第428話 光の精霊さんの、番!

お布団かぶったまま、むくっておっきした光の精霊さん。


『ぷりん。何?食べる』


プリンが何かは分からないけど、みんなが美味しいって言ってたから、おっきしたみたいです。そして、食べる気満々です。


『おはようさん。おれはゲンだ。よろしくな。起きたばかりだからな、まずは水分補給だ。りんごジュースでいいかな。栄養あるしな』

おいちゃんが、自己紹介しながらりんごジュースを出します。

はちみつレモン味の経口補水液は、さっき飲んだもんね。


『りんごジュース?』

くぴ

『おいしい。さっきのも美味しかった。けど、これも好き』

くぴくぴ

気に入ったみたいで、くぴくぴ飲んでます。


『そうか。そりゃ良かった』

おいちゃんも、一安心したみたいです。


『美味しかった。ぷりん。食べる』

りんごジュースとプリンは別腹だったみたいです。


「おいちかっちゃ?ぷりんも、おいちいよ」

『楽しみ。ところで、誰?』

「う?」

誰?と、聞かれてしまいました。そうだよね~自己紹介まだでした。


「はじめまちて。さーや、だにょ。よりょちくにぇ?」

『サーヤ?』こてん

「あい」こくん

頭こてんされちゃいました。でも、サーヤはサーヤだよ?


『⋯光の。サーヤは今代の愛し子様』

だいちゃんが教えると

『愛し子様の、サーヤ、様?』

って、繰り返してます。

「しゃま、いりゃにゃい。さーや、にゃの」

『分かった。サーヤ。ぷりん。ちょうだい』

「ぷりん⋯」

ふおう。プリン強い。


『ブレませんね。光の』

『ガハハ!すげえ食い意地だな?』

そう言う、みーちゃんとはーちゃんを不思議そうに見上げる光の精霊さんは


『もしかして、水のと、火の?』

「ふえ?」

今、気づいたのかな?


『そうですよ。久しぶりですね』

『おう!何だよ、今ごろ気づいたのか?』

みーちゃんとはーちゃんが、呆れながら、笑ってます。

『⋯もしかして、僕、まだ気づかれてなかった?』

『あ。地のだ』

『⋯いいけどさ』ふんっ

だいちゃん、心配してたに、かわいそう⋯


『私たちだって』

『いるんだからね!』

『まったくもう!』

『『光のの、おばか』』

らんちゃんたちも、涙うるうるさせて、プンプンしてます。


『みんな、なんで巨大化してるの?それに、老けた?』


ビキンッッ!

しーん⋯


あっあっ、な、なんてことを⋯

『あ~、言っちまったな』

「あわわわわわわ」

みんなのコメカミに、何かがピシッと⋯


わなわなわなわな⋯ぷつんっ

『『『縮んだのはお前だ!』』』

『『『老けてない!』』』

『『成長しただけ!』』

ああ、みんな、そんな一斉に⋯


『まあ、キレるよな』

『そうだね』

『さすがに『老けた』は』

『禁句だね』

『『『俺たちでも分かるな』』』

「あわわわわわわ」

おいちゃん、おかみさんたち、そんな悠長な


『縮んだ?私が?そんなはずはない。みんなが老けた』

ひいぃぃっ!ま、またぁっ


『『『なぁんですってぇ!?』』』

あ、あ、らんちゃんたち落ち着いてっ


『⋯もう一度眠らす?』

『いいですね』

『名案だな』

『『私たちがやる』』ぼきぼきっ

わーっ物騒なこと言わないでーっ

白黒コンビは指ぼきぼき鳴らさないでーっ


『サーヤは巨人族の子?』ぽやん

「う?」

巨人族?なに?それにしても、みんながこんなに怒ってるのになんともないの?

『大物だな~』

おいちゃん、感心してる場合じゃないよ。


『『そんなわけない』』ビシッ

白黒コンビは冷静にツッコミ。

『⋯サーヤは人間の子。ね?』

「あい。にしゃい」

だいちゃんの言う通りですよ。


『う~ん?おかしい。それじゃあ、本当に私が縮んだ?』

や、やっと分かってくれた?


『そうよ。光の、力を使いすぎたのよ』

『何があったか覚えてないの?』

『危ないところだったのよ』

『⋯クゥが気づいてくれてよかったよね』

いまだに納得出来ない様子の光の精霊さんに、らんちゃんたちが聞くと


『う~ん?⋯⋯』


ひ、光の精霊さん?考え込んだまま固まっちゃった?

『『光の?』』

白黒コンビが声をかけると


『⋯ぷりん、食べたら、思い出す。かも?』


ずるっ

みんなが滑りました。


「ぷりん、ちゅよい」

『本当にプリンが何か知らないんだよな?』

そのはずだよ


『さすがプリンだね~』

ぴゅいきゅい『『さいきょう』』

『『おいしいしね~』』

『『『とろけちゃうしね~』』』

「あい。おいち」

プリンはいくらでも食べられます♪

『いや、ダメだろ。食いすぎは』

「うぎゅ~」

おいちゃん、意地悪。


『ぷりん。食べる』

あ。最初に戻っちゃった。


『ん~。それなんだけどさ、食ったらまた寝ちまうかもしれないだろ?先に名前つけた方が良くないか?』

「ふあっ?」

そうかぁ、おいちゃん、頭いい~


『名前より、ぷりん』

え~?


