第353話 アイナ様とニャーニャにゃんは、やっぱり⋯

あっちでもこっちでも色々やらかしてる面々⋯普通さんやら自重さんはいつでも旅行中です。

帰って来る時はあるのでしょうか?

やらかさないためには?


〖さて、アイナ。今更だけど空の魔石出してくれるかしら?〗

ジーニ様がアイナ様に言います。


『かしこまりましたわ。見つけたものはこちらですわ。あとは私が作り出そうと思っておりました。如何致しますか?』


泉のそば、いつもの緑の広場で魔法教室です。

ドワーフのおっちゃんがサクサクサクッとテーブルとベンチを作ってくれました。ちゃんと折りたたみ式です!

『俺は大工が専門だからな!これくらいは朝飯前だぜ!』

だそうです。


「おっちゃん、かっちょい~」パチパチパチ拍手です。

『すご~い』

ぴゅいきゅい『『かっこいい~』』

『『はや~い』』

『『『じょうず~』』』

みゃ『さすがにゃ』

パチパチパチパチっ


『よ、よせや~』

お帽子でお顔隠しちゃいました。あれぇ?

『ぷッ照れてやんの』

『可愛い子に褒められるなんてそうないからね』

『そうだね~』

おかみさんたちがそれを見てからかってます。

『う、うるせえ!』

ありゃりゃ?真っ赤っか?


パンパン!

〖はいはい。そこまでにしといてあげて〗くすくす

ジーニ様が手を叩いてみんなを静かにさせました。


今回はぽぽちゃんたちと、トレントとマンドラゴラを代表してトレちゃんとゴラちゃんも参加です!あと、妖精さんたちも森の動物さんたちも。これから大事な練習だもんね!がんばろ~!


テーブルの上には魔石がいっぱい。キラキラです。でも今回はちょっとだけ色がついたものもいくつかあります。とってもキラキラです!


「ふあ~あ!きりゃきりゃ~♪」

〖色々あるわね。流石ね。アイナ〗

うんうんって満足気に頷くジーニ様です。だってとっても沢山あります!


『ありがとうございますですわ。ちなみに私が作るとこんな感じですわ』

そう言って土で作り出した器の中にパラパラパラパラっと真珠みたいな形と大きさの石を出してくれました。


「ふお~」

『きれいだね~』

ぴゅいきゅい『『まんまる~』』


〖アイナ、これは?〗

ジーニ様もこんな直ぐにアクセサリーにできる形で出てくるとは思わなかった。って驚いてます。


『これは以前、ドワーフの皆さんと研究をしまして、作り出したものですわ』


『ああ、あれか』

『アクセサリーにして魔法タンクにしようってやつだよね』

『ああ、上質の魔石に魔法を入れておけば、とっさの時に一度だけでも助けになるんじゃないかってやつだね』

『これなら自分が使えない魔法も、他の人に入れてもらえば使えるってね』

『そうにゃ!あの時は画期的な発明だと思ったにゃ!』

ドワーフさん達とニャーニャにゃんが口々に言います。

すごい発明です!でも?なんか言い方が?


『そうですわ。それで、この大きさなら加工しやすいとなったのですわよね』

『そうにゃ!ただにゃ~』

『使うことがなかったんだよな』

『そうそう。何せ平和な村だしね~』

『魔物出たって、大抵腕力で解決出来ちまったしね』

『宝の持ち腐れってやつだね』

うんうん。ってみんなが頷いてます。


「ほえ~」

そうなの?

〖そ、そう。でも、正に私達が考えてたことよね。これ〗

『すごいわねぇ~。私たちより随分先に魔石の有効性と利用法に気づいてたのねぇ』

ジーニ様と結葉様も感心してます。


『これは一番小さいタイプですわ』

『色んな形と大きさを色々作らされたからにゃ~』

『そうでしたわね~』

なんか、二人で遠いお目目でお空を見てます。目尻にキラリと何かが光ったような?


『あ~、あんときゃ悪かったよ』

ガリガリ頭を搔くおっちゃん。

なに?何かやっちゃったの?


『だってね~ほら』

『ついつい楽しくてね~』

『そうなると、あれもこれもって、ね~』

ほっぺたをポリポリするおかみさんたち。

やっぱり何かしちゃったの!?


『いいのですわ⋯三日三晩寝ずに付き合わされたことも、今回報われそうですわ』ほろり

『ほんとにゃね~』ほろり

三日三晩!?


『『『だから、悪かったよ』』』

ほっぺたをまたポリポリするおかみさんたち。


『いいのですわ⋯』ふっ

『昔のことにゃ⋯』ふっ

い、一体何があったの?


〖なんか、色々あったみたいね~〗

『アイナちゃんは昔から、なんでかこうなるのよねぇ』ふ~ぅ

え?結葉様がそれ言っちゃうの?


『『お母様(結葉様)だけには言われたくない(にゃ)ですわ!』』

だよね~?


『えぇ~?なんでぇ?』

結葉様⋯


『『うわ(にゃ)~あぁぁ』』

あ~アイナ様たち泣いちゃったぁ


〖あ~うん。なんか、分かったわ。大変だったわねぇ〗よしよし

ジーニ様がテーブルにつっぷしちゃったアイナ様たちの頭をなでなでして慰めてます。


『『うわ(にゃ)~あぁぁ』』

な、なんか、かわいそう。ぐすっ


『だから悪かったって⋯』

『『『悪かったよ⋯』』』

『ええ~?』


謝るドワーフさん達に、訳分からないという結葉様。

アイナ様、ニャーニャにゃんも苦労してるんだね。ぐすっ


『アイナ様たち、なんか、分からないけんど苦労してたんだなぁ』

『兄ちゃん、なんか、かわいそうなんだな』

『あいなさまたちには、やさちくちなきゃなんだな』

ぽぽちゃん兄弟も何か感じ取ったみたいです。そうなんだよ。優しくしてあげようね。


『す、すみませんですわ』ぐすっ

『もう大丈夫にゃ』ずびっ

涙を拭うアイナ様とニャーニャにゃん。


『大きさも変えて出せますわよ』にこ

『色々できるにゃよ』にこ

にっこり笑ってくれるアイナ様たち、なんだか、サーヤがウルってなっちゃいます。健気だぁ~うるうる。


〖まったく、アイナもニャーニャも苦労性ねぇ〗

ジーニ様の言う通り!

