第394話 そういえば⋯

じ~いいいいい

じ~いいいいいい


『なに?この状況』

『さあ?にらめっこ?』

フゥ、クゥ、お静かに

『『⋯はい』』


クゥのお膝に座って、おばあちゃんの脇の下を持って、同じおめめの高さにして、じい~いいです。


『これ、持ち上げる必要あるか?』

おいちゃん、じっと見るのは大事なんだよ。

『足が着いてるわよねぇ』

結葉様、それは気のせいだよ。

〖可愛いからいいのよ~♪〗

ジーニ様はいつも通りです。


じい~いいいい


「うにゅ~」

『サーヤ、なんか見つけた?』

『おばあちゃんに穴が空きそうね?ヒントはあった?』

フゥとクゥが期待を込めて聞いてきます。が、どこをどう見ても、


「りっぱにゃ、くましゃんにょ、あみぐりゅみ」


ガクッ

『まあ、そうよね』

『くまのあみぐるみだよな』

だよね~?


『あらあらまあまあ。ダメねぇ。想像力を膨らませなきゃ』

おばあちゃん、それは


「むり、でしゅ。くましゃん」

あうう~


『なあ、人間の姿のおばあちゃんはどんなだったんだ?』

『そうよね?くまさんは仮の姿なんでしょ?』

フゥとクゥが意外なことを言ってきました。


「うにゅ?」

『あらあらまあまあ?』

『なんで、今まで気づかなかったんだろな?』

ほんとだね~?


「おばあちゃん、びじんしゃん。おしとやか?に、みえりゅ。(だまってれば⋯)」


『あらあらまあまあ?おしとやかな美人?嬉しいわぁ。でも、サーヤ?最後何か言った?』

ぶんぶんぶん。言ってないよ?

『うふふ、そう?』

こくこくこくこく。そうだよ。


『う~ん、和服が似合う、美人さんだよな?普段着から、それこそ十二単まで似合いそうな。しとやかって言うか、清楚っていうか、雅な感じもあるよな?(黙ってれば)』


『あらあらまあまあ。清楚で雅な和服美人だなんて。ほめすぎよぉ。でも、ゲンさん?あなたも何か言ったかしら?』

『い、いや?言ってないぞ』

ぶんぶんぶんぶん

『そうかしら?』

『あ、ああ』

ダラダラダラダラ


『へえ、凄い美人さんなんですね』

『うらやましいですね』

そう、(一見)おしとやかな美人さんです。


「みんにゃ、ふりかえりゅ。びじんしゃん。でみょ、おむにぇ、おっきいちと、うりゃやまちい、ゆってちゃ」

『スレンダー美人だったからな。胸ありすぎると着物は似合わないって言うしな。おばあちゃんはむしろ』

「ぺちゃ⋯」

はっ!ぱしっ!お口チャック!

『ぺったんこ⋯』

はっ!しまっ⋯


ドゴーン!


『うわあ!?』

『飛んでった!?』

「おいちゃ~ん!」

あ、あぶなかった⋯


『あらあらまあまあ?どうしたのかしらね?不思議ね?ねえ?サーヤ?』


「あ、あい。ふちぎ⋯」

だらだらだらだら


『な、何が?』

『さ、さあ?』

フゥ、クゥ、知らなくていいんだよ。


〖凄いわねぇ。武神もびっくり?〗

〖さすが、師匠の想い人。只者でありませんね〗

〖私、ヒットした瞬間見逃しましたわ〗

『大丈夫よぉ。ジーニ様のことだものぉ。きっと撮影されてるわぁ』

〖〖ああ。確かに〗〗


〖もちろん♪あるわよ♪〗

あるんだね


『結葉様、それはそれで、ゲンにとっては不幸なのでは?』

『さすがに同情するぞ。ゲン』

神様たちは、見えたみたいだね~おばあちゃんの回し蹴り⋯

アルコン様にまで同情されてるよ。


『うふふ。私は、少々スレンダーなだけよ?でも、みんなが振り返る美人だなんて。サーヤは嬉しいこと言ってくれるわねぇ。いい子ね?』

「あ、あい⋯」

お口チャック、お口チャック⋯


『でも、今はどうなったんだろ?』

『あっ、そうよね?体は天界にあるんでしょ?』

「う?」

そうだよね?


『サーヤの姿は、髪の色も目の色も変わったんだろ?』

『若返ったしね?』

「あい」

おばあちゃんは?


『あらあらまあまあ?そう言えば?もしかしたら、こちら仕様の、うらやまけしからんバディに近づいたりしてるかしら?』

え?そうなの?


