第2章

04 二人目



 洋館に入ったら、化け物がおそってきた。


 ちょっと休憩するだけのつもりだったのに。


 どうしてあの化け物は、私を追いかけてくるの?


 こんな洋館、入らなければよかった。


 携帯は繋がらないし、扉や窓は開かない。


 壊そうとしても無駄。


 ああいやだ。


 泣きたい。


 どうしてこんな目に。


 罰ゲームで、廃墟探索なんて言われて、こなければよかったのだ。


 あんなの、断れば良かった。


 むかしからそう。


 押しが弱い事で、嫌な目にたくさんあってきた。


 私は、性格が気弱だから。


 強い人間になりたい。


 化け物に見つかった。


「ひっ」


 慌てて逃げて、隠れていると、そこに話しかける人間がいた。


「あんた泣き虫ね。私の親友に似てるわ」


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