第449話 鹿さん親子の、番!

う~ん、鹿さんのお名前~?突然の名付けにまたまた悩むサーヤです。

でも、子鹿ちゃんのお名前は決まってるのです。


『うん。サーヤは単純だからな。多分、あれだよな?』

『あらあらまあまあ?多分、あれね。サーヤ好きだったから』


なんですか?おいちゃんもおばあちゃんも?そう言えば?


「おばあちゃん?」

『はい、何かしら?』

「しかしゃん、かみしゃまにょ、おちゅかい?」

神社にいっぱいいるよね?

『あらあらまあまあ、よく覚えてたわね?えらいわ』

「えへ~?」

それほどでも~


『でもそうね、神の使いか、丁寧に言いたいなら、御使い(みつかい)かしらね。お使いだと、間違いではないけれど、ちょっと違う意味に聞こえるかしら?』

「ありゃ~?」

ちょっと違った~?じゃあ

「みちゅかいしゃん」

『あらあらまあまあ、これはこれで違う言葉に聞こえるわね?』

「ふにゅ?」

そんなことはないでしょ?


〖へえ?そう言えば「シカ」って言うのはサーヤたちの言葉なのね?ということは、似た生物がいるのね?しかも、神の使い、と〗ニヤ

ニヤッてジーニ様が笑ったね?なんで?


『な、なんだか恐れ多いような』

鹿さんがなんかオロオロし始めちゃったよ?こっちもなんで?


「だっちぇ、ちろいしかしゃん」

『そうねぇ、日本の神様の使いが白い鹿だったって言うお話があるのよね』

「あい」

キレイな鹿さんの絵だったよ


『そうなのですか?』


『ああ、そうだな。だから、有名な神社の鹿を神鹿って言って大切にするし、鹿の神様もいるよな』

「しかしぇんべい」

『そうだな。鹿せんべいな』

おいしいのかな?でも、人間は食べちゃダメなんだって。それに

「ちょっちょ、こあい」

『あ~、サーヤ、集られて埋もれて、引っ張りあげて助けたな』

「あい」

鹿さん、食いしん坊さんだから、サーヤ食べられちゃうかと思ったよ。


『そうね。大変だったわよね。ええと、鹿の神様のお話だったわよね?たしか、アメノカク様、井氷鹿(イヒカ)様、井光とも書いたかしら? 水神様の部類に入っていた気がするわね。後は翼を持った絵なんかもあったかしら?』

おばあちゃんが、お話を元に戻しました。おばあちゃんは辞書もないのに思い出してお話してます。すごいです。


『あったかもな。でも、それはもしかしたら外国の絵かもしれないぞ。たしか、外国でも鹿を神にしてるところがあった気がするからな』

そうなんだ?そこまでは知らない~。お名前候補、後はね?


「かみしゃまだかりゃ、おにくはにぇ~?やめちゃにょ。かぁいいけじょ」

なんか、やっちゃダメな気がするの~


『可愛いけどやめた?肉?』

『あらあらまあまあ、あれね。たしかに可愛いけどね?ほら、馬肉ならサクラで、猪ならボタン』

『ああ、鹿肉は』

『『紅葉(ね)な!』』

「あい」

もみじ、かわいいけどまた違う時ね。鹿さんに鹿さんのお肉の名前はちょっと~


『え?鹿肉?食べられたくはないのですが』

またまた鹿さんオロオロ

『大丈夫だ。食べないだろ。今は名前の話だしな』

『ギン様、そう、そうですな。いやしかし、少々心臓に悪いと言いましょうか』

『まあ、分からないでもないが、もう少し待とう』

『はい。そうですね』

ギン様、ナイスフォローだね!


『ねぇ?ちなみに赤ちゃんはなんて名前にするつもりなのぉ?』

〖そうね。もう決まってるんでしょ?〗

「あい」

決まってるよ。可愛くて美味しいの!おいちゃん、作ってくれないかな?じゅるり


ビクッ


「う?」

なんで子鹿ちゃんびくっ?


『サーヤ、お前よだれ』

『あらあらまあまあ。可哀想だからやめてあげなさい』ふきふき

「あい。ごめしゃい」

つい~


『え?肉の名前はやめたのに、赤ちゃんは食べ物なのか?』

『なんか、矛盾してない?』

クゥとフゥが変な顔で聞いてきます。だって


『ええとな?紅葉は鹿肉そのままだけどな?恐らくサーヤが考えてる子鹿の名前はな?』

『多分、和菓子⋯甘いお菓子の名前だと思うわ。子鹿ちゃんのお背中の可愛らしい模様に似たお菓子なの』


さすがおいちゃんとおばあちゃん!

