第510話 魔法の練習?

さてさて、天河さんたちが里に帰ってから、さっそく再開された、魔法の練習。


〖は~い。ちびっこたち♪準備はいいかしら?〗

ジーニ様の青空魔法教室です。


「あい!」ぴしっ

『は~い!』ぴしっ

ぴゅいきゅい『『あいっ!』』ぴしっ

『『ジーニ様』』

『『『ちびっこどうめい』』』

きゅるるん『『『じゅんび』』』

きゅるるん『『『『オッケー』』』』

みゃ『にゃ!』

『なのだ!』

ビシィッ!!


『今日はオイラたちも』

『『よろしくおねがいなんだな!』』

『かにょこもでしゅ!』

ハイッ!


ジーニ様の前にちびっこ勢揃い!

おて手をあげて元気にお返事です!


〖うんうん。みんな今日も元気でかわいいわね~♪〗

ジーニ様のお顔がデレデレです。


「えへ~?」くねくね

『そうかな~?』くねくね

ぴゅいきゅい『『かわいい~?』』くねくね

『『そんな~』』くねくね

『『『てれちゃう~』』』くねくね


〖うん。初代ちびっこ同盟はもう本当にそっくりね〗

くねくねの仕方も、キレイに揃ってるわね。


きゅるるん『『『ジーニさま』』』

きゅるるん『『『『今日はなにする~?』』』』

みゃあ『魔力操作にゃ?』

『的当てするのだ?』

子グモちゃんたちをはじめ、みんな早く練習したくてうずうずしてます。


〖うふふ。そうね、みんな魔力操作はだいぶ上手になったから、今日からはそれに属性をつけてみましょう〗

ジーニ様がみんなに新しい段階に入ることを説明します。


属性?

「ちゅち、にゃら、ごーちゃんちゃち、できたにょ?」

土魔法でサーヤが作った謎ゴーレム。ごーちゃん、れーちゃん、むーちゃんは、おいちゃんについて回って、お手伝いの合間とか、暇さえあれば鍛えてもらっていています。


〖そうね。みんな自分が得意な属性を少し練習してもらったけど、今日みんなに練習してもらうのは『水』の魔法よ〗にっこり


「おみじゅ?」

『お水か~』

ぴゅいきゅい『『おみず~♪』』


〖そう。お水よ。じゃあサーヤ、サーヤは土の魔法を使う時は、どうやって使ってるかしら?〗


「う?」

サーヤが土の魔法を使う時?


『んちょ、ちゅちに、ちからながちて、おねがいしゅる』

土さん、お願いってするよ。


〖そうね。それじゃあ、異世界辞書から種を出す時は?〗


「んちょ、ちゃね、でりょーしゅる」

あれ?あれれ?


〖気づいたかしら?〗にっこり

ジーニ様は、どうやらあることに気づいて欲しかったようです。


「んちょ、ちゅち、ここにありゅ。ちゃね、ここに、にゃい」

土は目の前にある物で、そこに魔力を直接流して、色々お願いするけど、種は何も無いところから生み出す感じかな?


〖そう。その通りよ。サーヤ、よく気づけたわね。偉いわ〗にこっ


「えへ~♪」

合ってた?合ってた?

『サーヤやったね~』

ぴゅいきゅい『『すご~い』』

「えへ~♪」

そんな褒められたら照れちゃうな~♪


〖そう。土は目の前に見えてるわよね。風もある意味、常に感じることが出来るから見えてると言えるかしら。言ってること分かるかしら?〗


ジーニ様の問いかけに、ちびっこたちはみんな『うんうん』ってしてます。


〖対して、サーヤの魔法、種を生み出す魔法や、無いはずのものを具現化させてしまう魔法は、何も無いところから生み出すわよね。みんな心当たりあるんじゃない?〗にまっ


「うにゅ?」

ジーニ様のお顔が悪いお顔です。サーヤ、何かしたかな?


『あ~あれだ~』

ぴゅいきゅい『『あっ!わかったの!』』

『『アルミホイル!』』

『そう~』

ぴゅいきゅい『『それ!』』

ハクと双子とフライとフルーが思い出したのはアルミホイル。サーヤの頭の上でピロピロしてたヤツ。


『あっ、あれもじゃないかな?』

『はたけのときの!』

『おっきなしゃもじ!』

みゃあ『ぐるぐると、ぐるんぐるんもにゃ!』

妖精トリオと、ココロが思い出したのは、畑を耕す時に土を掘っくり返した巨大しゃもじに、流れるプールを作り出したミキサーに、最終的に落ち着いた耕運機。


〖くすくす。そう、それよ。結構やらかしてるわね〗

「うにゅう⋯」

ひどい。そんなことないもん~


〖そうよね。ごめんなさいね。まあ、とにかくね、魔法にはそこにある物を利用するものと、何も無いところから生み出すものがあるの。それで、今日は水魔法を練習してもらうのよ〗


それで、水魔法?


