第306話 大人のごあいさつ

てってってっと、ご機嫌に歩くハクの背中で、更にご機嫌なサーヤとココロ。


『ココロ~アイナ様たち早く帰ってきてくれて良かったね~』

みゃ~『はいにゃ!ハクにぃに!おやかたたちもいるにゃ!うれしいにゃ!』

「こころ、おちゃべり、びっくりちちゃうかにゃ~?」

みゃ~『そうだったにゃ!びっくりするかにゃ?』

「しゅりゅかにゃ?」

ぴゅいきゅい『『するよ~!』』

「ぎんしゃま、しゅりゅ、おもう~?」


唯一大人のギン様に聞いてみると


『そうだな。アイナ様たちが喋っていなければ驚くのではないか?』


「しょっか~。どっちかにゃ~?」

もう喋っちゃったかな~?


『念話で聞いてみたらどうだ?練習にもなるだろう?』

「しょっか~♪ぎんしゃま、あちゃまいい~♪やってみりゅね~♪」

『ああ。頑張れ』

『がんばれ~』

ハクもしっぽで支えてくれます。


「あ~い!んっちょ~。ちゃんでんちょ、おはなち~」


『…丹田に集中、だな』

ギン様がおいちゃんに代わり突っ込みを入れてきました。


「しょうでちた~。えへ~」

ぽんぽんの下の方~

「しゅ~ちゅ~」

ぽかぽかしてきたよ~。いくよ~。


「「こんこんこん。アイナしゃま~、ニャーニャにゃ~ん。おかえりなしゃ~い。はいってましゅか~?」」

聞こえたかな~?


『ぶふっ』

「うにゅ?」

ギン様?どうしたの?


『お父さん?どうしたの~?』

急に吹き出したギン様にハクもびっくり。


『い、いや。サーヤ、入ってますか?は違うんじゃないか?』

ギン様は言い出した手前、心配でサーヤの念話を聞いていたようだ。


「あ~。まちがえちゃ~。えへ~」

失敗失敗。


そして、アイナ様たちも

『『ぐふっ』』

あまりに唐突にかわいい声が聞こえてきて吹き出していた。


こんこんこんですって!入ってますか?ですって!どうしましょう!

どうしようにゃ!おもしろかわいいのにゃ!


『お、おい。なんだよ突然大丈夫か?』

突然変な声で吹き出すアイナ様とニャーニャにゃんに、親方がなんなんだと聞いてくる。


『ごほっ。な、なんでもありませんわ。失礼いたしましたわ』

『ごめんにゃ~。なんでもないにゃよ~』

なんとか誤魔化していると


「「こんこんこん。まちがえちゃ~。えへ~。きこえましゅか~?」」


『『にゅふっ』』


今度は訂正が入りましたわ!どうしましょう!

おもしろかわいすぎるにゃ!

しかも、こんこんこんはそのままですわ!

さすが、さーにゃにゃんにゃ!


『おい…なんだよ。不気味だな』

再び、怪しむ親方


『す、すみませんですわ。本当に大丈夫ですわ』

『ごめんにゃ~』


アイナ様たちが再び誤魔化してる、その時、


『『アイナ様、ニャーニャ、申し訳ない。ちょっとサーヤとココロが聞きたいことがあるそうで、練習がてら念話で聞いてみたらどうかと私が提案したもので』』

ギン様が慌ててフォローの念話を入れる


『『そういうことでしたか。わかりましたわ』』

『『ありがとにゃ』』

『『申し訳ない。では、よろしくお願いいたします』』

『『はい。かしこまりましたわ』』

『『はいにゃ』』


納得ですわね

納得にゃ~


そして、改めて

「「こんこんこん。きこえましゅか~?」」

『『ふふ。はい。聞こえますわ。ただいまですわ。サーヤちゃん』』

『『ただいまにゃ。サーヤちゃん。それとにゃ?念話だから、おしゃべり頑張ってみたらどうかにゃ?』』

『『そうですわね。上手になってゲンさんを驚かせましょう』』

「「お~。しょ、そっか~♪わかった~♪」」


素直ですわね~

素直だにゃ~


『『それで、どうしたのですの?』』

『『どうしたにゃ?』』

「「あのね~?ココロ、おしゃべり、びっくりするかな~?」」


ココロのおしゃべり、びっくり?なんでしょうか?

ん~?ああっ!こういうことかにゃ?


