爆撃の日
バブみ道日丿宮組
お題:空前絶後の音 制限時間:15分
爆撃の日
空を穿つ音がした。
次に起こったのは、爆発と、浮遊感。
何度も転がって、壁にぶつかってようやく止まる。
「……って」
いったいなんだというのか。空襲でも起きたか?
「えっ……」
起き上がると、言葉を失った。
まさに爆撃されたかのように、街の一部が吹き飛んでた。
「ひっ……!?」
近くに転がってたのは、人の頭。足、腕。様々な一部が落ちてた。
「ぅ……」
吐き気が止まらなかった。
胃の中にはなにもないはずなのに、激流が口元を包み込んだ。
胃液が出なくなると、次第に落ち着きが訪れた。
いや……あまりなことに感覚が麻痺してきてた。
立ち上がり、周りを見る。
爆風で削られた街は、無残の一言だった。
平和っていったいなんだったのか。
攻撃してきたのはどこなのか。
不戦条約とはなんだったのだろうか。
家族は無事だろうか。
学校は壊れてないだろうか。
いろいろな疑問が浮かんだ。
「……なんだよ、それ!」
スマホでネットサーフィンをすると、爆撃する映像があがってた。SNSでもトレンドに入ってくらい見られてた。
そこでは犯行をしたグループが次々といろいろな場所に爆弾を投擲してるものが映ってた。
ここだけじゃない。
大規模なテロ活動が起こってた。
「……どうしよう」
不安が言葉に出る。何かをつぶやいてないと、現実感を失いそうだった。
わからない。
次に何をしたらいいのか思いつかない。
警察に駆け込めば助けてくれるだろうか?
「……あそこか。じゃぁ……」
交番があったところは、爆撃された中心点に近いところ。どう考えても残ってない。人がいたとしてもそれは燃えた皮の塊で、生きてない。
生きてたとしても無限の地獄を過ごすだけの世界。
「う、うぅ……」
涙が出てきた。
感覚が異常を掴み取れと、訴えかけてた。
「しらべなきゃ……しらべなきゃ」
家の方はどうなった?
爆撃された一覧がSNSに貼り付けられてた。そこに家の住所はなかった。
都市圏を狙ってるわけではないらしい。
「帰らなきゃ……」
妹がお腹を空かして待ってるんだ。私が帰って準備をしなきゃいけない。
親はわからない。電話が通じない。ネットが通じてるのに、どうして繋がらないのか。
行かなきゃ……戻らなきゃ。
どれだけかかっても、帰るんだ……。
そうして、世界は終わりを迎える。
爆撃の日 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
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