第399話 建設予定地?

おばあちゃんの大暴れもひと段落。

『ずるいわ~ずるいわ~』ぶつぶつ

『『『ひいっ』』』


ドワーフさんたちのお名前は親方たちに丸投げです。

『おい!』

頑張ってね~。


さて、名付けは終わりました!ので、


『みんなでドワーフさんたちの集落になる所を、見に行きましょうかぁ』

っていう結葉様の思いつきで、みんなで見に行くことにしました。


「とれちゃんたちちょ、ごらちゃん、おてちゅだいちてくれちゃんだよにぇ?」

『ええ。そうですわ。大地とゴーレムたちも手伝ってくれましたわ』

『ご主人も手伝ったけどにゃ。ご主人と大地が気の毒になったにゃ~』

あ~なんか、言ってたよね⋯

落ち込むアイナ様たちをよそに


みゃ~『おやかた~みんにゃ、わかくなったにゃ?』

ココロが親方の肩に収まって話しかけてます。

『そうだぞ。なんか、力がみなぎってるな。今ならミスリルも素手で崩せたりしてな!ガハハハ』

『あんた、なんかシャレにならない気がするよ』

たしかに、有り得るかもしれない。何しろおいちゃんのような規格外な前例もあるし⋯


『なあ、親方。その肩のはチビだよな?』

『ちびちゃん話せるようになったのかい?』

新しく来たドワーフさんたちがココロに気づきました!


チッチッチッ!

みゃ~『チビじゃにゃいにゃ!いまはココロにゃ!さーにゃにゃんにつけてもらったにゃ!よろしくにゃ!』

親方の肩の上で立ち上がって、指をチッチッチッ!ってするココロ!


『驚いたね~』

『寝てばっかりだったってのに』

『ニャーニャみたいに喋って動いてるね』

ドワーフさんたちびっくりしてますね


みゃ~『もうねないにゃ!さーにゃにゃんが、びょうきなおしてくれたにゃ!』えっへん!


ココロが胸を張って言うと、とたんに

『『病気だって!?』』

ぐりんっ!

「うにゃ!?」

ドワーフさんたちの目が一気にハクの背中にいるサーヤにきたよ!?


『私も病気に気づかなかったのですけど、サーヤちゃんが、ココロに名前をつけて契約してくれたので、病気は治りましたわ』

『もう大丈夫にゃ』

アイナ様とニャーニャにゃんが簡単に説明してくれます。


『そうかい。ありがとうね』

『ああ。感謝するぜ』

ドワーフさんたちが、ありがとうしてくれます。頭もなでなでしてくれます。

「あい!」

あんまりありがとされると、照れちゃうね~。くねくね

『くねくねだね』

『やわらかいね』

『サーヤ~落ちないでね~』

「あい」

ごめしゃい


『おう!ついたぞ!』

大工のおっちゃんこと、琥珀のおっちゃんがみんなに教えてくれます。そこは⋯


「まっちゃいら」

『あらあらまあまあ、ほんとねぇ。見事に真っ平らな更地ね』

おばあちゃんと一緒に呆然とします。ここ、森だったよね?


『オレは前に見たな。これ』

おいちゃんが、余裕発言です。


『あははは⋯』

『にゃははは⋯』

『『はぁ~ぁぁ⋯』』

アイナ様とニャーニャにゃんが疲れきったため息?ん?


「だいちゃん、ちんでりゅ」

お手伝いしてたはずの大ちゃんが、更地の端っこで倒れてます。ゴーレムさんとゴラちゃんがおっきな葉っぱで仰いでくれてます。


『にゃははは⋯』

『無理もありませんわ。あの、大地が私に助けを求めてきましたもの⋯』

だいちゃん、あんまりおしゃべりしないもんね。それなのにアイナ様にお願いしたということは、よっぽど酷かったんだね。


アイナ様たちが、何があったか教えてくれます。



『⋯アイナ様。助けて。僕の手に負えない』

アイナ様とニャーニャの元にふらふらの大地がやってきました。


『ドワーフさんと一緒に行ったはずの大地がふわりと現れましたの』

『もう、顔面蒼白みたいな感じだったにゃあ』

はあーとため息混じりに色っぽさを滲ませながら話すアイナ様に、うんうんと頷きながら相槌を打つニャーニャにゃん。

「ほえ~?」

大ちゃんがそんなになるなんてよっぽどだったんだね~。

『それでですね⋯』



『⋯もうさ?トレントとマンドラゴラがさ、黙々と働いてくれてさ?あっという間に木は歩いて移動するわ、自ら木材になって、一箇所に積み上がっていくわ⋯マンドラゴラは薬草やらなんやら移動したり採取してくれたりさ?至れり尽くせりってこんな感じ?とか、思ってたんだけどさ』



めったに喋らない大ちゃんが、それはもう、悲壮感漂わせて言ってきたんだって。


『もう、面白⋯気の毒なほどやつれた感じで言ってきたのですの。あの、大地が』

『これぐらい大したことないんだけどさぁって言いながら、ヘロヘロだったにゃ~』

大ちゃんの印象って⋯さっきから、『あの』って言われてるねぇ。それに、面白いって言おうとしたよね?

