ある日のバレンタイン本番日記 番外編

本日二話目です。よろしくお願いします。

☆。.:*・゜☆。.:*・゜


逃げ帰ったハクたちは、今⋯


『ほんとなんだよ~』

ぴゅいきゅい~『『まっくろくろくろの~』』

『『お化けが出たんだよ~』』

『『『こっちにくるかも~!!』』』

ちびっこたち、自分たちが見たお化け(サーヤだけど)を、必死に報告です。


『落ち着きなさいハク。真昼間からそんなもの出るわけないだろう』

『でも~』


ぴゅいきゅい『『おとうしゃん、こわ~い!』』

どーんどーんっ

『ぶふっ』

双子はまたアルコン様の顔に。


『『ほんとなんだよ~』』

きゅるる『おちついて』


『『『たすけて~』』』

『ええ?そう言われてもぉ?』

みんな大騒ぎです。


〖フゥ、クゥどういうことかしら?〗

ジーニ様が知ってるんでしょ?とばかりに、片眉を上げます。


『『あ、あはははは』』

フゥたちが笑ってごまかしていると、


『ん?ドワーフたちが来たようですのぉ』

『ゲンたちも一緒のようですの』

向こうからサーヤ達が近づいてくると、ドワーフたちがみんな笑ってるのが分かりました。


『先に、見てこよう』

『ソウデスネ。イキマショウ』

みんなで不思議に思っているとレンゲとアカシアが見てくると行ってしまった。様子を見てると、レンゲたちが一瞬ビクッとしたのが分かったが、直ぐに戻ってきた。ただ肩を震わせて笑いを堪えていたので

