第344話 アルミホイル

ホイル焼き⋯食べたいなぁ~。

たっぷりとろとろお野菜に、きのこに、おばあちゃんはシャケ派だったけど、サーヤは鶏肉派です。どっちもおいしいけど~。

それに、お野菜苦手なジーニ様も、これなら~


ゆさゆさ


「うにゅ?」

なんだろ?


ゆさゆさっ

『サーヤちゃん、しっかりするだ~』

『早く起きるだ~』

『きちゃうだよ~』

ぽぽちゃんたち?起きる?来ちゃう?何が?


「うにゅ?どちたにょ?」

一斉に、は~ぁってため息ついてるぽぽちゃんたち。

『やっと気づいてくれただよ~』

『サーヤちゃん、頭の上!上!なんだな』

頭の上?

『あ~だめだぁ。きちゃっただよ。ておくれだ~』

来ちゃった?手遅れ?


ザッ なんか、不穏な気配が?


〖サーヤ、さっき約束しましたよね?〗

「う?」

エル様?どうしたの?


『くすくす。サーヤぁ、美味しいもののこと考えてたんでしょぉ?』

「う?はんびゅん?」

ひょいって結葉様が抱っこしてくれて、そのまま地面から椅子?ベンチ?を生やして座りました。


『ぽぽたちもどうぞぉ』

心配そうに一緒にいてくれたぽぽちゃんたちにも、座るように勧めてくれてます。


『あ、ありがとなんだな』

『『ありがとなんだな』』

勧められるまま座るぽぽちゃんたちです。


〖それで?半分ってなぁに?〗

「うにゅ~」

ジーニ様の質問にどう答えていいか迷ってると

〖サーヤ、隠さない方がいいと思うわよ〗

シア様が苦笑いしながら言います。そう?それじゃあ


「ん~っちょ。ありゅみ、で、おみょいだちた」


『アルミで何を思い出したのぉ?』

結葉様が、何だかおかしそうに言います。何がおかしいのかな?


「ありゅみほいりゅ。ありゅみ、うしゅ~く、かみ、みちゃいに、ちたにょ」


〖アルミホイルですか。紙みたいに薄いんですね?〗

エル様が少し上見ながら言います。変なの?


「あい。とっちぇも、べんり。おりょうり、おしょうじ、あちょ、きんきゅうじにょ、ぼうかん?にも、ちゅかえりゅ」

防寒は、おいちゃんが言ってました。


〖それは、興味深いですね〗

エル様がうんうんってしてます。


「ほいりゅやき、とっちぇも、おいちい。でみょ~」

〖でも?〗


「どわーふしゃんちゃち、おうち、ちょか、いしょがち。ありゅみほいりゅ、おちえちゃったりゃ、もっちょ、いしょがち、なりゅ、たいへん、おもっちゃ」

お仕事邪魔したらダメダメ。だから、我慢しようと思ったけど、誰かに言わないと忘れちゃいそうだし、ホイル焼きはやっぱり食べたいし~


〖なるほど、ドワーフたちが知ってしまったら、これから集落を建てるという、忙しい時なのに、更に仕事を増やして、更に大変にさせてしまうと思ったんですね?〗

「あい」こくん

その通りです。


『サーヤ』

『そうかい』

『気遣ってくれたんだね』

『いいこだね』

ドワーフさんたちが、ウルッてしてる?


〖でも、誰かに言わないと忘れそうだし、ホイル焼きは食べたいし?〗

ジーニ様がサーヤの頭の中また当てました!

〖お顔で分かるわよ?〗

あれぇ?でも、でもね?


『じーにしゃま、おやちゃい、にがて、ゆってちゃ、かりゃ、ほいりゅやき、なりゃ、しゅき、なりゅかにゃ?おもっちぇ~』

お野菜、とろとろ、美味しいから~


〖サ、サーヤ?それは、私のことを思って?〗

ジーニ様?なんかぷるぷる?うるうる?


「あ、あい。おやしゃい、だいじ。でも、おいちくないちょ、たべりぇにゃいかりゃ」

〖サ、サーヤ~!〗ガバッ!むぎゅう~

『あらぁ、サーヤ奪われちゃったわぁ』

結葉様、のんきに言わないで下さい!