〖結葉もドワーフたちもほどほどにしてあげて下さいね〗

シア様の言う通り!

〖結葉はもう少し、自覚してください〗

エル様の言う通り!!

神様三人もアイナ様の援護に拍手~!パチパチパチパチ


『え~?ん~分からないけどわかったわぁ』

結葉様?それ、ダメなやつ⋯


『『うううっ』』

あっあっせっかく泣き止んでたのに~


〖ま、まあ、せっかくほら、空の魔石こんなに用意してくれたんだから、ね?〗

〖そ、そうですね〗

〖結葉は後でお話しですね〗

『え~?』

〖オハナシシマショウ、ネ〗ヒュオ~

『は、は~い』

おお!エル様から何か冷たいものが~


〖コホン。じゃあ、この色がついたのは、空ではあるけど元の属性が色濃く残ってるってことね〗

気を取り直して、お話し再開です。


『そのようですわ。例えば赤でしたら火という具合ですわね』

なるほど~


『あとよ、アクセサリーにするってんで、金属との相性も試したんだよな』

ドワーフのおっちゃんが思い出したことを話してくれると、

『そうそう。木は石の力に耐えられなくてね』

『金や銀は加工はしやすいけど、それだけだったんだよね』

『魔力を通すことを考えると、やっぱりミスリルかオルハリコンだったね』

おかみさんたちも何があったか教えてくれました。


「ほえ~」

色々あるんだね~


〖なるほどね。ミスリルもオルハリコンもサーヤのお陰である程度揃ってるしね〗

〖色々出来そうですね〗

ジーニ様とシア様が頷きあってます。


〖サーヤ、どれかサーヤに使ってもいいよって言ってる石はある?〗

石ちゃんとお話出来るサーヤにジーニ様が聞いてきました。


「うにゅ?えっちょ~お、こにょ、きりゃきりゃちてりゅ、おっきいこちょ~」


〖あら、すごいわ。いくつかあるの?〗


「あい。こにょ、きいりょっぽいにょ」

手に取って、サーヤの前に並べます。


『これですか?確かに小さめですけれど、質はいいものですわね』

『そうにゃね、黄色だから光とか癒しとかの気配にゃね』

光?癒し?そっか~。


「あちょ、あいなしゃまにょ、いちちゃん、もちょっと、おっきいにょ、にゃりゃ、だいじぶだよ、いっちぇりゅ」

ね?石ちゃんたち♪


『え?この石たちが⋯ですか?』

『大きいのなら大丈夫って、お話ししてるにゃ?』

あれ?アイナ様とニャーニャにゃん、びっくりしてる?


「あい。ちょっとおっきいにょ、なんこか?」

言ってるよ?


『ええ?ニャーニャ聞こえますか?』

『き、聞こえにゃいにゃ』ぶんぶん


「うにゅ?」

アイナ様が作ったのにきこえないの?ちゃんと言ってるよ?


〖サーヤはね、なんだか石の声が聞こえるらしいのよ。これはダメとか、いいよとかね。ね?〗

「あい」

石ちゃん、壊れちゃかわいそうだもんね


『そ、そうなのですか?』

『すごいにゃね~』

びっくり顔のアイナ様たちです。


「えへ~?」

すごい~?


『ふふっ。わかりましたわ。サーヤちゃんですものね。どんな感じがいいのですか?』

『さすが、サーヤちゃんにゃね。きっと石にも愛されてるんにゃね』うんうん

あれれ?なんか、簡単に納得しちゃった?

『『サーヤちゃんですもの(だからにゃ)』』

「うにゅ?」

そういうもの?


〖ふふ。ほら、サーヤ、石ちゃんはなんて言ってるの?〗

ジーニ様が、石ちゃん待ってるんじゃない?って。


「うにゅ?んちょね?」

そうでした。うんうん。しょっか~


「あにょね?ぐるっちょ、わっか?みちゃいにちて、いりょんにゃ、まほう、いりぇとくちょ、いいよっちぇ」

言ってるよ?


『ぐるっと輪っかですか?』

アイナ様がドワーフさんたちのお顔を見ると、ドワーフさんが何か書き書きし始めました。


「あい。んちょ?」

うんうん。

「このいしちゃんちゃちも、いっちょに、ちゅかってくりぇちゃら、うれちいにゃって」


『この石たちもかにゃ?一緒に使ってくれたら嬉しいにゃ?』


「あい。いりょんにゃちょこ、こっしょり?」


『色んなところにこっそり⋯』

ドワーフさん達がさらに書き書き。


それから~?え?

「もりいしちゃん?おはなち、ちちゃいにょ?」


『『え?守り石?』』


〖え?サーヤ、ちょっと待って。それは青葉たちに貰った守石のことよね?〗

「あい。しょだよ?」


急に出てきた守石にみんながびっくり。それでも、いち早く立ち直ったジーニ様が、青葉ちゃんたちの方を見て


〖青葉たち、ちょっと来てくれる?〗

みんなを呼びました。


『は、はい』

『『『なんだろ~?』』』


なんだろね~?今からお話し聞くからね~?


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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