エピローグ
(
トークアプリの友達リストに表示されている、『
メッセージを送りたいが、このやりとりで仲を進展させようなどと欲張るのは
ぷるぷると
『こんばんは』
『こっちでもよろしく』
『(立ち上がったマンチカンのスタンプ)』
「これでどうだ……!?」
同じマンチカンでもコタローのほうが
トーク画面を見つめること十秒、二十秒、三十秒。
そんなにすぐには
ベッドから飛び起き、正座でスマホの画面を
返信が届く。
『うむ』
「……へ?」
思いのほか
しかし、何十秒待てども続きのメッセージは届かない。
「……終わり? 今ので終わり!?」
会話を続けられる気がしなかった。スカッシュをプレイしていたら、打った球が生きた
「ままならねえ……!」
スマホを
「うるさーい!」
「ごめん!」
◆ ◆ ◆
ストラップが見つかった、翌日の放課後。
(ふたりで何を……?)
「いおりんがストラップを見つけてくれたんでしょ? いやー、お
「たまたま見つけたんだって。でも、本当によかった」
「ん。……わたしからもお礼を言わせて? ありがとね」
「いやいや、そんなそんな」
顔が熱くなる。ふたりとも自分のことを心配してくれていたのだと改めて実感する。
「やー、それにしても、今日の
(む?)
「どういうこと?」
「いおりんもわかると思うけどさ、あっきらかに表情筋がよく動くようになったの! 他のクラスメイトと話すときはいつも通りだけどさ、いおりんと話してるときの
「あー、それは……うん、めちゃくちゃわかる」
(そんなばかな)
熱くなった
「ねえねえ、いおりんから見て、
「え、なんで急にそんなこと……?」
「いいからいいから。どんなふうに見えてるのかなって」
「どんな子、って……えぇと、まず、
(へぇ……?)
「でも、
(へ?)
「ふむふむ。つまり?」
「い、いや、つまり、って……」
「
「うぐ……」
「か、かわ……」
「皮? スキン? なんか
「ち、ちが……」
「ほれほれ、早く言ってみぃやー」
「か、
「んなっ!? す、
「ぷっ、けふっ、ごめっ、けほっ、まする……死ぬ……」
「いい度胸してんじゃねぇか……」
「あははは! いおりんはかわいいねー」
「ちょ、
(……あれ?)
もやっ、と。
胸の奥で、もどかしさに似た何かを感じた。
「よけるなってー。ほれほれ~」
「いや、
「よいではないかよいではないか~」
「カバディのポーズって頭を
見るはずなのに。
(……?)
もやもやは晴れることなく、むしろもっと
「あれ、
「
「ちょ、やめ……っ!」
ターゲットが変わり、今度は
この
「
「急にひどくないか!?」
口にした自分でもびっくりするくらい、
◆ ◆ ◆
(そういえば……)
ふと思い出したことがあり、トークアプリを開く。
(昨日の返信……色々と雑だったかも)
申し訳ないなぁ、とは思うものの、こちらからメッセージを送ったところで話題が続く気がしない。なので放置を決め込む。今度
もういちど、
「……?」
胸を押さえ、首をかしげる。胸がぽかぽかと温かい。
「…………??」
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