〖サーヤ~!なんて、なんていい子なの~!医神!叱らせないわよ!サーヤを叱ったらタダじゃ置かないわよ!〗

むぎゅう~うぅぅ

「くえっ」

うぅぅ、久々の本家本元のジーニ様のむぎゅう攻撃です!けちからんお胸は凶器です!おばあちゃんのむぎゅうではありえませんでした!う、うぐぐぐ


〖あ~ん、サーヤ~!私の為なんて嬉しい~!〗

むぎゅむぎゅうぅぅ~

い、いえ、サーヤが食べたいと思ったのが最初で⋯くぇっ サーヤの中身が出ちゃう~

「ぐ、ぐるち」

ぎぶぎぶ


『ぎゃー!サーヤちゃん、しっかりするだ~!』

『ジーニ様、サーヤちゃん離すだよ~!』

『しんじゃうだよ~』

ぽ、ぽぽちゃん、つくしちゃん、なずなちゃん、やっぱり天使⋯


〖サーヤ~!〗

むぎゅう~うぅぅ

「くえっ」

もう、だめ⋯


しゅぽんっ!

「ぷはぁ~っ」

ぜぇぜぇ、お、お~空気が⋯!


『『『サーヤちゃん!』』』

『よ、よかっただ~』

『いきてるだ~』

『だいじょうぶだか~?』

ぽぽちゃんたち、優しい、天使⋯


〖全く、これでは叱れませんね。サーヤ、大丈夫ですか?〗

お、お~助けてくれたのはエル様でした!

「あい。あいがちょ。えりゅしゃま、たしゅかりまちた」

〖それは良かった。どういたしまして〗

頭なでなでしてくれます。


〖あ~ん!医神!酷いじゃない!サーヤ返してよ!〗

ジーニ様がぷりぷりしてるけど~。まだ、危険を感じるのでエル様のお洋服をギューっします。すると、エル様が勝ち誇ったように


〖ふっ。黙らっしゃい。魔神。サーヤを窒息させかけといて何を言いますか。サーヤだって私の方がいいようですよ?ね?〗

「ふ、ふぇ?」

ね?って、ええ?

〖ですよ、ね?〗にぃっこり

こくこくこくこくこく!さ、逆らっちゃいけないやつです!

〖そんなの脅しじゃない!〗

い、いえ、そんな滅相もない。

〖ふふ。なんとでも言いなさい。さて、サーヤ。先程の約束を、覚えてますか?〗にぃっこり

「ほ、ほえ?」

約束?

「にゃにか、ほちいもにょ、できちゃら、きをちゅけりゅ」

〖そうです。よく覚えてましたね。偉いですよ〗にぃっこり

「え、えへ?」

ほ、褒められちゃった?で、でもなんか褒められてないよね?

〖では、サーヤ。先程からサーヤの頭の上ではためいているこれは、何ですか?〗にぃぃっこり

「う、うにゅ?」

頭の上?そういえばさっき、つくしちゃんもぉ⋯お?


「ふぉぉぉぉぉ?」

ヒラヒラはためく、銀色の物体は?

「ありゅみほいりゅ⋯い、いちゅにょまに」

な、なぜ?


〖サーヤ?約束、覚えてますね?〗

「あ、あい」

うっかり具現化しないように気をつけましょう

〖今回は魔神のこともありますしね(既に罰ゲームも受けてるようですし)、魔神に叱るなと言われましたからね。今回は大目に見ましょう〗にこっ

「あ、あいがちょ」

た、助かった?

〖でも、次は気をつけましょうね?〗

「あ、あい!」ビシッ

敬礼してお約束です。

〖よろしい〗

よ、良かった。


『サーヤちゃん、良かっただな』

『でも、気をつけるんだな』

『きをつけるんだな』

「あい」

ありがとう。天使兄弟だ~


『ふふっ。ぽぽたちの方がしっかりしてるわねぇ』

結葉様が楽しそうに言います。

「うにゅにゅ」

違う言えません。


『なあなあ、サーヤ、それ、見せてくれ!』

「う?」

『それだよ!アルミホイルってやつ!』

『みせとくれ!』

『こんな薄い金属見たことないよ!』

ドワーフさんたちの鼻息が荒いです。


「ほえ?そうにゃの?きんぱくちょか?」

アルミはなくても金とか銀はあるんじゃないの?


『金箔?』

『ふふっ』

『また新しいヤツだね』

『楽しみだね』

ニヤリッ


「ふあ?」

しっ、しまった~

〖サーヤ、やっちゃいましたね〗

エル様がかわいそうな子を見る目です。

「あう~。おいちゃ~ん」

早く帰ってきて~


〖確かに、サーヤを制御できるのは師匠だけでしょうね〗


「あう~」

おいちゃ~ん


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読み頂きありがとうございます(*^^*)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る