第551話 鳥さんの背中

『ふふふふふ⋯美しい』


今だに自前の等身大の鏡の前でポーズをとりまくっている天翔⋯もう天ちゃんでいいか。天ちゃんはあのまま放っておきましょう。


「ちゅぎは~ほーほーしゃん」

『うん。鳥さんの番だね~』


『ほほぉ~ようやく出番だな』バサッ


「おまちゃしぇちまちた」ぺこり

ぴゅいきゅい『『おまたせ~♪』』


『ほっほぉ、あまり待ってはいないな』

『そうですね。『天ちゃん』は既に決まっていましたからね』フフ

〖何か、バートに『天ちゃん』って呼ばれたら鳥肌立ちそうだよな〗ぶるっ

〖主神以外は全員鳥肌モノだと思いますよ。サーヤ達は大丈夫ですけどね〗

『確かにな』

神様たちは『天ちゃん』とは呼ばないようです。主神様以外


「う?」

『何で~?』

ぴゅいきゅい『『てんちゃん』』

『『かわいいよね?』』

『『『『『うん』』』』』

ちびっこ同盟はもう『天ちゃん』で決定のようですね。


『ほほぉ~私は何と呼ばれるのかの~』

ほーほーさんは楽しそうです。



「ふにゅ~ほーほーしゃん、まっちりょ」

『うん。ぼくと一緒だね~』

ぴゅいきゅい『『きれーだね』』


『ほほぉ?ありがとう』

おや?照れずに認めるタイプのようです。


「もふもふ!」

気持ちよかったよ!

『『触りたい!』』


『ほお?良いぞ。ならば、こうしようか』スー


「ふおおお」キラキラ

『『『わあっ』』』

みゃあ『大っきくなったにゃ!』

ほーほーさんが大きくなってくれました!ちびっこたちならみんなで乗れそうです。


『ぼくも~小さくなるから乗っていい~?』ぶんぶん

ハクがしっぽぶんぶん、お目目キラキラさせて聞くと


『ほ~ もちろん』


『わ~い♪』ぽふんっ

ハクも小さく変身♪

「はく~♪」

ぴゅいきゅい『『いっしょのろ~♪』』

『うん!』

乗せてもらお~


『こ、こら、お前たち』

『神獣様、申し訳ございません』

おいちゃんとギン様が慌てて止めに来ました。


『ほほぉ 大丈夫だ。バートを乗せることだってあるのだ』

『そうですよ。鳥は頑丈ですから。この大きさなら足の過ごさがよく分かるのではないですか?』フフ

鳥さんもバートさんも笑って大丈夫って言ってくれてます。それから、足?


「あんよ?ふあああっ」

『うわ~すごい爪~』

ぴゅいきゅい『『むきむき!』』

『おばあちゃん!』

『これ細マッチョ?』

フルーとフライがおばあちゃんに聞くと

『あらあらまあまあ、これは細くはないわね。立派なマッチョよ』

『『立派なマッチョ!』』

『ええ。立派なマッチョよ。美味しそうね~』うふふ

「ふおおお」キラキラ

立派なマッチョ!みんなでぺたぺた


『凛さん、言い方⋯マッチョに、美味そうって⋯』

『神獣様だぞ⋯』ぶる

『流石に我でも不敬だと思うぞ』ヒクッ

おいちゃんとギン様と、アルコン様までドン引き⋯


『ほぉ?私は美味しくないと思うが?』

『あらあらまあまあ、つい?ごめんなさいね。ほほほ』

『いいではないですか。ほら、サーヤたち、背中に乗せてあげましょう』ひょい

バートさんがちびっこたちを次々と乗せてくれます。


「ふあああああっもふもふ!もふもふ~!」

背中にくっついちゃうよ!埋もれちゃうよ!

『『『うわわわ』』』

『お、おいらたちまで?』

『『兄ちゃん!すごいだよ!』』

『『『ぅあああ』』』

ぽぽちゃん兄弟や、子鬼ちゃんたちも乗ってます。


『凄いのだ!』

きゅるるん『『『こうきゅううもう!』』』

きゅるるん『『『『こうきゅうそざい!』』』』

きゅるるん『『『サーヤにきせたい!』』』

きゅるるん『『『『おふとん、クッションでも!』』』』


きゅるる『さすが私の子どもたち』うんうん

『いや、絹さん』

『さすがに素材扱いは』

『まずいんじゃ』

絹さん親子はブレない。


「ねんね⋯」

もふもふがもふもふ過ぎて、眠くなっちゃいます。ふわぁぁ~

『ほんとだね~』ふぁぁ

ぴゅいきゅい『『すぅ~』』

みんなお眠です。おやすみなさい⋯すぅ~


『ん?わあっ!お前たち起きろ!それは布団じゃないぞ!』

『サーヤ、ハク!みんなも起きなさい!お名前を考えるのだろう!』

『下ろした方がいいのではないか?』

ちびっこたちがあまりの気持ちよさに寝落ち!保護者たちが慌ててます。


〖あはははっ〗

〖〖鳥、羨ましい!〗〗

イル様は大笑い!

ジーニ様とシア様はハンカチ噛んで悔しがってます。


『ほ?おやおや、私は大人気のようだな』

『ふふ。そうですね。みんな気持ちよさそうですね』

〖ガハハハハ!でもこれじゃ名前決まらないぞ〗

『そうだな~でも、これはみんな夢の中だぞ』

〖まあ、言わば鳥は、天然高級布団ですからね。お昼寝大好きなちびっこたちなら、即落ちでしょうね〗

神様たちが幸せそうに眠ってしまったちびっこたちを、神様たちも愛おしそうに覗いていると⋯


『あらあらまあまあ、これは布団の王様ね~閨王(ねやおう)?』

『ぷっ夜の王様。夜王(やおう)?』


『あっ!凛さんにミア!いつの間に!?』

ちゃっかりおばあちゃんにミアちゃんまで、混ざって寝っ転がってます!しかも何か⋯


『ほお?さすがにその名は遠慮するぞ』

『そうですね、何だか違う意味の世界の名前になりそうです』

ですよね⋯


『凛さん、ミア⋯』

『何という名を⋯』

『これこそ不敬では?』

今度こそ青ざめる保護者


〖〖〖あははははっ〗〗〗

〖『ガハハハハ』〗

笑い転げる主神家族とヴァル様たち

〖おやおや〗にやにや

エル様も面白がってます


きゅるる『凛さんミア、大物』

『怖いもの知らずって言うんだよ』

『まあ何にしろ』

『名前はまだつかなそうだね』

『まあ、サーヤたちが起きないことにはな』

『でもよ。ある意味狙ったんじゃないか?』

『あ、そうか。名前がつかなきゃ天界に戻れないもんな』

そう。バートさんも鳥さんも、名前がつかなければ天界には戻れない。


『『『『『『狙ったな』』』』』』

きゅるる『うん』

ドワーフさん達と絹さんは確信した。だって⋯


『ほっほっほ~』

『フフフフ』

似たもの同士、同じ笑顔⋯


「すぴ~もふもふ~ん⋯」むにゃむにゃ

『すぅ~』

ぴゅきゅ『『ぴゅひ~』』

『『『『『すぅ~』』』』』

サーヤ達は呑気に夢の中


☆。.:*・゜☆。.:*・゜


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