第七話
あらすじ
高校生、朝方陽平は日々ブラコンの巨乳美少女姉妹に揉みくちゃにされる羨ましすぎる男子である。そんな彼の前に過去の因縁がある少女、倉橋優奈の魔の手が迫る。
彼の明日は生か死か?みたいな?
第七話
期末テスト明けの週末は、姉妹へのご奉仕がお約束らしい 前編
「ほら、お兄ちゃんっ!次はあっちのお店行こっ♪」
「お、おいっ!待てって、柚子!あんまり引っ張るなっ」
「お姉ちゃんも早く、早くっ!」
「あ、ゆずちゃん、待って、引っ張らないでーっ」
今日は週末の土曜日。
俺たち姉兄妹三人は、無事期末テストを完了した記念として姉兄妹水入らずで郊外にある大型ショッピングモールに買い物に来ていた。
今朝は朝っぱらから酷い目に遭った。起きたら、彼シャツよろしく、パンツ以外は裸族の極み発動させて一緒に寝てるわ、起きたら起きたで、起こしに来た柚子を煽ったりするから、あいつまでムキになってしまう始末。
でも、まあ、なんだ。
朝から、特上柔らかマシュマロメロン×4で頭の前後をサンドイッチされるのは、まさに漢の夢だなっ!本当に、ありがとうございますっ!!
・・・まともに息できないから、かなりのレベルで命懸けではあるけども。
「あー、お兄ちゃんっ!鼻の下伸びてる!やっらしいんだぁ〜っ!」
「んなっ!?」
朝からマシュマロパラダイス。略して朝マシュにすっかり頭がピンク色状態でいたら、いつの間にか立ち止まっていた柚子が大変ご不満そうに半眼で睨みを効かせていた。
最近、なんていうか、姉妹から謎の圧力が凄い時がままある。特に柚子だ。まるで浮気した恋人や夫を問い詰めるかのような激しいプレッシャーを感じる傾向が高い。
特に倉橋優奈が絡んだ時は凄まじいの一言に尽きる。
小学生時代のアレがあるから、柚子や姉ちゃんが大分神経質になるのも理解はできるんだが、きちんと一定の線引きをしている姉ちゃんならまだしも、柚子に至っては激情を露わにする事もあり、何度か一触即発状態になったことすらあったんだ。そりゃ、心配にもなる。
「あたしやお姉ちゃんっていう、ご近所でも有名な姉妹が目の前にいるのに、他の女の人に目移りするだなんて・・・」
そんな的外れなことを言って憤る柚子はまだブツブツなんか言っている。
「いや、柚子?あのだな?俺は・・・」
「ふーん?ようちゃんは、あーいうタイプの女の人がいいんだぁ?ヘェ〜、フーン、ホーン?」
弁解しようとしたら、今度は姉ちゃんから横槍が入った。しかも、左腕を絶妙な加減でつねられているんですがっ!?痛いよ、ママンっ!
「お兄ちゃん?何?あーいう、エッチでダイナマーイッな大胆な服がいいのね?いいのねっ!?だったら、ゆず、負けないもんっ!ゆずだって、エッチでバッキューンな服着てやるんだからっ!!」
言うや直ぐに駆け出し始める柚子。いかんっ!週末で賑わうモールなんかで逸れたらっ!?ぐぬっ!後で赤面モノでしかない超羞恥プレイでしかないが、これでしか今のあいつは止められないっ!!
ええい、南無三っ!
「ちょっと待て!マイスイートハニぃぃぃぃぃっっっ!!!!!」
元女子陸上部所属の『妹』に、悶死必死な叫びを投げかける。これなら、きっと止まるはずだ。
「っ!!」
ぃよぉしっ!柚子が止まった、柚子が止まったよ!お姉ちゃんっ!!
いや、どんなキャラだよ、俺。
そして、周りを見るなよ、俺。断じて見てはならぬ。耳をすませてもならぬ。決して、陽の当たる〜♪坂道を〜♪自転車で駆け上る〜♪って、この歌詞は猫の恩返しの方だっ!!
と、に、か、くっ!周りを気にしてはならない。きっと今頃、やれ、お母さん、あの人、変ーっ。シッ!見ちゃいけませんっ!!だの心にグサグサくる扱いを受けているに違いない。
俺、大損じゃねーかっ!(なにが?
