第400話 おばあちゃんが食べたいもの?

お疲れな大ちゃんと、アイナ様とニャーニャにゃん。でも、それとは対称的なのは⋯


『うお!?すげぇな!ほんとにここに住んでいいのか!?』

『家と鍛冶場と工房に集会場、それに畑も作れるな!』

『おいおい、酒造場も忘れちゃ困るぜ!』

『当然だ!』

『『『『『ワハハハハ!』』』』』

新しく来たドワーフさんたちが大興奮です。元気はつらつです。


『この丸太、使っていいのか?すげぇいい木だぞ!』

『それもだけどよ?何よりこの山だよ!』

『なんだこりゃ?俺たちの今まではなんだったんだ?うううっ』

『とんでもねぇお宝素材が山のように⋯うううっ』

『いや、ようにじゃなくて、山だろ?これは』

あはははは。泣いてる人もいれば、喜んでる人も、呆れてる人もいるね~


『まあまあ、お前たち。何はともあれ!家を完成させないとな!』

『この石も自由に使っていいそうだ!』

『最高の物を作らなきゃいけねえしな』

金剛親方たちが張り切ってます!力こぶが眩しいです。


『あ~あ~締りのない顔して、まあ』

『くくく。にやけまくった顔してね』

『悪ガキがおもちゃ見つけたような顔だねぇ』

紅さんたちも、すっごいニヤニヤしてるけどな?絵本で見たバイキングさんみたいだよ~


『うっせえよ!野郎ども!気合い入れて行くぞ!』

『ドワーフの力、見せる時だ!』

『半端な仕事したやつは帰すからな!』

『『『さあ!始めるぞ!』』』

『『『『『おう!!』』』』』


お~おぉぉ!すごい迫力~

そんでもって、親方たちが高速で動いてます!


『すごいねぇ、うちの人が何人もいるみたいだね』

『これがサーヤちゃんの効果かい』

『どれ、私らもやろうかね!』

『『『おう!』』』

紅さんたちも動き出しました!

うわぁ、一人で丸太一本担いでる~!


『凄いな、おい』

『あらあらまあまあ~早送りの動画を見てるみたいねぇ』

ほんとだねぇ~。どんどんお家が建ってる~。それにみんな力持ち~。


ドワーフさんたちは、もう夢中で、こっちは全然見えてないみたいです。

『あらあらまあまあ、これはしばらく私たちやることないわね』

「ね~」

何してようか?


『それじゃ、俺たちは引越し祝いにご馳走でも作らないとなぁ』

ご馳走?それなら


『はちゃけ、あちゃらちいにょ、うえりゅ?』

美味しいやつ~♪

『そうだな、畑行くか』

「あ~い!」

じゃあ、ドワーフさんたちはお家作るの頑張ってもらって~、サーヤたちは美味しいものを作ろう!


『なに作るかな?』

歩きながら作戦会議です。

サーヤは~

「りぇんこん♪」

はさみ揚げに~、れんこんステーキに~、きんぴらに~、サラダに~、レンコンもちに~、つくねに入れても~、じゅるり


『あらあらまあまあ。相変わらず、れんこん好きねぇ。まあ、お料理にしても、おやつの野菜チップにしても美味しいしね』

「ごぼうちっぷも、おいちいね」

『そうね~。おいしいわね。でも』

『二歳の好物にしては、渋いよな~』

「うにゅ?」

渋い?ん~

「じゃあ、どりゃいふりゅーちゅ」

かわいてるけど、ちょっとかわいいよ?あと、甘いから渋くないよ?

『ドライフルーツ⋯』

『そこでドライフルーツを出してくるあたりが』

『なんか、ズレてるわよね~』

「ぶー」

何もおかしくないよ?


『ねぇえ?凛は何かないのぉ?』

結葉様が楽しそうにお話に入っきました。すっごいニコニコです。なんか、危険な香りがするような?


『お、おい⋯?』

おいちゃんもなんか感じたみたいです。逃げた方がいいような?でも、おばあちゃんは、サーヤと一緒にハクに乗ってます。に、逃げられない⋯

「お、おばあちゃ⋯」

何とか止めないとっ


『凛が食べたいものとかぁ、サーヤに食べて欲しいなぁ、とかぁ?ないのかしらぁ?』にこにこ

結葉様、サーヤの抵抗なんかおかまいなし!


『そうねぇ?』

わー!おばあちゃん乗せられちゃったよ~!

「あわわわわわわ」

『サ、サーヤこっちに⋯』

おいちゃんが慌てて抱っこしてくれようとしたけど


〖あらぁ?そのままでいいじゃない?〗

『そうです。そのままでいいと思います』

〖『うふふ⋯』〗

ジ、ジーニ様、フゥ!りょ、両側を固められちゃいました!

「お、おいちゃん⋯」えぐっ

助けて

『サーヤ、すまん⋯』くっ

おいちゃんは諦めた!

そ、そんな~


『それでぇ?何か思いついたかしらぁ?』

結葉様、くすくす笑ってる!絶対わざとだあ!


