるり
『は?何も食ってないぞ?』ふきふき
「う?」
なんでサーヤのお口拭くの?
『あらあらまあまあ、サーヤがお口キラキラにしてどうするの・・・』
『凛さん、バートさん達までどうした?』
おいちゃんがみんなに気づいて聞いてきました。
〖いや、凛がな?ゲンがなんか食いもんのこと考えてるって言うからな?〗
『きっと美味しいものだとサーヤが』
〖考えてる顔で、違いが分かるなんて愛ですね。師匠〗にっこり
『へえ?あ~付き合い長いからな。さすがだな凛さん。でも、ちょっとだけ違うんだな。食材絡みではあるけどな』にっ
『あらあらまあまあ、そうなの?』にこにこ
〖だめだこりゃ・・・〗
『流しますか、そこで・・・』
〖師匠、残念です・・・〗ぐす
「う?」
どうしたのかな?変なの
こちらも山桜桃たち同様、ジーニ様たちから密命を受けているが、やはり
〖『〖鈍すぎる・・・っ〗』〗
〖ああ~主神並みかよ〗うぐぐ
『じれったさは魔神様並ですよ』はあっ
〖師匠、おいたわしい・・・〗ぐす
皆さん、ご苦労様です
「しょりぇで?にゃに、おいち?」じゅるり
教えて?
『ん~だからな?ほら、敬老・・・じゃなくて、海老の日を急に思い出してな』
「えびにょひ、おばあちゃ・・・(つんっ)げほげほっみんにゃ、あいがちょにょひ」
敬老の日ゆっちゃ、メッな日です。エビを食べる日です!
『そうそう。そのエビの日の周辺って、食いもんの日が多かったなと思い出してたんだよ』
「しょにゃにょ?」
『そうなんだよ。エビの日だろ?ホタテの日、かいわれ大根の日、毎月あるのはいちごの日とか、米の日とか、即席麺誕生の日とかな』
「ほええ?」
ほんとだね。訳わかんないけど。
『な?訳わかんないけど、集まってるだろ?』
「あい」
不思議だね
ぶつぶつ
『えび、ホタテ、いちごはウニ・・・海鮮・・・かいわれ大根、乗ってる時あるわね・・・そして、米。となれば』
「うにゅ?」
『り、凛さん?どうした?』
おばあちゃんが何だかぶつぶつ言ってます。
『うふ、うふふふふ』
「うにゃ?」びくっ
『り、凛さん?』
〖お、おい?どうした?〗
〖さ、さあ?〗
『凛、どうしました?』
な、なんでしょう?不気味です
『うふ、ふふふ、そうよ、ヴァル様だってきっと食べたいわよね?』
〖な、何だ?俺?〗
な、なんだろね?
『海よ!海に行きましょう!』どっぱーんっ
「ほええ?」
『きゅ、急にどうした?』
〖だから俺がなんだ?〗
〖さあ?〗
『なんでしょうね?』
みんな、訳分かりません
『サーヤ、エビよ?ホタテよ?ウニよ?』
『い、いや、果物のイチゴ・・・』
『ウニよ!』ギンッ
『は、はい・・・』びくびく
えび、ほたて、うに?
『それにご飯!彩にかいわれ大根!これで想像できるものは!?』
「え、えちょ?」
エビと、ご飯?
「え、えびふりゃい?えびぢょん?」
『違うわ!エビやホタテのフライを乗せたり、玉子とじにしたエビ丼もたしかに食べたいけども!もっとシンプルに!マグロとかも添えて!』
まぐろ?