「お兄ちゃーんっ!!!」
「グフゥゥゥゥゥッッッッッ!?」
アホなことに思考を全力で傾けていた俺のポンポンに、マイスイートハニー(妹)からの全力タックルが華麗に決まった。
「ようちゃんっ!?」
吹っ飛ばされることはなかったけど、妹に押し倒されるという男として、兄としては些か情けない。
「お兄ちゃんっ、お兄ちゃんっっ!」
おうふぅ!やめろ、柚子。いややめないで、いや、理性が壊れるからやっぱりやめてぇーっ!あんちゃんのポンポンで顔をぐりぐりしないでぇーっ!
お前の豊満すぎるマシュマロが股間でも暴虐の限りをつくしているんだよぉっ!!お兄ちゃんの休火山が揺り起こされちゃいますっ!!!
「ちょっと、ゆずちゃん!?ストップ!ステイ、ステーイッ!!」
すっかり忘れていたが、この方法で柚子を引き止めた場合、なんというか、昔から頭のネジが飛んだような状態になるんだよな。基本的には滅多に使うこともないし。前に使ったのはいつだったか・・・。
とりあえず、すっかりトリップ状態になった妹がまともな状態には姉ちゃんがなんとか戻してくれた。何かしら耳元で囁いていたけど、何を吹き込んだんだ?
◆
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ごめんなさい」
柚子の暴走劇から既に三十分近くは経っている。
姉ちゃんによる謎の手法で平常を取り戻した柚子は、最初呆けていたが次第に自身のやらかしを自覚したのか、多くの人で賑わうモールの界隈で人目も憚らず悶絶していた。
まあ、とどめを刺すかのようにツッコミを入れるとするなら、既に十二分に周囲に生き恥を晒した後だからいまさらだ。とでも言えば、トドメになるだろう。
尤も、そんな可哀想なことを自他共に認めるシスコンの俺が言うはずもないのだが。
「済んだことだし、もう気にすんなって。俺も姉ちゃんも怒ったりはしてないからさ」
「そうよ、ゆずちゃん。それに今日は試験明けのご褒美に家族水入らずでのお買い物なんだから、これくらい甘えるのはきっと許容範囲内よ!」
あー、いや、姉ちゃん。許容範囲は逸脱してるわ。まあ、口にも顔にも出さないが。
「うん。ごめんね、お兄ちゃん。それと改めて、ありがとう、お姉ちゃん」
柚子はそう言うといつもと変わらない愛らしい笑顔を綻ばせた。
「さて、二人とも、次は何見たいんだ?今日は荷物持ちは任せてくれて構わないから、見たいもの我慢すんな?」
俺がそう高らかに宣言すると、俺の姉妹様は互いに顔を見合わせた後で俺に向き直り、ニヤリと不適な笑みを浮かべた。まるで、徹底的に連れ回すから覚悟してね?とでも、暗に語っているようだ。
正直、前言を撤回したくなるくらいには背中を冷や汗が流れたのは言うまでもない。
その時に感じた予感はしっかり的中して、俺は昼食を挟むまでの凡そ二時間ほど、可愛い小物を扱う雑貨店から果ては女性ランジェリー店まで思いきり連れ回された。
ていうかさ、お姉様、お妹様。自分の下着選びに兄弟の意見をリアルタイムで使うのはどうなんですかね?
店の中には確かに男性客もいましたとも。だけど、アレはどう見ても夫婦とか恋人関係とかでしょ。
そんな中に俺一人がお二人の兄弟よ?居づらい感ハンパないですよ?新手の羞恥系調教プレイっすか?俺、泣いちゃうよ?
まあ、しっかり自分の趣味全開の下着を姉妹には、オススメさせていただきましたが?きっと諸君達も納得の逸品に違いない。
は?着たまま何某らのゴホンゴホンなことができる、え?それ下着の体をなしている?なのとか、そういうのじゃないからな?そこっ!期待はするなよっ!?フリじゃないからなっ!?