「あ~い、じーにしゃま?」

お手てあげて質問です。


〖はい。サーヤ、どうぞ〗くすくす


「おみじゅ、しょこ、ありゅよ」

泉にたくさんあるよ?それ使ったらダメなの?


〖そうね。周りにお水があればそれを利用することも出来るわよね。こんな風に〗ぱちんっ

ジーニ様が指ぱちんってしたら、泉の水が盛り上がって、ギン様が前に出した、龍みたいのがザバーってちびっ子たちの間を駆け巡って泉に戻りました。


「ふあ~しゅご~」

『すごいね~』って、みんなで拍手です。


〖うふふ。ありがとう。でもね?川も泉もない所だったら?〗


「ふあっ!しょっか~」

お水ないとこあるもんね。


〖そう。お水がないところで水魔法を使おうと思ったら、生み出すしかないわよね?〗


「ふお~」

なるほど~。みんなも、『そっか~』って、うんうんしてます。


〖それにね。もし、もしもよ?みんなに何かあった時、お水さえ出すことが出来れば、助けが来るまで命を繋ぐことができるでしょ?〗

ジーニ様がちょっと真面目なお顔で言います。


「ふあっ」

そっか。遭難とかしちゃった時、食べるものがなくても、お水があれば何日か大丈夫だって言うもんね。


〖だからね、まずはお水を出すところから始めてみましょう〗にこっ


「あい!」ぴしっ

『は~い』ぴしっ

ぴゅいきゅい『『あいっ』』ぴしっ

『『はいっ』』ぴしっ

『『『がんばります!』』』ぴしっ

みゃあ『やるにゃ!』ぴしっ

『やるのだ!』ぴしっ

きゅるるん『『『『『『『おーっ』』』』』』』


みんなでお手てあげて再びお返事!


『難しそうなんだな』

『兄ちゃん、出来るだか?』

『しんぱいなんだな』

『かにょこ、がんばるでしゅ!ぽぽちゃまたちも、がんばるでしゅ!』

『そ、そうなんだな』

『『がんばるだよ』』


〖うふふ。みんないい子ね。その調子よ〗


そして、練習することしばし


「ふ~にゅ」

サーヤは目を瞑って集中?していた。

ジーニ様は、イメージ大事言ってた~。お水~何も無いとこからお水~?

そういえば、おいちゃんとおばあちゃんが~



『空気中にも水があるんだぞ~。ほら、雨とか雪だって空から降って来るだろ?』

『あらあらまあまあ、空気中の水を指先に集めたら水芸できるかしら?』

『ぷっ。凛、やりそう』



「ふにゅ~」

雨~?

サーヤは雨を想像した。すると⋯


〖ええ?ちょっとちょっと!?サーヤ?〗

『わ~っ急に雨降ってきたよ~』



「うにゅ~」

雪~?

周りの声など聞こえていないサーヤ。雨が雪に変わることを想像すると⋯


きゅぴゅっ『『ひゃあ?』』

『『冷たい?』』

『あめが~』

『こおりになった~』

『ゆきになった~っ』

〖サーヤ?頭の中で何考えてるの?〗



「うにゅにゅ~」

妙に集中力の高いサーヤ。まだ周りの声は聞こえない。

水芸~?水芸って、お着物着た人が扇子とか指とかいろんな所からお水ぴゅーって出るやつかな~?


みゃあっ『さーにゃにゃんからお水出たのにゃ?』

『吹き出てるのだ!?』

きゅるるん『『『おいちゃ~んっ』』』

きゅるるんっ『『『『サーヤが~っ』』』』

〖サーヤ?今度は何を想像したの!?〗



「うにゅ~?」

そして、サーヤの想像⋯創造?は続く。

でも飲むなら~コップ?

でも、コップないこともあるよね~?そしたら、お水の玉が作れたら、飲めるし、沢山あったら、お風呂にも入れるかな~?