「え、えちょ、おすち?」
『違うわ!たしかにお寿司も食べたいけれど!是非、あら汁を添えて食べたいけれど!分からないかしら?海鮮丼よ!海鮮丼!』どっぱーんっ
「かいしぇんぢょん」じゅるり
絶対美味しいっ
『あ~なるほど。そう来たか・・・』
〖な、なんだか分からんが美味そうなのは分かる。サーヤの顔で〗
〖ああ、そういえば鍛冶神は初めてでしたね〗
『私はたしか、ちらし寿司というのは頂きましたが、美味しかったですね』
〖何だと!?俺も食いたいぞ!〗
『でしょう!?子鬼ちゃんたちも初めてよね?行きましょう!みんなで今すぐに!海辺でとれたてぴちぴちの海鮮丼!』
〖任せろ!牙王!〗
『おうよ!任せろ!』
『え?牙王様、空飛べんのか?』
『ん?走ってくんじゃねぇのか?まあ、問題ないけどな。空も走れるしな』
『そうなのか?すげえな!』
『まあ天虎だからな!』ふふんっ
「ほえ~しゅご~」
『私を忘れては困りますね』
『ほほぉ、私のこともだな』
「ふお~てんちゃん、びゃくやしゃんっ」
たしかに飛ぶのはおまかせだね!
『んじゃ、支度していくか、山桜桃と春陽と、おかみさんたちに手伝っ・・・』
『『お任せ下さい!』』
『『『任せな!』』』
『『『わはは!コンロも炭ももう持ったぜ!』』』
『あ、あはは、流石だな・・・』
「ふお~」
『あらあらまあまあ』
いつからいたのかな?
『サーヤのお顔がキラキラになった辺りからだよ~』
ぴゅいきゅい『『ぜったい』』
『『おいしいことだよね!』』
『『『そしたら』』』
みゃあ『うみっていったにゃ!』
『そこから速かったのだ!』
『あっという間だったわよねぇ』
『『はい。お母様!』』
「ふお~」
みんないたぁ
ぴゅい『おとうしゃん、おそとで』
きゅい『もうおっきくなってりゅよ!』
「ふあ?」
『そ、そうか、そりゃ急がないとな』
『あらあらまあまあ・・・』
みんな準備万端・・・
そんなこんなで
ざざーんっ
「う~み~♪」
『広いね~』
ぴゅいきゅい『『おっきい~』』
う~み~は♪ひろい~な♪大きいな~♪だからね!
今日はペンギンさんのキャップと水着だよ!嘴とぷっくりおしりがポイントです!腕に着いた浮き輪はペンギンさんの羽です!サンダルはペンギンさんのあんよだよ!
〖ふむ。では、行きましょうか〗
『そうですね。それでは、鍛冶神頼みますよ』
〖よっしゃ!やり方はアルコンに聞いたからな!任せろ!〗
ん?何する気かな?
〖それっぽく、三叉の鉾!トライデントだな!〗じゃきんっ
「ふお~かっちょい~!」
海の神様みたい!外国の!
〖んじゃ行くぞ!せーのっ!おりゃあーっ〗ザンッ
ズザザザザザザッ
「ほええ?」
『え~?海が~?』
ぴゅいきゅい『『しゅご~い』』
『に、にいちゃんっ』
『水がないんだなっ』
『あわわ。そ、そうみたいなんだな』
ぽぽちゃん兄弟、あわあわ
『『『・・・ぅそ~うみ、われた』』』
子鬼ちゃんたち呆然
あ、ちなみに強い陽射しがダメなぽぽちゃん達はサングラスに全身が隠れる水着に、おいちゃんが直ぐにおっきなパラソル立ててスタンバイ!お日様対策もバッチリ!
〖こんな感じか?ほら、ちびっ子!しばらくこのままだから行ってこい!〗ニカッ
「ふえ?」
い、いってこい?
〖そうだぞ!ほら、凛なんか既に〗
『あらあらまあまあ!ホタテにウニに、あらこれナマコ?このわた作れるわね♪うふふ。まあ!大きな伊勢海老!えい!』チュインっ
『うふふ♪魔法便利ね~♪簡単に活じめ♪うふふふふ』
〖な?嬉々として拾いに行ってるぞ〗
「ふお~」
ほんとだ~
『本当にしばらくはこのままなんだな?』
〖おう!任せろ!〗ニカッ
ヴァル様すっごいいい笑顔!
『俺らもいるから行こうぜ!』
『そうですよ。私たちがついてますからね』
「あい!」
牙王様も天ちゃんもいるなら安心♪
『行こう行こう~♪』
そして、本来は海底の所をマジックバックを持って
「うきゃあっおしゃかにゃっ」
びっちびっち!