『⋯光の。プリンはみんなが張り切って、光のの為にたくさん作ってくれた』

あれ?だいちゃん、ヒジでみーちゃんを突っついてる?それに気づいた、みーちゃんは、ああ、って小さく言ってから

『そうですよね。たくさんの種類を作ってくれたのですよね?サーヤたちで』

「う?あい!」

作ったよ~

『濃厚たまごぷりんに~♪』

ぴゅいきゅい『『みりゅくに~♪』』

『『抹茶に~♪』』

『『『チョコ~!』』』

ね~♪他にもあるよ~

みんなで教えてあげます!


『お~!凄いな!ちびっ子共!楽しみだな!ガハハ』

そうでしょ~?


『たくさん。ぷりん』じゅるり

わあ、光の精霊さん、お口がキラキラ!

『いつものサーヤだな』

「ぶー」

そんなことないでしょ?


『ほんと楽しみね~でも残念ね。光のだけ』

『そうよね~体が大きくないと沢山食べられないわよね?』

らんちゃん?なるちゃん?


『あ。ずるい』

「うにゅ?」

ずるい?


『でもぉ、サーヤに名前付けてもらったら、体大きくなるんじゃない?』

氷花ちゃん?

『たしかに私たちは若返ったけど』

『逆にハクは大きくなった。ね?ハク』

白黒コンビが、今度はハクに?


『ぼく~?そうだよ~。ぼく、まだ赤ちゃんなんだよ~。ほら~』ポンッ

「うきゃ~!!はく~♪」

ちびっこハクになった~!だっこ~!

『うふふ。いいよ~』

ぴょんってハクがお膝に乗ってきました!ぎゅ~

「うきゃ~♪かあい~にぇ~♪でみょ、もふもふ~♪」

すりすりもふもふ♪

『そうでしょ~♪小さくなってもぼく、もふもふだよ~♪』

「あい!もふもふもふもふ~♪」

もふもふしまくりです!ふへへへへ。


『名前、つけてもらったら、ぷりん、いっぱい』じゅるり。

ん?あれれ?


『⋯そう。大きくなればプリンたくさん』

『全種類制覇も夢じゃないかもしれませんね』

『ガハハ!俺様は全種類食うぜ!』

だいちゃんたちは、なにを言ってるのかな?


『ぷりん。全種類』じゅるり。

んんん?


『そうよ~。でも』ニヤ

『もし光のが今のままなら』ニヤ

『そうよね~?』ニヤ

『次起きたら』フッ

『ないかもね』フッ

らんちゃんたち?悪いお顔?


『それは、だめ。私のぷりん』

んんんんん?


『⋯じゃあ』

『どうしますか?』

『俺様が光のの分も食ってやるぞ?ガハハ』


『名前。ちょうだい。ぷりんのために』

「ほえ?」

プリンのため?


『じゃあ、サーヤ』ニヤリ

『やっちゃいましょ♪』ニヤリ

『光のが起きてるうちにね』ニヤリ

『『やっておしまい』』フフフッ


「ふお?」

『くくっ。してやったりだな』

おいちゃん?


『ワハハ!ほら、サーヤ』

『どっちがいいか聞いてみなよ』

『『そうだな』』

『『ほらほら』』

ドワーフさんたちも、みんなニヤニヤしてます。どうなってるの?まあ、いっか?それじゃあ


「あ、あい。えっちょ、「げっか」ちょ、「きき」どっちちましゅか?」


『え?』こてん


『サーヤ、ちゃんと説明しような』

「うにゅ?」

ごめんね?


『あのな、俺たちで光に関係する言葉から、名前になりそうなものを探したんだ。俺たちが前にいた世界の言葉なんだけどな』

「あい。かんじ、にもじ」

指二本、よいしょ。


『私たちも、サーヤとゲンさんに漢字二文字の名前付けてもらったのよ』

『光のも、二文字になるように考えてくれたの』

『みんな、お揃いよ』


『へ~』ぽやん

らんちゃん、なるちゃん、ひょうかちゃんも説明してくれました。

それにしても、光の精霊さん、ぽやぽやしてるけど、大丈夫かな?


『「月花」は、俺たちが前にいた世界の字でな、こう書くんだ。月の花。意味は月の光。「輝々」は、輝くという字を二つ重ねて照り輝く様を言うんだ』

おいちゃんが、例のごとく、テーブルの上にお水で漢字を書きます。お水は指先から魔法で出てるよ。はやく紙と鉛筆も作らなきゃね。


『⋯月花にしなよ』

『そうですよ。花を光に例えるなんて素晴らしいじゃないですか』

『俺様は輝々がいいけどな!』

だいちゃんたちも後押し!


「どうでしゅか?」

『嫌なら他を探すけど』

みんなで光の精霊の返事を待ちます。


『う~ん。月花かな。お花好き』


『⋯いいんじゃない?』

『いいと思いますよ』

『ちぇ~。ま、いいんじゃないか?ガハハ!』

だいちゃんとみーちゃんが推してた『月花』ちゃんに決まったようです。


お~それじゃあ、

「ひかりにょせいれいしゃん、げっか、いいでしゅか?」

『うん。私は月花。よろしくサーヤ』

ピカーッ


「ふぎゃあっ」

『あっしまった』

そうだった~目が~っ


ビタっビタっビタビタッ


「うにゅ?」

お顔が重い?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(_ _)m フォロー、応援、星や感想、ありがとうございます(_ _)

月花ちゃん、よろしくお願いします。

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