『『サーヤちゃん、親方たちはまだ、ココロがおしゃべり出来るのしらないにゃよ』』


ああ、なるほど。

『『そうですわね。二本足で歩けることも知らないですわ』』


きっと親方たちを驚かせたいのでしょうね。

そういうことにゃ。


「「びっくりかな~?」」


わくわくしてるのが伝わりますわね~

そうにゃね~


『『ええ。きっとびっくりしますわ』』

『『名前紹介するまで、ココロに普通の猫のマネをしてもらうといいにゃ』』

「「そっか~♪わかった~!ありがちょ~」」

『『どういたしまして』』

『『楽しみにゃね』』

「「あい!じゃあね~」」

ぶちっ


最後は言葉がちょっと戻ってましたわね。

そうにゃね。


『なんだよ。急に黙ったかと思ったらニヤニヤしてよ』

『気持ち悪いねぇ』

今度は長く黙ってたせいか、親方夫婦でツッコミが入りました。


『『ごめんなさい(にゃ)ですわ』』


しまったですわ。

失敗したにゃね~。



そして、念話を終えたサーヤは、ニャーニャにゃんの提案を伝えます。


「こころ~、みんにゃ、まだちらないから、ふつうにょ、ねこしゃんのまねちて♪」

みゃ?『ふつうにゃ?』

普通ってなんにゃ?


『ココロ、ここに来る前のようにするんだ。名前を紹介するまで喋らないし、二本足で立たない。歩かない。だな』

ギン様が補足してくれる。

そうそう。それだよ~


みゃ~『わかったにゃ~』

「びっくりしちゃうにぇ~♪」

みゃ~『ね~♪』


『さあ、いよいよだぞ。みんな、ちゃんと挨拶できるな?』


「あ~い!」

挨拶は大事だもんね!

『もちろんだよ~。ね?みんな~』

ぴゅいきゅい『『もっちろんだよ~』』

『『明るく元気に!』』

『『『ハキハキと~』』』

きゅるるん『『『おいちゃんが』』』

きゅるるん『『『『いってた~』』』』

『にゃ~ん!』

みんなもちゃんと分かってます。

ココロはすでに猫のまね。お顔くしくし。


やがてハクとギン様がアイナ様たちの前に到着。ゆっくり止まってくれます。


『アイナ様、ニャーニャおかえりなさい』

ギン様がまずは代表でごあいさつです。


『ドワーフの皆様も急な頼みにも関わらずよくいらして下さった。我はこの森の主、フェンリルの長も努めておりますギンと申します。皆を代表してまずは礼を。この度は誠にありがとうございます』


お~ギン様かっこいい~

「はく~ぎんしゃま、かっちょい~ね~」こそっ

ハクに張り付いてこっそりお話です。

『えへへ~嬉しいな~♪』こそっ

やっぱりこっそりお返事です。でもふさふさしっぽがぶんぶんしてます。


こっそりだけど聞こえちゃったのか、ギン様がしっぽでサーヤとハクの頭、軽くぺしぺしってしました。

「ごめしゃい」

『ごめんなさ~い』


『『ぐふっ』』


あっ、アイナ様たちに笑われちゃいました。


『ふふ。ただいま戻りましたわ』

『ただいまにゃ』

『こちらはドワーフの長、私たちは親方とお呼びしておりますわ。今回はその奥方と』

『ドワーフを代表する優秀な方々においで願ったにゃ』


ほえ~すごいドワーフさんなんだね~。きらきら


『ワハハ。そんなキラキラの目で見つめられたら照れちまうな』

『ほんとだよぉ』

ふお~?ドワーフさんたちにも笑われちゃいました~。えへ?


『ごほんっ。失礼した。ギン様、丁寧な挨拶かたじけない。地の精霊王様の地で暮らしとります。ドワーフの長です。もっぱら親方と呼ばれとりますがな。こちらこそ、お声かけ頂き光栄です。これからよろしく頼みます』


ドワーフさんもかっこいいね~♪優しそうなおじいちゃん?おじちゃん?長いお髭触らせてくれるかな~?絵本に出てくる小人さんみたい~♪かっこいいけどかわいい?お友達になって欲しいな~♪じーっと見てたら、


『うっ。お、俺あんなキラキラな目で見られると照れちまう。兄貴、どうにかしてくれよ』

『無茶言うな俺だって照れちまうよ』

『なんだってあんなキラキラな目で見るんだ?』

『むさ苦しいのが珍しいんじゃないかい?』

『な、なんだか私まで照れちまうね』

『ほ、ほんとだよ。私まで顔が熱くなってきたよ』


「うにゅ?」

あれ~?なんで照れ照れ~?


『サーヤの必殺技、さっそく炸裂~?』

ぴゅい『ん~?ちょっと』

きゅい『ちがうかも~?』

『必殺お顔でお話とは』

『違うみたい~?』

『じゃあ』

『あたらしい』

『ひっさつわざだ~』

きゅるるん『『『ひっさつ』』』

きゅるるん『『『『キラキラおめめこうげき~』』』』

『にゃ~(ぴったりにゃ~)』

ちびっこ同盟が何か言ってます。


『ぶっ』ギン様?

『ぐふっ』アイナ様?

『にゅふっ』ニャーニャにゃん?


みんなが笑ってる?~なんでよ~教えてよ~!

「ぶー」


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

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