213日目 まことちゃん(前編)
【きまくらゆーとぴあ。トークルーム(公式)・ワールドイベントについて語る部屋】
[追い付く人]
エルネギー ±0
まことちゃん +2
ヨシヲ +1
めめこ -2
ちゃり +1
イーフィ ±0
YTYT -3
송사리 +1
春南 ±0
ブティック +2
マ ユ -1
ササ +2
狂々 -3
[かず]
これは攻略初日から結構な差が開いたな
[とりたまご]
寧ろ耐えてるほうでは?
領地全ロスでチームまるっといなくなるとこも一つ二つあるかと思っていたのだが
[(・´з`・)]
YTYTよう生き残ったなあ
[Itachi]
にしても初っ端からマイナス食らってるチームはもう優勝の目はなさそう
krrが早々に退場しそうなのが意外だわ
運がなかったね
[弐]
ちょんが独りでB拠点のピース抜いたときは湧いたんだがなあ
まっさかそれを竹が狩ってしかもそのままブティックに返上するとは…
[mami 294]
まこといつの間にブティックの犬に
[あんのーん]
協力が物を言うゲームとはいえ、そのまま奪ったほうが絶対お得なのにな
あそこでまことが助けなければBチーム-2まであったろ
将来どうせぶつかるんだから今の内に黙って潰れるの眺めてればよかったのに
[バーボン]
まこととBとササが抜けたか
確かにササ領は少し離れてるから、大手が潰し合うとしたらまずブティックとまことちゃんだよな
[追い付く人]
或いはまだ手を組んだまま双方すくすく成長していくか
[ねね]
他チームにとってはそれが一番厄介だよねえ
とはいえここからでかいところに喧嘩売るのはリスクもでかい
日和って小国どうしで小競り合いする流れも全然ありそう
[アラモード]
そうなったらますますトップ3の思う壺だな
[梅雨乃]
初日で差を付けられなかった時点で既に大分不利な勝負だからね
ここから取れる選択ってのもそう多くはないんですわ
現実と同じね
[とりたまご]
拠点増やすと置けるようになる防衛NPCが、どの程度仕事してくれるのかってとこが重要だよな
領地増えてもプレイヤー増えるわけじゃないから、でかくなったところは防戦一方になりそうな気もする
[檸檬無花果]
小国が力を合わせて帝国の勢いを食い止めるのがセオリーとしては美しいが…
きまくら。プレイヤーにそんな自己犠牲を伴う協力行動ができるわけないものな
[ポイフリュ]
とりあえずイーエル連合は二度と機能しないでしょ
[N井K則]
まあ、エルネギーが裏切るのは知ってたw
俺だってあの場面だったらそうする
[(・´з`・)]
エルネギーがイーフィ攻撃の合図出した瞬間ピーナッツ降ってきたとこほんとすこw
あそこも重要な分岐点だったなw
[コハク]
Bさんのあの撹乱がなかったらエルチームが不意を突いてチェスピースもぎ取る未来、全然あったろうな
[くるよ]
環奈さんも冷静で凄いわ
瞬時に状況を理解して躊躇いなく黒雨打つあの判断力よ
[Ra-yu]
あの時事前に月食と精神統一でバフ掛けしてるんですよね
裏切りは十分織り込み済みとは、さすが環奈さん!
[茶碗]
委員会には勿体ない人材やな
[しーまき]
あのピーナツ何なん?
ただのお洒落な単体ダメスキ?
[cafe]
お洒落か?あれw
[いりす]
Bさんが持ってるビニール傘も気になる
あれ、よく見るとかなり凝ったデザインなんだよね
Bさんもしかして鍛冶にまで手を伸ばしだした?
[mami 294]
えー、だとしたら護身具めっちゃ作ってほしいんですけど(≧◇≦)
[ドクターA]
いや、聞けばBさんを都遠征に駆り立てたのは、ビス子の「パンがなければビニールを作ればいいじゃない」という一言だったという
あのビニール傘も、よく見るとビス子っぽい装飾が…
[マリン]
>>ドクターA
噂が巡り巡って最早原形保ってねえなw
正確には「ビニールがあれば桶屋が儲かる」だろw
[ねね]
「石の上にもビニール傘」でしょ?