『それでにゃ?』



『⋯僕もさ、手伝いを買って出たからにはさ、仕事しようと思ってさ、遅ればせながら、ゴーレムと一緒に石とかどけ始めたらさ?おかしいんだよ。触った石から伝わる波動もおかしかったんだけど、足の下がもぞもぞ、ぞわぞわ?』



ふむふむ。大ちゃんは、なんか変な感じを感じたんだね~?

お話しながら、現場に行くと


『それはもう、生き生きと指示を出す琥珀と、生き生きと働くトレちゃんたちがいたのですの。ですが⋯』

『その足元からはただならぬ気配がバシバシ伝わってきたにゃ~』

「ほえ~」

そのあたりは、軽く聞いてたような?でも、大ちゃんが倒れてるのは何でかな?

『それはですね⋯』



『⋯ね?木があった時には気づかなかったんだけど、⋯ううん、もしかしたら、本能的に見ないようにしてたのかな?なんか、やばい気がするでしょ?』



顔をひくひくさせながら、大ちゃんが言ってきたんだって。その時点でさすがにアイナ様たちも


『もう、恥ずかしながら、冷汗が吹き出しましたわ』

『苦笑いしか出なかったにゃ~』

『あはははは⋯』

『にゃはははは⋯』



『⋯僕もさ、見てみるけど、怖いから一緒に見てくれないかな~と思って、この下』



大ちゃん、ひとりじゃ嫌だったんだね。アイナ様たちを巻き込んだんだ~


『まあ、もう見ない訳にはいきませんし、怖かったのですが、怖かったのですが、精霊眼を開いて見たのですわ』

『ニャーニャと、大地をまきこんでにゃ』じとぉ~

「ほえ?」

じとーっとアイナ様を見るニャーニャにゃん。

『なんのことですかしら?』

と、とぼけるアイナ様に


『⋯視界共有を使ってきたんだよ。僕とニャーニャに』

そこで寝込んでるはずの大ちゃんから声が聞こえてきました。

「ほえ?」

しかいきょーゆー?なぁに?

ところで、ゴーレムさん、じめんに寝たままの形でだいちゃん持ってきたんだね。

ゴーレムさんのおっきな両手をベッドにしてさっきと同じかっこのだいちゃん⋯

ゴラちゃんも一緒に乗って、まだ葉っぱであおいでくれてます。


『⋯強制的にアイナ様が見えた景色を送り込んできたんだよ』

『そうにゃ。とつぜん目の前がキンキラになって目が潰れるかと思ったにゃ』

『⋯思わず、地面に崩折れたよね』

『寝たにゃね』

げんなりと言う大ちゃんとニャーニャにゃん。

アイナ様、そんな事したの?


『だ、だって、私だけだなんて不公平ではないですか!こういうことは分かちあわないと!』

必死に訴えるアイナ様にジト目の大ちゃんと、ニャーニャにゃん。ありゃ~


『⋯まあ、そんなわけで、かなり下の下の下まで、色々埋まってるのが分かってさ』

『大地とゴーレムたち、それからトレちゃんたちにも手伝ってもらって、掘り出したんにゃよ』

だいちゃんとニャーニャにゃんが説明してます。そこに

『私も手伝いましたわよ!』

アイナ様必死のアピールするも

『『当然(にゃ)』』

『ひどいですわっ』

一蹴されました。あ~あ。


『⋯そんなわけで、出てきた石はそっちだよ。好きに使って』

『たくさんあるにゃ』

そう言われて見た先には


「はく~。あんにゃおやま、あっちゃ?」

『ぼく、知らないよ~。お父さんは?』

『私も知らないな』

だよね?


ドラゴンの姿になったアルコン様くらいのお山がぼこぼこぼこ。他にも小さいお山がぽこぽこぽこ。


『⋯ここ、へこんじゃったから、土作って入れといたよ』

『にゃんにゃら、畑とか作りたい、いい土にゃよね』

『まあ、私たち三人で作った土ですからね』

うわ~


『⋯ぼく、しばらく力使いたくない』

『ニャーニャもにゃ~』

『私もまたしばらく目を閉じますわ~』

うわ~あああ⋯燃え尽きてるぅ


次第にみんなの視線がアルコン様に

『な、なんだ?』

なんだじゃないよね~?


ぱたぱたぱたぱた


あっモモとスイが⋯


ぴたっ

ぴゅいきゅい『『おとうしゃん、ダメダメ~』』ふりふり

『うぐっ』


あ~あ。わざわざアルコン様の顔の前で⋯

その手のひらを上に向けて、首フリフリ⋯

おばあちゃん、しこみましたね?

『あらあらまあまあ?なんのことかしら?』

じーっ 絶対おばあちゃんだ~


ぴゅいきゅい『『ださださ~』』ふりふり

『うううっ』ずしゃあっ


あ~あ⋯


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございますm(_ _)m

明日から、ちょっと番外編いきます。

よろしくお願いしますm(*_ _)m


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る