第415話 お昼ご飯のあとは

海苔をみんなに知ってもらえました。みんな見た目から怪しんでたけど⋯


〖これは、ご飯と一緒に食べると美味しいわねぇ〗

〖パリッとしたのも美味しいですけど、しっとりとなった海苔も美味しいですね〗

〖ちょっとした、塩気がアクセントになってますね〗

よしよし。みんなハマってるね~。くふふふ


「にょりまきに~、ちぇまきじゅしに~、おみしょちりゅに~」

海苔で出来ることたくさん!指で数えます!


『あ~、味噌汁か、それはアオサだ。やっぱり味噌もいるよな⋯』

そうだね~。おいちゃん、よろしくね?

それにそれに、なんと言っても~


「にょりべん」じゅるり。

これは絶対です!のり弁!


『あ~。もうこれは、醤油が意地でもいるなぁ』

そうだよね!おいちゃん、頑張って!

『簡単に言ってくれるな~』

苦笑いしたって知りません!頑張って!

『分かったよ⋯』

「やっちゃあ!」

勝ちました!ばんざーい!


『さっきもサーヤ、のりべん言ってたもんね~』

ぴゅいきゅい『『よっぽど』』

『『好きなんだね~』』

「あい!ごはんに、おしょうゆしみしみ、にょり、しっちょり!」

おいしいも~ん!


『あらあらまあまあ、サーヤは多分美味しいからだけじゃなくてね?普段と違うことが出来たから余計に好きなのだと思うわよ』

おばあちゃんが、話に入って来ました。


『いつもと?』

『ちがうこと?』

『なに~?』

妖精トリオがおばあちゃんの頭と肩に止まって聞いてます。


『夜のうちにね、のり弁を作ってね?お布団の足元に入れて一緒に寝てたのよね』

「あい!」

蹴っちゃいけないんだよ~


みゃあ?『ごはんといっしょに、ねるにゃ?』

『どうしてそんなことするのだ~?』

みんな不思議そうにしてます。


『夏は傷んじゃうからね、冬にしか出来なかったんだけど。ごはんにお醤油がしみて、海苔がご飯になじんだ方が、のりべんは美味しいのよ。だけどね、ご飯は冷えると硬くなってぼそぼそになっちゃうの』

きゅるるん『『『それはだめ~』』』

きゅるるん『『『『おいしいのがいい~』』』』

そうだよね~。硬いのはだめ~。


『そうよね。だからね?硬くならないように、紙や布でくるんで、一緒に寝て、次の日の朝、食べるのを楽しみにしてたのよね?』

「あい!あしゃにょ、おちゃのちみ!」

『そうね。のり弁なら、ご飯いつもよりたくさん食べられたものね』

「あい!おいちいかりゃ!」

待ってるのも大変なんだよ!がまんがまん!


『そうか。布団ならぬくぬく暖かいもんな』

『そうね。朝気持ちよすぎて布団から出るの大変だものね』

フゥとクゥもなるほど~ってしてます。


『でも、それって、みんなでするなら、人数分のお弁当箱か、蓋付きの容器が必要ですよね?』

『そうですね。あと、ご飯だけなら、大きさもそれ用じゃないとダメじゃないですか?ご飯だけでお食事にしたらバランス悪いですよね?』

さすが山桜桃ちゃんと春陽くん。おいちゃんに食の大事さを叩き込まれてるだけあります!


『そうだな。今みたいに昼間のおかずも一緒に入れられるお弁当箱や、お重もいいけどな』

『ご飯だけのお弁当箱ってのもいいね』

『色々やりがいがあっていいじゃないか』

『そうだね。ゲンが言ってた漆塗りってのもやってみたいしね』


「うにゅ?」

漆塗り?


『あらあらまあまあ、ゲンさんたら、そんなことまで教えちゃったの?気をつけないと、子供たちがかぶれたりしたら大変よ?』

『ああ、そうだな。漆はかぶれるからな、栽培する場所も、作業場も気をつけないとだよな』

漆がかぶれるこれ常識!


『そうなのか?それは専用の場所作った方がいいな』

『そうだね。ちゃんと柵とか対策しないとだね』

お願いします。


きゅるる『お弁当包む布は任せて』

きゅるるん『『『まかせて~』』』

きゅるるん『『『『かわいいのつくるよ~』』』』


絹さん親子やる気満々!でも、せっかくなら


「おべんちょぶくりょみょ!」

きゅるる『お弁当袋?そうか、包んだのを袋に入れたらいいのね』

きゅるるん『『『それもまかせて~』』』

きゅるるん『『『『それもかわいいのつくるよ~』』』』

「やっちゃあ!」

わ~い!楽しみ~♪


『そうかそうか。でも、俺はかっこいいのがいいぞ』

金剛親方がニヤってすると

きゅるるん~『『『そっか~』』』

きゅるるん『『『『いろいろつくるよ~』』』』

『おう!頼んだぞ』

きゅるるん『『『『『『『まかせて~』』』』』』』

ドワーフさんたちと、絹さんたちは、職人同士だからどんどん仲良しです!仲良しはいいことだよね!


『じゃあ、女衆はお弁当箱はじめ、小物づくりで、男衆は』

『おう!蔵とか樽とか大物はまかせとけ!』

『さぁ!ゲン行くぞ!』


『え?またか!?』


『あったりめぇだろ!?お前がいなくてどうするよ!ガハハハハ』

おいちゃん、またもや連行決定!


『うわぁ~サーヤーっ』

「あ~おいちゃ~ん!いっちぇらっちゃ~い」

早く帰ってきてね~

『そうじゃないだろ!止めてくれ~』

む~り~。おててを振ってお見送りです。

『あ~ああぁ』

いってらっしゃ~い。


『さあ、サーヤたち、ちびっ子たちは、お片付けをお手伝いしたら、お昼寝しましょうね』

おばあちゃんが寝る子は育つよって言います。

「あ~い」

『おひるね~どこでする~?』

ぴゅいきゅい『『せいれいじゅさんのした~』』

『『さんせ~い』』

『『『ぽかぽかだもんね~♪』』』

みゃ『きもちいいにゃ♪』

『おふとんひくのだ~♪』

きゅるるん『『『おひるねよう~』』』

きゅるるん『『『『ひめちゃんのもあるよ~』』』』

『ありがとうなのだ!嬉しいのだ!』

こぐもちゃんたち、さすがです!


「じゃあ、おかたちちよう~♪」 

『そうだね~』

ぴゅいきゅい『『やろうやろう~』』

「おー!」

おっかたっし♪おっかたっし♪

おっひるね♪おっひるね♪


『そう言えば、木の枝の下なのに、ぽかぽかって不思議よね?』

『そういやそうだよな?普通日陰になるよな?』

フゥとクゥがそんなことを言ってたらしいけど、そんなこと、ちびっ子には分かりません。きもちいいんだから、いいのです。


『す~す~』


『ん?なんか聞こえたか?』

『え?聞こえないけど?』

『そうかな~?聞こえた気がするんだけどな?』

クゥが一人、首を傾げる中、敷物ひいてその上にお布団ひいて、


「おやしゅみなしゃい」

『お休み~』

ぴゅいきゅい『『おやすみ~』』

『『ぐ~』』

『『『く~』』』

ちびっ子たちは寝ます。お休みなさい。


『す~す~』

ん?なんか聞こえた?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

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