◆
ふへーっ!ちかれたぁー。そんな言語を正に肉体で表すかのように、店内に備え付けられている四人客向けの机にふせて表現してみた。
朝方姉妹買い物の乱(午前の部)をなんとか生き残った俺と姉妹様は、Mから始まるハンバーガーチェーン店で若干早めの昼食を取ろうと先ずは席を確保していた。ちなみにMはMでも●クド●ルドではない、我ら姉兄妹は圧倒的に味のモ●バーガー派である。
だって、オニオンリング美味しいし?ハンバーガーも同じMで始まる幸せなセットでお子様に大人気のところより味はこちらが上だ。
まあ、価格帯の割に量は少ないから割高感は確かにあるが、考えてもみたまえよ、諸君。現役の高校1-2年生女子が量を求めますかな?量より見た目や味優先の傾向が高いのだよ。
更に言わせてもらえるならば、姉の桃華は、現役の高校生プロモデルでもある。
読者モデルではなく、プロのモデルなのだ。
だから、日頃から体型維持に余念がない。食べたら食べた分だけ胸に貯蓄される謎性能を持つ柚子はまた話が変わるが、その日々の涙ぐましい努力する姉ちゃんの後ろ姿を知る俺にはっ!くっ!汗が目に沁みる。
「お兄ちゃん、お疲れ様?」
「ようちゃん、がんばったね?」
「なんで疑問符ついてんだよ、バカやろう」
引き摺り回されて疲れている俺を気持ち心配そうに見る我が姉と妹。疲れた原因は貴女方お二人がNo遠慮で俺を連れ回したからでしょう?それなのに、なんで労いの言葉に疑問符がつくのよ。俺、泣いちゃうよ?
「それにしても、二人とも、買ったねぇ・・・」
俺は伏せたままの姿勢で視線を左側にむけていた。そこは壁際の空き席で、午前中に三人で漫遊した買い物珍道中の戦利品がその圧倒的な存在感を主張している。
ちなみに姉ちゃんと柚子は素知らぬ態度で明後日の方向を向いている。
ついでに言えば、二人とも吹けもしない口笛を吹いてる風を装っていた。
まあ、吹けないことを知る俺にはバレバレなんだが。
「午前中だけで、二人合わせたら7-8万くらいは使っているよな?姉ちゃんは働いて稼いでいるし、柚子も金使いが荒いわけじゃないから、基本的に心配はしてないけど・・・」
「お、お姉ちゃん、早く注文しに行こ?せっかく早めに入った意味がなくなっちゃうしっ」
「そ、そうね、そうよねっ!行きましょ、ゆずちゃんっ」
「うんうん、行こ行こっ!あっ!お兄ちゃんはいつもので良いんだよね?いってきまーすっ」
あ、説教してたら、慌てて立ち上がって二人とも逃げやがった。
逃げた先は当たり前だけど、注文カウンター。応対している男性店員さんが姉ちゃんと柚子の顔見て、胸見て、顔見て、また胸見たな。懸命にニヤニヤしないように頑張っている。それを席から見る俺。まあ、気持ちは分からなくはない。兄弟の俺が言うのもただの身内贔屓でしかないが、姉ちゃんも柚子も昔からご近隣で常に話題になるレベルの美人姉妹だ。しかもただの美人姉妹ではなく、どっちもGカップ以上の巨乳美人姉妹。そりゃ、俺も初対面とかだとしたら、さっきの店員さんみたいな行動を取るだろう、間違いない。
それを踏まえて改めて本日の二人を眺める。姉ちゃんはさすがはモデルと言わんばかりのセンスある服装だ。
一流グラビアアイドルすら裸足で逃げ出す、その圧巻の存在感をゆったりとした黒い薄生地の長袖シャツとさくら色のキャミワンピースの組み合わせることで、若干の地味さを作り出しつつも元の素材の良さを存分に引き出している。足元には夏女子の定番らしいヒールの低いミュールだ。