『さ、サーヤちゃん?』

『に、兄ちゃんっ上っ!上なんだなっ』

『おっきなみずたまりなんだな!』

『おばあちゃま~っ、ねぇねしゃまが~っ』

〖えええっ?今度は湯気が出てる?サーヤ?いったい何を想像してるの!?〗


次々に形を変えていく水の形



バタバタバタッ

『なんだどうした?うおっ?』

『あらあらまあまあ?何事?』

『ぶっ、空飛ぶ温泉?』

この騒ぎに駆けつけた、おいちゃん、おばあちゃん、みあちゃん。サーヤの頭の上を見て呆然。


『なぁに?これ、お湯~?なんでサーヤの上に浮いてるのぉ?』

『お母様っそんな悠長に言ってる場合ではないですわ!』

『あのままでは、いつサーヤちゃんの上に降ってくるか分からないですわよ!』

『そうにゃ!でもどうしたらいいにゃ?』

結葉様やアイナ様たちもこの状況に困惑!


『サーヤをあの下から動かしたらどうでしょうか?』

『一緒にあれも動いて来ないか?』

ギン様とアルコン様もどうしたものかと相談するが


『とにかく、先にハクたちを移動させた方が良いのではないかのぉ?』

『そうだの。ハクたち、静かにこちらにおいで。静かにの』

じぃじたちの声に、こくこく頷いてハクたち静かに逃げ⋯移動する。


残されたサーヤは

「ふにゅう~」

まだ瞑想⋯妄想?していた。

やっぱり、目の前にボールみたいに出したらいいのかな~?


『ちょ、ちょっとあれ移動してない?』

『そ、そうだな。どこにやるつもりだ?』

『ふ、フゥさんの防御幕張ってあげたらどうでしょうか?』

『クゥさんの転移魔法でお湯を泉か温泉に転移させるのはどうでしょうか?』

オロオロするフゥとクゥに山桜桃ちゃんと春陽くんが提案するが


〖いえ、魔法で今干渉して暴走しても困りますよ〗

〖いっそ、今の状況を気づかせた方が良いのでは?〗

エル様が止め、シア様は新たな提案をする。


『おい、あの量の水、サーヤの上に降ってきたらよ』

『サーヤちゃん、流れてかないかね』ハラハラ

親方たちも心配そうにしている。サーヤの上には、今だにちびっこたちが全員入れそうな量の水がっ


〖そ、そうね。でもこのままにする訳にはいかないわね。サーヤ、サーヤ聞こえてる?〗



「うにゅ~」

なんか、聞こえる~?



『サーヤ、お~い、戻ってこ~い』


「うにゅ?」

おいちゃん?


『あらあらまあまあ、サーヤ、もうみんなおやつ食べてるわよ?サーヤはいらないのかしら?』


「ふにゃっ?」

おばあちゃんの声?おやつ?


『凛さん、さすがにそれはまずいっ』

『あらあらまあまあ?』


「いりゅーっ」

サーヤのおやつーっ


『『『『『あっ!』』』』』

『手遅れ』

『あらあらまあまあ~』


「う?」

ざっぱーんっ

「うきゃーっ?」

水がおっこっちてきたーっ


『『『『『サーヤーっ』』』』』

みんなが叫んだ瞬間


カッ!


〖〖〖あっ!〗〗〗


ザバザバザバッ


『あ、危なかったです』

『サーヤ、危ないよ』

『気をつけないと』

『流されちゃうよ』


「う?あおばちゃんちゃち?」

気づいたら青葉ちゃんに抱きしめられてて、何が起こったのか分からないサーヤ。頭の上に、はてなマークがいっぱい浮かんでいる。


〖あ、青葉たち⋯よくやってくれたわ〗は~ぁ

みんな、ホッとしてへなへな⋯


青葉ちゃんたち泉の精霊たちがサーヤが水にのまれる直前にサーヤを抱えて、水を泉に落としてくれました。


『よかった~』

ぴゅいきゅい『『びっくりなの』』

『『心臓に悪いよね』』

『よかったけど~』

『でもこれ~』

『ぜったい~』

『『『『『『『『おこられるやつ~』』』』』』』』

さすが、初代ちびっこ同盟。よく分かってます。



〖サーヤ?サーヤは魔法の練習する時、今後おめ目閉じるの禁止よ〗

〖サーヤ?前にも言いましたよね?うっかり何か想像しないようにと〗


「あ、あい⋯」がくがくぶるぶる


震えながらジーニ様とエル様に怒られるサーヤ。



『まあ、サーヤだしな。やらかすのは想定内だよな?』

『あらあらまあまあ、誰に似たのかしら?』

おいちゃんとおばあちゃんが仲良くしてると⋯


〖絶対あなたたちの影響でしょ⋯〗

シア様の言う通り⋯


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。

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