『おお・・・新しい釣りの方法なのか?釣りじゃないか、魚拾いだな。うお?でっかいカツオが落ちてるぞ。シュールだな・・・よっと』
おいちゃん、回収。じゃあ、サーヤも、えいっ
ぴゅいきゅい『『あ、おとうしゃん!』』
『『エル様もいるよ~』』
壁の向こう・・・
『壁・・・海が両側にそびえ立ってるな』
「あい」
壁の向こうは海・・・お魚がいっぱい泳いでて
『ドラゴンって泳げるんだな』
「ちらにゃかっちゃ」
『あれなに~?おっきいね~』
『あれはぁ、クラーケンねぇ』
結葉様が教えてくれます。
ぴゅいきゅい『『おとうしゃん、しゅご~い!』』
アルコン様、あんよの鋭い爪でクラーケン仕留めてます。
『『『エル様とバートさんのは?』』』
『あれは、マグロ?』
「まぐりょ?くじりゃ?」
『うん。大きさは鯨のマグロだな』
うわ~ビリビリ魔法?
〖なあ、これも食えるのか?〗
「ふお?」
『ヴァル様?海は・・・』
〖ん?数時間はこのままだぞ〗
『そ、そうか、良かった。ビビらせないでくれ』
たしかに海割った張本人がこんなとこ居たら驚くよね。しかも
『蟹と海老だな。食えるぞ。美味い、はず・・・でけぇけど』
〖そっか。なら、まだたくさん必要だな!〗にかっ
『は、ははは・・・』
「しゅごー」ぱちぱち
『あらあらまあまあ、サーヤの目がびっくりしすぎて落っこちそうね・・・』
だって、両肩にヴァル様の三倍位ありそうなカニさんとエビさんが・・・
『馬鹿力だな・・・』
だよね・・・
『あらあらまあまあ、大漁ねぇ。予備の神棚持って来て正解ね♪おほほほ』
『は?予備の神棚?』
なんじゃそりゃ?
『俺たちに作らせたんだよ』
『こういう時のために持ち運び用だとさ』
『直ぐに供えなきゃいけないんだと』
『「へ、へ~」』
おばあちゃん
凛さん、何やってんだ
そして
〖うっめーっ!〗ガツガツガツガツ
『だな!生臭いだけだと思ったけど、すっげえ美味い!これからは生魚も食えるな!』バクバクバクッ
『あ、ウニもっとください』
『私はネギトロを』
神様たち、海鮮丼をすごい勢いで食べてます。いっぱいあるから逃げないよ?
『サーヤたちは』
『落ち着いてゆっくり食べましょうね』
「あ~い」
『『『『は~い!』』』』
フゥとクゥがみんなの面倒見てくれてます
『うっしゃ!エビフライも揚がったぞ!』
『ホタテもアジ揚がりました!』
『天ぷらもいけますよ!エビ、イカ、キス』
『野菜も食べるんだよ』
『かき揚げにしたよ』
『素揚げもいけるねぇ』
おいちゃんや、山桜桃ちゃん、春陽くん、おかみさんたちは、今はじゃんじゃん揚げ物作ってます。
サーヤたちは先に作ってもらった海鮮丼と、あら汁食べてます。
おばあちゃんと、親方たちは
『こっちもいい感じね。サザエにそろそろお醤油垂らしましょうか』
『ホタテもいい感じだな』
『エビもイカもタコも焼けるぞ』
『あ~酒飲みてぇ』
『あらあらまあまあ、それは今は我慢してちょうだい』
『『『分かってるよ!』』』
磯焼きも出来てます!
「こおにちゃ、おいち?」
『・・・ぅ、うん』
『・・・すっごく』
『・・・ぉいし』
「よかっちゃ!」
前より食べる量が増えた小鬼ちゃんたちも笑顔で食べてます。良かった!
突然決まった海で海鮮丼祭りは大成功でした!
☆。.:*・゜☆。.:*・゜
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