[アユポ]
つまりビス子が悪い
[チャーリー]
そうだビス子が悪い!
******
ログイン213日目
幸い、メインイベント三日目にして二回目の密談フェーズでは、もう誰と話し合うかを悩む必要はなかった。
なぜなら一人のリーダーを除いて選択肢がなかったから。初回あれだけ殺到してきていた密談申請が、今じゃすっからかんですよ。
まあうち、昨日の時点で南とはズブズブ、北や東とはバチバチっていう関係性がしっかり出来上がっちゃってたからね。北東陣営とは改めて話し合って協力できるとも思えないし、遠方はそちらさんのご近所関係で忙しいだろうしで、この閑散具合も納得である。
そういったわけで、本日の私は迷うことなくまことちゃん氏との協議に向かった。今日はマユさんのほうは来ないみたい。
まずは当然昨日のお礼から。そして自らの宣言を違えなかった彼の誠意に応じて、こちらもできることなら何でも協力することを申し出る。
但し我がチームの蛮族どもは私が言っても聞かないことがある旨は、よーく言い聞かせておいた。「あんまり無茶なお願いはしてくれるなよ」という意味も含め、よーくね。
まことちゃんはそれに対し苦い顔をするでもなく、くすくすと笑う。
「分かっていますよ。それに昨日も言った通り、ぼく等優勝にはこだわってませんから、ご安心ください」
「そうするとやっぱり、二位とか三位とか、現実的な中位帯を狙うつもりなのかな?」
「そうですね。チームのみんなはその意識でいます。ぼく達他のチームみたく、ガチ遠征プレイヤーって人もあんまりいなくて」
けどもう一つ。ぼくにはチームのみんなには言ってない目的がありまして。
まこと君はそう言い置いて、こちらの顔色を窺うように微笑んだ。
「ぼくこのゲームで、マユちゃんとこのチームをぼこぼこにしてやりたいんです」
「えっ」
そのおっとりした空気からは想像もできない激しい発言が飛び出してきて、私は喉を引きつらせた。しかも相手は、[マ ユ]さん?
なんで? 二人はうちと協力体制を作ることを予定していたみたいだし、元から親しい関係だったんじゃなかったの?
昨日話してるときも、凄く仲良さそうだったのに。
「ぼく、あそこのボスが大っ嫌いで。恨みがあるんです」
「え゛え゛え゛え゛え゛」
明日ピクニックに行くんです。まるでそんな口ぶりでにこにこと語るまこと氏の顔を、ただただ見つめることしかできない。
呆気に取られる私に向けて、彼は語る。
「酷い野郎なんです。なよっちくて、うじうじしてて、いつも消極的で受動的で。自分が嫌な状況からは常に逃げの姿勢だし、挙句自分が負わなきゃならない責任を他人に擦り付ける。女好きで浮気性で、すぐ他人のせいにする。どうしようもない野郎だと思いません?」
……って、あれ? あれれ?
それって――――――。
「ぼくの友達がそいつに虐められたんです。友達はそいつのことが大好きだったんですけど、そいつは友達のことを捨てて他の女と遊んでたんです。それでも友達は『悪いのは彼じゃない、自分だ』って。だから自分なんて消えちゃえばいいんだって、友達は言うんです。ぼくはそいつに、友達の代わりに報復してやりたい。自己満足だって分かってます。友達だってそんなこと望んでない。意味がない。けど、やってやらなきゃ気が済まないんです」
――――――それって、まことちゃんが大嫌いな『そいつ』って、マユさんチームのオーナー“クリフェウス”、だよね。
クリフェウスが虐めた人って、浮気をして捨て置いたその相手って、まことちゃんの『友達』って……マユ、さん?
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