ちなみに本人曰く変装用に野暮ったい赤縁(ぶち)眼鏡をかけている。モデル業を始める前の姉ちゃんはずっと水泳をやってた影響から幾分視力が低い。なので、眼鏡使用者なんだ。日常ではお洒落なリムレスタイプを愛用しているが、モデル活動時などはコンタクトレンズに変わる。姉ちゃん自身はコンタクト嫌いらしいが。まあ、確かにコンタクト使用してると失明のリスクがあるっていうし。
以前は仮にも人気モデルだから、バレて騒ぎにならないかとかなりおっかなびっくりしていた俺達兄妹だが、肝心の姉ちゃん本人があまりに堂々とするから、次第に俺や柚子も慣れてしまった感じなんだよな。
そんなことを思い出しつつ、再び二人に意識を向ける。
あ、店員が姉ちゃんと柚子に連絡先聞いてるっぽいな。
飲食店の店員が客をナンパしてどうすんだよ。
あー、ご愁傷様。あなたの後ろに怖い顔した店長さんと思しき女性店員さんが。
耳を思いっきり引っ張られてんな。アレは痛いやつだわ。
あ、姉ちゃん達が平謝りされてる。まあ、確かにさっきの店員の所為で注文カウンターが混みだしたしなぁ。
そんな一連の流れをぼへっと眺め続けている。ふと、柚子が俺の視線に気付いたのか、こちらを振り返る。
・・・おいこら、妹よ。兄に向かって投げキッスとかするんじゃありません。しっしっ!はよ、前向いて注文しろっ!そういうジェスチャーを取れば、案の定、愛らしく頬をぷくーっと膨らませてからのアカンベーとふんっだ!プイッ!のコンボをかまして、前に向き直った。
やれやれ、今日も妹様のブラコンは衰え知らずですな。
・・・今日も柚子は柚子しているな。妹の後ろ姿を眺めながら漠然と頭をよぎったことがこれである。俺も大概だな。俺のシスコンも衰え知らずのようだ。
我が可愛い可愛い妹様の本日のお出かけコーデは、ゆるふわ感あふれるオフショルダーチュニックと元女子陸上部の眩しいばかりの美脚、生足丸出しのショートパンツにカジュアルなスニーカー姿である。女子高生としては低身長に分類される柚子の愛らしさを遺憾なく発揮させた服装と言えるだろう(シスコン兄の贔屓目線込み)。
柚子が密かにこだわっている腰まで伸ばした艶やかな黒髪を本日も定番のポニーテールにしている。尤も、編み込みカチューシャだなんて、手間がかかっていそうなワンポイントがある辺り結構気合いの入っている本日のお出かけ妹様、その証拠なのかもしれない。
思い返せば、昨日までの期末テスト中は、常時、口からなにかしら漏れ出したような様子だったしな。やっと訪れたテスト明けの週末。気合いを入れて遊び尽くしたいのであろうと推測できる。ならば、今日は徹底的に姉ちゃんと柚子の買い物行脚の荷物持ちとして華々しく散ろうではないか。
「お兄ちゃん、お待たせ〜っ」
「おう、おかえり、柚子、姉ちゃん。注文さんきゅな」
「ううん、ようちゃんも荷物番ありがとう♪出来上がったら持ってきてくれるって」
「ん、了解。さて、頼んだメシがくるまで、のんびり喋って待ちますかぁーっ」
◆
「お待たせいたしました。ご注文いただきました、モ●バーガーとロースカツバーガー、オニポテ、モ●チキンにペプシコーラL、モ●バーガー、フレンチフライS、こだわりサラダ、アイスティーレモンM、モ●ライスバーガー海鮮かき揚げ、チキンナゲット、マスタードソース、アイスカフェラテM、以上でご注文の品、お間違いないでしょうか?」
すげぇ。さすが店長さん?一切淀みなく注文した商品言い切ったぞ。美人巨乳店長恐るべしっ!とかくだらないことを思った瞬間、左足をどなたかに踏みつけられたっ!