〖レンゲ、アカシア?〗

〖なんですか?〗

『すみませぬ。ぷっ』

『イエマセン。ぷぷっ』

シア様とエル様が聞いても教えてくれません。お楽しみだと。


『いったい何でしょうか?』

『なんだろにゃ?』

みゃあ『ひみつかにゃ?』

『秘密なのだ?』

みんなが首をひねってると



『よお!これからゲンたちがお茶会しようって誘ってくれたから来たぞ』

よく見たらサーヤを囲むように青葉ちゃん達、泉の精霊や妖精たちもいるが、やっぱりみんな笑っている。しかも、涙が出るほど。


『わ、私達も是非って誘ってもらったんです。ふふ、ふふふ』

『青葉ちゃん、しい~だよ。ぷくくっ』

『は、はい。おかみさん。でも⋯ぷふっ』

よっぽど堪えるのが大変なのか、ついにみんな『あははは』と大声で笑いだしました。


『な、なんなんだな?』

『みんな壊れただか?』

『サーヤちゃんはなんでずっとこっちみないんだな?』

『『あれ?ほんとなんだな?』』

ぽぽちゃんたちが、おいちゃんに張り付いたまこちらを向かないサーヤに気づきました。


そんなサーヤにハクたちが駆け寄りながら

『サーヤ~どこいたの~』

ぴゅいきゅい『『さがしたんだよ~』』

『『大変なんだよ!』』

『おばけ~』

『でたんだよ~』

『まっくろの~』

っと、訴えます。


すると、親方とおいちゃんが

『ガハハハ!お化けってのは』

『これか?くくくっ』

くるっと、サーヤをコチラに向けると


『『『『『『ギャーっ!』』』』』』

ぴゅいきゅい『『おばけーっ!』』

ちびっこたちがまた逃げ出しました。すると、みんなが


『ワハハハ』

『ガハハハ』

『あはははは』

と、笑いだしました。が、


「ぶー」

サーヤだけはブスってしてます。


『サーヤちゃんだか?』

『どうしただ?』

『おかお、まっくろなんだな?』

ぽぽちゃんたちが言うと


『え~?』

ぴゅいきゅい『『サーヤ?』』

『『ほんとに~?』』

『『『ほんとだ~』』』

ちびっこたちもようやく気づいたみたいです。

『やっぱりね』

『そうだよな~』

フゥたちは呆れてます。


〖なぁに?その顔〗

〖まっくろ?つやつや?〗

〖ぱりぱりじゃないですか?〗

「ぶー」

だって~


『ガハハハっ悪ぃ悪ぃ』

親方がサーヤの頭ぐりグリします

「ぶぶー」


『くくっ実はな?日頃の感謝を込めて、みんなに渡したい物があってな?親方たちに協力してもらってたんだよ』

『ふふふっ。がんばって作ってたのよね~?味見しつつ』

「あい」

そうだよ。


『いや~ハクたちが来た時は焦ったぜ。もうダメだと思ったのによ?慌てて逃げてくから、どうしたのかと思ったら』



『この顔を見て、逃げちゃったのよね~?』

「ぶー」

そう。だから、直ぐに落とそうとしたのに~


『あんまり面白い顔だからな?カミさんたちにも見せたらよ?』


『だってさあ、こんな顔、ジーニ様に見せないなんてありえないじゃないさ!ワハハハ』

『顔がぱりぱりするから早く落としたいって言うサーヤを無理矢理このまま連れてきたんだよ!ワハハハ』

〖その通りよ!よくやったわ!〗

ジーニ様、喜びすぎです。


「ぶー。もーいい~?」

『ああ。もういいぞ。ありがとな』

「あい」

ふいー。や~っとパリパリとれる~


『⋯ちょっと待った。サーヤ』

「う?」

だいちゃん?クンクンしたと思ったら、顔からチョコをぺりっとはがして、パクっ

「ふあ?」

たべちゃったよ?


『大地!女の子に何してんの!』バシっ

『⋯痛い。でも、甘い。もっと』

更に手を伸ばしてこようとするだいちゃんを

バシバシバシッ

『『『やめんか!』』』

精霊のお姉さま方が止めました。が、今度は


『サーヤ~?』べろんっ

「ふぎゃ?」

『あ~ほんとだ~。サーヤが美味しい~』

ハクに食べられました。そうなれば当然⋯


ぴゅいきゅい『『ほんと~?』』

ぺろぺろ

ぴゅいきゅい『『ほんとだ~』』

ぺろぺろ

『『あま~い』』

『『『おいし~』』』

みゃあ『ココロもなめるにゃ~』

「ふあ~」

あっという間にサーヤはみんなにぺろぺろされ始めました。


『あっこら!みんなやめろ!』

「たしゅけて~ぶふ」

食べられちゃう~


『あらあまあまあ』

『あ~これは予想外だな』

『悪いことしたかね?』

そんなこと言ってないで助けて~


『み、みんなっおちついて』

『『『離れて~』』』

青葉ちゃんたちが慌てて引き離すけど離れてくれません。離れた時にはすっかりサーヤの顔は綺麗になってましたとさ。


「ぷへ~」

『大丈夫か?サーヤ』

『あらあらまあまあ。チョコあげる前にサーヤが食べられちゃったわね~』

「ぶー」

酷い目に会いました。

でも、そのあとちゃんと


〖あ~ん、美味しいわ~〗

〖甘くもあり苦味もあるなんて不思議ですね〗

〖このコーヒーという飲み物も気に入りました。毎朝飲みたいですね〗

『そりゃ良かった。親方たちのおかげだな』

『こんな美味いもんにありつけるなら道具を作るくらいなんでもねぇよ』

『そうか?ありがとよ』

そう。チョコだけじゃなく、コーヒーも大好評です。


そして

「おいちいね~」

アイスにかけてパリパリ~

『おもしろいね~』

バナナに付けるハク

ぴゅいきゅい『『ほっとけーき~♪』』

双子は小さく切ったホットケーキ

『『面白い~』』

ナッツにつけるフライとフルー

『『『たのしい~』』』

フルーツにつける妖精トリオ

チョコフォンデュに夢中なちびっこたち。


『ぷっハクたちも』

『立派にお化けだな』

「う?」

フゥとクゥが笑ってます。


『あ~みんなまっくろ~』

ぴゅいきゅい『『ハクだって~』』

『『みんな』』

『『『おばけ~』』』

『皆さん、後で綺麗にしましょうね』

『そうですね。でも、きっと今綺麗にしても、また汚れますね』

山桜桃ちゃんと春陽くんも苦笑いです。

チョコレートは大成功です!


『ゲンさん、はやく!はやく供えて!』

ペシペシペシペシ

『わっ分かったから、頭の上で暴れないでくれ!』

『はやく~』

バシバシバシバシっ

おばあちゃん、よっぽど食べたいんだね。



そして、こちらでも

〖ゲンさん、はやく~〗

『主神、仕事してください』

〖そんなっ!?〗

〖主神に技かけながら言うセリフじゃねえよな?〗

『ほんとだよな』

〖何そんなこと言いながら前陣取ってんの?〗

『武神様、料理長ずるいですよ!』

『何言ってるの!いちばんは私よ!』

〖凛さん⋯〗

『殺気を感じますね』

〖『おっかねぇ』〗

『はやくチョコ送りなさ~い!』



ぶるっ

『う、うお?』


おいちゃん、がんばれ~


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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