「だいしぇいかい!かにょ、かのこちゃん!」

エッヘン!可愛いでしょ?


『やっぱりな』

『鹿の子、サーヤ好きだったものね』

「あい!でみょ、いちばん、みじゅまんじゅう」じゅるり

でも和菓子はみんな好き!

『はいはい。近い内に作ってやるから』

『よだれは拭きましょうね』ふきふき

「あい。ごめしゃい」

おいちゃん、約束ね!水まんじゅう!


『かのこちゃんね?かわいいんじゃない?』

『そうだな。じゃあ、お父さんはどうするんだ?』

「うにゅ~」

フゥとクゥもかのこちゃんは可愛いって!お父さんはどうしよう?


〖あら、さっきのイヒカでいいんじゃない?〗にやにや

『そうねぇ、神の名は恐れ多いって言うなら、サーヤやフゥたちと同じカタカナ?にしたらいいんじゃなぁい?』にこにこ

「う?いひかしゃま?」

ジーニ様と結葉様がなんかにこにこにやにや?なんか、企んでるお顔です。


『あ、あの?ジーニ様、結葉様、私はそのような大層なお名前は⋯』

鹿さんが更にオロオロしてます。でも

『諦めろ⋯』ぽん

『そんな!?』

ギン様がとどめさしました!


『ありゃ、絶対ろくでもないこと考えてる顔だよな?』

『間違いないね』

『まったく、結葉様はこりねぇよな』

『今回はジーニ様も一緒だからね、尚更タチが悪いよ』

『まあ、なんにしろ報告案件追加だな』

『間違いないね。効き目があるかは分からないけどね』

ドワーフさん達もなんか言ってるね。


『さあさあ、じゃあ決まったところで名前付けちゃいましょ♪』

〖そうそう♪白い鹿さんは翼が生えた綺麗な姿なんでしょ?いい名前じゃない?〗

「あ、あい」

なんか、今までで一番楽しそう?


『凛さん、俺なんかあの二人の狙いが、わかった気がするぞ』

『あらあらまあまあ、奇遇ねぇゲンさん私もよ』

二人でウンウンってしてる~?なんだろ?まあ、いっか~


翼が生えた鹿さんはたしかにかっこいいもんね!聞いちゃおう!

「しかしゃんは、いひか。こじかしゃん、かのこちゃん。どうでしゅか?」


『⋯分かりました。私はイヒカ、娘は鹿の子、ありがたく頂戴致します』

鹿さんは何となく諦め気味に、かのこちゃんはこくこくって頷くと、


ピッカーっ


「ぷぎゃーっ」まぶちっ

むぎゅう~

「う?」

やわらかい?

『あっ、サーヤ忘れてたな』

『忘れてたわね』

フゥ、クゥ忘れないで?

『にいちゃん、今回はおいらちゃんと目つぶっただよ』

『わたちもつぶっただ』

『えらいんだな。でも、まだ開けちゃダメなんだな』

『『わかっただ』』

今回はぽぽちゃんたちも間に合ったみたいです。

あれ?じゃあ、サーヤの目隠しは誰かな?


『うふふ。私よぉ♪』

う?結葉様?おお、たしかにこのうらやまけしからんお山は結葉様!ぽふぽふ

〖あ~ん、ずるいわぁ!私がサーヤを抱きしめるはずだったのにぃ〗

『だめよぉ。ジーニ様、サーヤ潰しちゃうでしょう?』

そうだそうだ!ジーニ様のお山は凶器!

〖つぶさないわよ!ほら、交代してちょうだい〗

『「え~?」』

〖サーヤまでひどいわ!〗

『だって~、ねぇ?』

「にぇ?」

ほんとに潰れちゃうし?

〖潰さないから~〗


『あ、あの?ジーニ様、結葉様、サーヤ、こ、これは?説明をお願いしたいのですが?』


「う?」

ありゃ?もうまぶしいの終わったの?

『あら~。うふふ♪』

〖ふふ。なかなかいいんじゃない♪〗

なになに~?

『ほらぁ、サーヤ、見てみてぇ?』

〖あら、かわいい♪おちびちゃんの背中にもちっちゃいのがついてるわよ♪〗

『お父さんの方も立派よぅ?』

「ふあっ?」

あれぇ?サーヤ目がおかしくなっちゃった!?

『思った通りねぇ♪』

〖サーヤ(単純)だからね♪〗

〖『うふふふふふ』〗

えええ~?


『あ~やっぱりな。ジーニ様、単純ってボソッと言ったしな』

『あらあらまあまあ、確信犯ね』

『だな』


ええええ~っ?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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