「!?、ーッ!」
思わず痛いと声をあげそうになるが、寸でのところでなんとか踏み止まる。
「お客様?どうかなさいましたか?」
「あ、いえ。大丈夫・・です。アッハッハッ!」
笑って誤魔化すしかない。
足は現在進行形で踏み躙られている。
犯人はヤツだっ!俺は痛みに耐えながら、正面に座る妹様を見た。俺の視線に気付いたのか、柚子が視線を逸らす。尤も逸らす手前までしっかり睨まれていたのだが。
どうやら、店長さんのお胸に疚しい思考が走ったのを謎のセンサーで感じとり、情けない兄にキツいお仕置きを与えたのだろう。
「注文したのは全部きています。ありがとうございます」
弟妹の水面下でのやり取りを把握しつつも、姉ちゃんはなんでもない風を装って店長さんへ柔(にこや)かに応対している。さすが姉ちゃんだな。
さて、メシだメシ!たった二時間、されど二時間。姉妹二人に連れ回されて消耗した体力を回復させておかないとなぁーっ!午後は午後でまた引き摺り回されるに決まっている。
「「「いただきますっ」」」
昼食が始まってからはいたって平穏な時間だ。ちょい前まで、柚子から向けられる負のオーラと踏まれた足の痛みに耐え忍んでいたとは思えない。
「つーか、柚子。お前、さっき急に足踏んだりするんじゃねーよっ!結構痛かったんだぞ?」
「ぅ・・・。ふ、ふーんっだ!お兄ちゃんがあの店員の胸をイヤらしい目で見ていたのが悪いんですーっ!お兄ちゃんのえっち!」
ぐぬっ・・・。まあ、確かにあの美人店長さんの膨らみに邪な視線が向いたのは否定しない。
ここで折れたらただの踏まれ損でしかないが、柚子を完全に怒らせるなり、不機嫌にさせてしまうのは違うからな。素直に謝ろう。
「柚子の言う通りだな。兄ちゃんが悪かった。ごめんなさい!」
「ゆ、ゆずこそごめんなさい、お兄ちゃん。言い過ぎました。あと、足も踏みつけてごめんなさい。痛かったよね・・・」
シュンと落ち込む柚子。涙目になっているし、放置したら、その内泣き出すな。それは絶対に避けたい。
「痛かったけど、それも踏まえて怒ってないぞ?諌めてくれてありがとう、柚子」
「お兄ちゃん・・・。あたしこそごめんなさい。あと、許してくれて、ありがとう。大好きっ」
ははは、こやつめっ!可愛いすぎるじゃないか、妹よ!人目も憚らず抱きしめて、頭をなでなでしてやりたい衝動に駆られるがなんとか耐えきったぞ。よく我慢した、俺!
「はい、はい。もう食べちゃましょう?午後からは今日のメインイベントがあるんだしね」
姉ちゃんが上手く誘導してくれたのは嬉しいけど、今日のメインイベントってー・・・と?あー、元々、今日は水着を新調するから買い物に来たんだったよな?
「あー、二人の水着か!」
「そう!それ!!ようちゃんよく覚えてました〜♪」
俺は保育園児かなんかなのか?ていうか、これが噂に聞くバブミというタイプなのだろうか?姉ちゃん、学校や仕事ではクール系を気取っているけど、実際はかなり包容力あるからなぁ。
「あたしもお姉ちゃんもサイズの関係で一昨年の水着は着られないんだ。去年はお兄ちゃんとあたしが受験生だったから、海は行かなかったし」
「あー、思い返せば確かにな。つーか、サイズってー・・・」
思わず、姉ちゃんと柚子の豊満な胸元を見てしまった。
「お兄ちゃんのえっち」
「うぐっ」
「でも、あたしやお姉ちゃんの胸を見るのは許してあげる」
「・・・は?」
「ようちゃん、ほかの女の人はダメだからね?お姉ちゃんとゆずちゃんだけが特別なんだからね?」
何を口走っているのか理解しているのだろうか?お姉ちゃんさま、お妹ちゃんさま!そういう発言は周囲に誤解を生むから、言ったらダメなやつぅーっ!!
「分かった、分かりました。二人も含めて見ないように最善を尽くしますから、どうか御容赦のほどをっ」
俺は二人に反論等を一切許さず、机の上で上半身のみだが低頭平身に伏した。案の定、これに混乱した姉ちゃんと柚子に怒涛の話題誘導と転換を用いて、事態をあやふやにしたまま治めることができた。
しかし、まさか。
高い高いとは知識としては知ってはいたが。
一般サイズという壁を超えた選ばれし者のみがたどり着く高みに到(いたり)し、女性の下着があんなに高いとは思わなかった・・・。
え?どれくらいだって?グラマーサイズ、ブラジャー、値段でググってみてくれ。そうとしか今の俺には言えない。
後編につづく
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