第374話 寝るお時間です

ちびっこたちは、おやすみなさいのお時間です。

お気に入りの、おばあちゃんが作ってくれたパジャマにお着替えしました!編みぐるみのくまさんもスタンバイオッケーです!


「おふちょん!」ぼふんっ

ふわふわのお布団に、くまさんと一緒に、ぼふんっです。


『サーヤ、お布団潰れちゃうわよ?』

「あい。ごめしゃい」もぞもぞ

フゥお母さんに怒られちゃいました。

『サーヤ?』

なんですか?


みんなでそれぞれ自分のお布団に潜り込みます。でも


『姫もお布団、欲しいのだ~』

そう言えば、そうだね?

「いっちょ、ねんねしゅりゅ?」

まだ姫ちゃんのお布団ないよね?


『サーヤちゃん、だいじょうぶにゃ!』

「う?」

だいじょうぶ?


『はい。安心してくださいませ。姫ちゃんには、おかみさんたち特製のカゴと』

きゅるる『さっき作ったお布団』


「ふお~」

お~!さすがです!もう用意されてました!可愛いカゴのお布団です!


『うれしいのだ!ふかふかなのだ!ありがとうなのだ』

姫ちゃんも大興奮です!


『どういたしましてですわ』

『作ったのはおかみさんたちだけどにゃ!』

『うっ。それは、そうですけれど』

きゅるる『気に入ってもらえてよかった』


『寝るの楽しみなのだ!』

姫ちゃん、よかったね!


〖さあ、じゃあ、姫のお布団問題も解決したところで、みんなの石を用意してね〗

「あ~い」

『は~い』

ぴゅいきゅい『『ここに』』

『『あるよ!』』

『『『よいしょ』』』

ジーニ様がサーヤの頭ぽんぽんしながら言います。みんなそれぞれ準備オッケー!

姫ちゃんは石ちゃんだから、サーヤのところに飛んできました。

これから寝る前の大事なお仕事、みんなで石ちゃんにご飯をあげます。


〖じゃあ、みんな楽にして、魔力を循環させてね。ゆっくり丁寧に、隅々までね〗


みんな、無言で集中です。大事な練習です。おへその下、丹田~からの~、ぐるぐる~。


〖うん。みんな上手よ。それじゃ、みんなの石にも力をあげましょう〗


石ちゃんにも~ごはん~。サーヤは、まず姫ちゃんから。姫ちゃんをお手てに乗せてます。


『ふわぁ~姫もポカポカしてきたのだ~』

姫ちゃんも、姫ちゃんのネックレスも光ってます。


『そうよねぇ。姫は守り石の精だものねぇ』

姫ちゃんの声に結葉様が納得しています。


『気持ちいいのだ~。姫は、今日はもう大丈夫なのだ。次はそっちの番なのだ』

「ふえ?」

そっちの番って、今日もらった石ちゃん?でも、指さしてるのは?あれぇ?


〖姫?どれのこと?今日、アイナが持ってきてくれた石じゃなくて?〗

ジーニ様も不思議そうです。

だって、姫ちゃんが指さしているのは⋯


『何言ってるのだ?それなのだ。サーヤのくまのぬいぐるみなのだ』

姫ちゃんが眉間にしわ寄せてます。なんか怒ってる?


「ひめちゃん?」

くまさん?くまさんに石ないよ?

〖ええ?〗

『どういうことぉ?』

ジーニ様と結葉様も、みんなも訳分かりません。


隣でねんねしてたくまさんを持ち上げて、色んな角度から見てみたけど、石なんてありません。


『中なのだ。中に入ってるのだ』

なんで分からないのだ?と言わんばかりの姫ちゃん。

『今日の小さい石は、その小さいうさぎにあげればいいのだ。あれは光属性の石なのだ』

えええ?今度はポシェットのうさちゃん?次から次へと?


『あ、こ、これ、サーヤ』

「あ、あいがちょ」

フゥが慌ててポシェットを持ってきてくれました。



〖姫、サーヤのくまのぬいぐるみにはどんな石が入っているのですか?〗

いつの間にかエル様やシア様、大人たちが来てました。

後ろで心配そうにしている山桜桃ちゃんと春陽くんが、呼んできてくれたみたいです。


『サーヤと一番、相性の良い石なのだ。サーヤを守ってくれてるから、そちらにも力をあげないのはかわいそうなのだ。なんで、あげないのか不思議だったのだ~』

気づいてなかったのかと呆れてる姫ちゃん。

でも、見えないから仕方ないよね?


