第515話 その頃、サーヤたちは?

本日1話目です。

☆。.:*・゜☆。.:*・゜



大人たちが深刻な話し合いをしている頃、サーヤたちちびっこたちの寝室では⋯


『今頃、ジーニ様たち、ものすごく重い話をしてるんだろうな⋯』

『そうね。こんな時でもジーニ様、サーヤたちを撮影してるのかしら?』

『どうでしょうか⋯もし、そうでなかったらどうなるんでしょう?ぼくたち』

『この様子を見れななかったと知ったら?』


しーん⋯

フゥとクゥは椅子の背もたれを抱え込むようにして悩み···

山桜桃と春陽は、ちびっこたちのベッドを挟んだ向かい側で、お行儀良く座って悩んでいる。


今日はサーヤのベッドをおっきくして、ちびっこたちみんな一緒にねんね。···してるはずなのだが


『泣いちゃうかもな』

『そうね。でも、それで済むかしら?』

『それでとは⋯どうなるんでしょうか?』

『どうして知らせてくれなかったのって、叱られたりしますか?』


しーん⋯

フゥとクゥは額を背もたれに押し付け···

山桜桃と春陽はクッションを抱え込んだ···


『な、内緒にしとくって言うのは⋯』

『きっとバレるわよ』

『か、隠し通せる自信はありません』

『わ、わたしもです』


しーん⋯

ずーんと何かを背負い込んでフゥとクゥは背もたれに突っ伏し、

山桜桃と春陽は丸まってしまった···


『『どうしよう⋯』』

『『どうしましょう⋯』』


ずーんと、沈み込みながらコソコソ話しているフゥたちの目に映っているのは⋯



「まちぇまちぇ~」ごろんっ

『まって~』ごろんっ

ぴゅいきゅい『『まって~』』ごろんっ

「あいしゅ~」ばたんっ

『『逃げちゃダメ~』』ばたんっ

「こりょこりょ~」ころんっ

『だれか~』ころんっ

『とめて~』ころんっ

『アイスが~』ころんっ

みゃあ『おちちゃうにゃ~』ころんっ

『待つのだ~』ころんっ



なぜかサーヤが寝言を言うと、誰かが続き、サーヤが寝返りを打つと同じように寝返りを打っているのだ。


『どんな夢見てんだ?』

『あれじゃない?ちょっと前にゲンさんが氷のボール作って』

『ああ、あの遊びながらアイスクリームを作った』

『あ、なるほど。それを追いかけてるんですね?』



「あいしゅ~」うううっ

きゅるるん『『『おちちゃった~』』』うううっ

きゅるるん『『『『ぼっちゃん~』』』』うううっ

『『アイス~』』うううっ

『『『かえってきて~』』』うううっ



『あ、泉に落ちたみたいだぞ。涙まで流してる···』

『でも、なんでみんな会話が成り立ってるの?』

『寝返りまで同じですしね』

『皆で同じ夢見るなんてあるんでしょうか?』



「あおばちゃん~」うううっ

『ありがとう~』うううっ

ぴゅいきゅい『『てんし~』』うううっ

みゃあ『みんにゃも』うううっ

『『『『『ありがとう~』』』』』うううっ



『あ、青葉たちに拾ってもらえたらしいぞ』

『アイスは救われたのね』

『良かったです』

『泉に落ちても大丈夫だったんでしょうか?』



「おいちいね~」ふにゃあ

『よかったね~』ふにゃあ

ぴゅいきゅい『『おいち~』』ふにゃあ

『『つめたいね~』』ふにゃあ

『『『あまいね~』』』ふにゃあ

みゃあ『おかわりにゃ~』ふにゃあ

『次なのだ~』ふにゃあ

きゅるるん『『『『『『『なんにしよ~』』』』』』』ふにゃあ



『大丈夫だったみたいだぞ』

『次はなんの味にするか迷ってるわよ。平和ね~』

『無事で良かったです』

『それでどうしますか?』


『『『え?』』』

春陽が現実に引き戻した!


『『あぁぁ~』』

『そうでした』

『どう報告したら?』


『大丈夫。みあがちゃんと撮影してる』じー


『『『『え?』』』』

声がする方を探すと


『こんなこともあろうかと、ジーニ様に渡された』じーっ

みあが、フルーたちの寝床がある木の上から撮影していた。


『『いつの間に⋯』』

『『ジーニ様、さすがです』』



大人たちがどんな重いお話をしていようとも、ちびっこたちは平和でした。



「うへへ~」

『サーヤ~』

ぴゅいきゅい『『あ~あ』』

『『その笑い方は~』』

『『『ダメなやつ~』』』

「ぶー」



『ぷっ』

『つっこまれてるな』

『つっこまれてるわね』

『夢の中でもやっぱり』

『サーヤちゃんはサーヤちゃんですね』

『『『うん』』』



☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(*_ _)m

シリアスに耐えられず、裏話的な?

ちょっとは緩和されるでしょうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る