『そうねぇ。この人数なら、鍋物とかもいいわよね?それなら、白菜とか、水菜とか、サーヤは苦手だけど春菊とか、欲しいわよね?』

おばあちゃんは、何にも気づかずに話し続けます。

でも、おなべ⋯たべちゃい。春菊は、いらないけどぉ


「ちょりにくだんご⋯しゅいぎょうじゃ⋯ろーりゅきゃべちゅ」じゅるり

『あっサーヤ!お前まで!』

「ふあっ!」

つ、つい⋯でも、お鍋食べたい


『鶏肉団子に、水餃子に、ロールキャベツ?なら、にらにキャベツ、あと、生姜も欲しいわね。にんにくより体が温まる気がするし』


キランッ


「『あっ』」


『体があったまるの?いいわねぇ。他にはないのぉ?そういうの。くすっ』

結葉様が⋯!


『体があったまるもの?おでんとかしたいわねぇ。そうすると、大根とか、あっ!こんにゃくあるといいわねぇ。体の中綺麗になるし。練り物は、白身のお魚とかあればいいんだけど、海のお魚とかはないわよね?』


ギランっ

〖体の中を〗

『きれいに⋯』


『「あっあっ」』

ジーニ様たちがぁっ


『なんにしろ、体を温めるのはとても大事だから、長ネギ⋯とかあるといいわよね。とろけるくらいのがいいわねぇ』

おばあちゃん、気づいて~危険があ


『あと、ねばねばとか、ぬめりのあるものなんかも体にいいわよね。レンコンとか里芋とか。あと、子供には注意しないといけないけど、唐辛子とか?タレにはごまとか使えるといいわね。サーヤの好きな黒豆は煮汁まで体にいいしね』


ギラギラっ

〖『そう⋯』〗


『「ああああ」』

おいちゃんとサーヤの声がハモります。


『私は果物も好きなんだけどぉ、果物じゃ体冷えちゃうかしらぁ?』

結葉様、そろそろ止め⋯!


『そんなことは無いわよ?寒い地方で取れる果物は体を温める効果があったりするわ。リンゴとか、みかんとか、さくらんぼに、ぶどうとか。ジャムとかにしても美味しいしね。サーヤはイチゴジャム好きよね』

「あ、あい。すち」

でも、おばあちゃん、そろそろ⋯


〖あらあらまあまあ、サーヤ?どうしたの?顔色悪いわよ?〗

「お、おばあちゃん⋯」

気づくの遅いよ

「あ、ありぇ⋯」

『あれ?』

おばあちゃんがサーヤの目線を追うと⋯

『あ、あら?あらあらまあまあ?』


ギンギラギンッ

〖うふふ?ぜぇんぶ、作りましょう?〗

『ええ、そうですね。必要だと思います』

〖『うふふ』〗

うきゅあああっ美の探求者たちがあああっ


『あらあらまあまあ?でも、お味噌とか、お醤油とかないと、ねぇ?』

『え?お、おう。そうだな?』

あ、あれ?おばあちゃん、怖くないの?おいちゃんもびっくりしてますね?


〖そうなの?それも体にいいのかしら?〗

『サーヤとゲンさんも口癖のように言ってますよね?』

あ、あれ?ジーニ様たちのギラギラが少し収まった?


『うふふ。さしすせそ、よ。日本料理は奥が深いのよ。砂糖、塩、酢、醤油、お味噌。少なくともこれは必要最低限、必要ね。加えて、みりんやお酒なんかもあるといいわねぇ。お出汁は見つけたんでしょう?』

お、おばあちゃん、なんともないの?


『あ、ああ。青葉の精霊樹が鰹節をくれたんだ。昆布やキノコも見つけたぞ』

『そう。それならお出汁を使って、醤油やお味噌を控えられるわね。塩分の摂りすぎはだめだもの』

おばあちゃんが切々と語ります。


おいちゃんが、

『な、なんか肩透かし食らったような気が⋯』

とか、ぶつぶつ言ってます。サーヤもだよ~。


『胡椒はあると聞いているから、後の調味料は少しずつ増やしていけばいいんじゃないかしら?ケチャップなら、そんなに材料要らないはずよ。ソースは少し材料が多くなるかしら』

お、おお~さすがおばあちゃん!


『そして、早いうちに完成させたいものが私にもあるわ!』

あ、あれ?なんか、雲行きが?


〖り、凛がそこまで言うもの?〗

『な、なんでしょう?』

ごくっ

み、みんなが喉ならしてる?

いつの間にかみんながおばあちゃんに注目です。


『凛、それはなぁに?』

結葉様は、絶対面白がってるね。おめめと、お口が、うぷぷってしてます。


『それはね?』

〖『それは?』〗

ごくっ


『カレーよ!』

ちゅどーん!


「かりぇー」

『あ~そういや、凛さんはカレーにハマってたな』

たしかに~。カレーライスに、カレーうどん、カレー粉を使ったお肉料理、色々やってたね。じゅるり。サーヤも好き。


『『〖かれー??〗』』

あっ⋯みんなが謎の言葉に置いてかれてる~。ごめんね?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

本編再開しました。よろしくお願いします。でもね、すぐお正月が⋯

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