〖ねぇ、アイナ見える?〗

ジーニ様がアイナ様に聞きます。すると、アイナ様の目がくまさんのお腹の辺りをじーっと見て

『⋯たしかに、何かありますわね。ジーニ様、周りの魔力が見えないようにシールドを張っていただけますか?』

『ご主人、まだ目が慣れないにゃ?』

『ええ。周りが眩しいので、精霊眼は徐々に開いているのですが』

そうか、聖域は眩しいって言ってたね。


〖分かったわ。サーヤの近くに行ってくれる?サーヤとアイナだけ囲うわ〗

『はい。かしこまりましたわ』

アイナ様が近くに来ると

『サーヤちゃん、ジーニ様がシールドを張って下さったら、少しずつ魔力をくまさんに流していただけますか?』

「あい。わかっちゃ~」

魔力を流せばいいんだね。

『お願い致しますわ』


〖じゃあ、張るわよ?シールド〗

『サーヤちゃん』

「あい」

魔力を送ります。ごはんをどうぞ~。あれ?なんか、今までより何だか吸われてる?気がする?


『⋯あっ。ありますわね』じーっ

ほんとにあるんだね~?やっぱり、吸われてる気がするの気のせいじゃなかった?


『アイナ、どんな形してるか分かるぅ?(もしかしたら⋯)』

『お母様?(ハッ!ごくっ)⋯そうですわね。キレイな丸い石のようですわ』

『そう。ありがとう』

『⋯はい』


自分の頭の上で、そんなやり取りがあったなんて知らないサーヤ。


〖サーヤ、大丈夫?いつもより沢山流してるわよね?〗

いつもなら、もう終わってる頃なのに、中々終わらない。


「あい。にゃんか、たくしゃん、しゅってりゅ」

〖いつもより吸ってる?〗

「あい。おにゃか、しゅいちぇりゅ?」


ちらっとアイナを見ると⋯

『⋯⋯』

なんだか、見ちゃいけないものを見ているような顔をしてるわね。何が起こっているのかしら?サーヤの魔力はまだ大丈夫そうだし、今は見守るしかないわね⋯

〖そう。無理はしちゃだめよ〗


「あい」

あとちょっとな気がするよ。


みんなが緊張して見守る。ハクたちも心配そうに、でも静かに見守っている。

どの位経ったのか、時間がいつもより長く感じる。実際にはそんなに経っていないのかもしれないが⋯しばらく見守り続けると


「じーにしゃま、あいなしゃま、もうごちしょうしゃまいってりゅ」


『は、はいですわ』

〖そう。じゃあ、ゆっくり力を止めましょう〗

「あ~い」

ふぅ~

やっと終わった。サーヤに話を聞こうとすると、


『サーヤサーヤ、こっちもなのだ!』

〖姫?〗

またなの?


「ほえ?」

姫ちゃんが持ってたのは、昼間の小さいけど質のいいと言われた石ちゃん。けど~

「にゃんで、うさちゃんみょ?」

そう、なぜかさっきフゥに持ってきてもらったポシェットの、ストラップのうさちゃんに押し付けてるのです。


「この子も欲しがってるし、石も入りたがってるのだ!」

「ふあ?」

どういうこと?

『いいからはやくなのだ!』

「ふえ~?」

ジーニ様?どうしたらいい?


〖お母様。姫がこれだけ言うのですから、何かあるかもしれませんね〗

〖シア⋯そうね。医神もそう思う?〗

〖ええ。姫の言う通りにした方がいいかと〗

〖そうね。サーヤの魔力はまだ余裕があるし、サーヤやってみましょうか〗


神様たちが言うなら~

「あい。じゃあ、やってみりゅ~」

新しい石ちゃん、ご飯ですよ~

石ちゃんに魔力を流すと


『光ってきたのだ。もう少しなのだ~。えいっ!なのだ!』


「ほえ?」

〖〖〖はあ?〗〗〗

『ええ?』

『な、なんにゃ?』

えええ?今?


『お父さ~ん、今~?』

ぴゅいきゅい『『はいっちゃった?』』

『あ、ああ。そうだな』

『入ったな⋯』

みんな、ぼう然です。姫ちゃんだけが


『うまくいったのだ~♪これでこの子も満足なのだ~♪』

って、喜んでます。


「ふええ?」

〖〖〖えええ?〗〗〗

ええええええええええええっ?

みんな、大絶叫です。


『よかったのだ~♪』

姫ちゃん、うさちゃんの手をとって踊ってないで、説明してください。


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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