みんなでジーニ様たちの方を見ると⋯


〖〖〖え?〗〗〗

ビクーッとする神様三人⋯怪しい


じいいー


〖え、ええと、そうね?若返ってはいるわね?〗だらだら

〖は、はい。お母様。サーヤに名前をつけてもらえば、更にゲンのようになるかも?〗だらだら

〖か、髪と目は、サーヤと同じ色でしたか?〗だらだら

〖〖そ、そうね〗〗

だらだらだらだら


『あらあらまあまあ。私も若返られるの?嬉しいわぁ。それで?』にこにこ


〖そ、それで?えっと、ゲンとサーヤの言う通り、とっても美人だったわよ〗

〖は、はい。日本の神様も、大和美人って仰ってましたわ〗

〖大変、お美しいですよ〗

だらだらだらだら


『あらあらまあまあ~そうなの?』にこにこ


こそっ

〖ちょ、ちょっとゲンの二の舞は嫌よ〗

〖で、でも、たしか日本の神様は、若返るのはむしろ好ましいが、容姿はそのままが美しいから、そのままでと⋯〗

〖髪と目だけは魔力に引っ張られて黒髪から銀になりましたが、それすら残念がってらしたそうですから、それ以外は⋯〗

ハッ!


ギギギギギギ⋯

何かを感じ、恐る恐る下を見る神様三人。そこには⋯


ぴこぴこぴこ


〖み、みあ?何してるのかしら?〗

〖な、なんだかお耳がぴこぴこしてませんか?〗

〖してますね⋯あっ〗


ぺこり『⋯』


〖〖〖まっ、まって⋯っ!〗〗〗


ぴっこぴっこぴっこぴっこ

ぼそぼそぼそぼそ


〖〖〖あああっ〗〗〗


ずしゃあっ

「お、おばあちゃ~んっ」

な、なにを聞いたの?

『『ああっ?しっかり!』』

倒れたおばあちゃん⋯が、

ゆら~り

起き上がった⋯


「お、おばあちゃん?」

『『だ、大丈夫ですか?』』

サーヤとフゥとクゥで声をかけたけど


ゆら~り

『あらあらまあまあ、うふ、うふふふふ』


「あわわわわわ」

き、聞こえてない?こ、これは

『『なに?なに?』』

キケンキケンっ


ゆら~り

『そう⋯日本の神様が⋯そう⋯』


〖あ、あのね?ほら〗

〖日本の神様には、御恩がありますので⋯〗

〖そうなのですよ。流石の主神も私達も、なにも⋯〗

わたわたする神様たち⋯エル様まで


『あらあら、離れた方が良さそうねぇ』

『お母様、何を楽しそうに』

『そう言いながら、ご主人も動きが速いにゃ』

ススス~と神様たちから離れる皆様


ゆら~り

『問答無用!』

しゅぱっ


「うきゃー!おばあちゃん!?」

『『ぎゃーっ?』』

おばあちゃんが飛んだー!


くるんっペシッペシッペシッ!

〖いた!?〗

〖きゃあ!?〗

〖うわ!?〗

ああ~


思わず、目をつむっちゃったけど、恐る恐る開けてみると


「うにゅ?」

『あ、あれ?』

『ぶ、無事?』

神様たち、ちゃんとその場に立ってました。

おいちゃんは飛んでったまま戻ってこないのに?


『な、なんでおでこ押さえてるのかしら?』

『あっ、ほんとだ。なんだ?』

「う?」

ほんとだ。倒れてないけど、三人ともおでこ押さえて、おめ目ぎゅってしてます。


じーいいいいい


「あっ!」

おでこ!

「うさちゃんまーく!」

しかも、両足バージョン!!


おばあちゃんの手を見てみると、みあちゃんが、バタバタもがいてました。

「ふあ~?」

『み、みあちゃんが犠牲に⋯』

『いや、死んでないだろ』


『た、助けて』バタバタっ


『うふふ。神様相手じゃ仕方ないものね?助けてもらったわけだし⋯うふ、うふふふふ』

お、おばあちゃん⋯十分やらかしてると⋯


〖〖〖た、助かった〗〗〗

ずるずるずる

あ~、おばあちゃんが

「ごめしゃいごめしゃいっ」

拝んでおかなきゃっ

〖〖〖拝まないで⋯〗〗〗

ごめしゃいごめしゃいっ

おて手、合わせてすりすりっ


『それで?』

「うにゅ?」

なんですか?フゥ

『なんかヒントはあったか?』

なんのですか?クゥ

『『名前のヒント』』

「ふあっ?」

そ、そうだった⋯ヒント、ヒントあったっけ?

おいちゃんといっしょに飛んでっちゃったよ⋯だって


ちらり


『うふ、うふふふふふふふふ』

『は、離して』ばたばたばたばた


おばあちゃん、もう、許したげて~しくしく


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。

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