137日目 マッチクエスト(1)
【きまくらゆーとぴあ。トークルーム(公式)・総合】
[陽子@SK]
春南さんのネタ系衣装すき
[ちょん]
何だかんだ極楽とブティックは住み分けできてるよな
極楽の強みは流行や環境に合ったラインナップ&効果内容
ブティックはミラクリ&スキル
[イーフィ]
ふと思ったんだが、ブティックさんて今でさえスキル付きを他プレイヤーに販売してくれてるけど、
もしそれを全部自分で覚えていたとしたらどうなってたんだろうな…
影の暗躍者的扱いだったのが、もはや本人が堂々たる災害級プレイヤーになるよな…
[名無しさん]
それたびたび話題に上るやーつ
[ぷー子]
実は有用なスキルはちゃんと自分でも確保してて、市場に流してるのは余り物なんじゃないかって説もあったが
まあさすがにそれはないよね
フィールドで見る立ち回り、どう考えても雑魚だもん
[ゆうへい]
>>イーフィ
そのプレースタイルだったらば、今の結社・金融・B協定で囲われた盤石な立場は確保できなかっただろうな
本人そのものが脅威になるのは間違いないが、どちらが厄介かと言われればトントンな気がする
[ちかぺ/Chikape]
時間だけは平等ってばっちゃが言ってた
生産ガチと遠征ガチが両立できないゲームバランスでよかったぜ全く
[ポワレ]
両立できないからこそミラクリに価値が付くわけだしね
[バレッタ]
>>イーフィ
>>ゆうへい
それを地で行ってるのがクレクレ
[YTYT]
なるほど分かりやすい
確かにそう考えると強者ながら鋼のメンタル求められる危うい立場やな
[陰キャ中です]
けどさあ、今のBさんにしてもクレクレさんにしても、
それって生産販売に特化するか、生産個人使用に特化するかの極端な話じゃん?
両方バランスよくやるとしたら、それはそれでまた話は違ってくると思うんだよね
[陰キャ中です]
例えばブティック産として悪名高い広範囲ダメスキと、汎用性に秀でたハンノロやら精神統一やら
全部とは言わずとも、その幾つかでもBさん自身が所持していたら?
その一方で、他プレイヤーへの融通もある程度利かせていたら?
[賢者ビスマルクの息子]
……
[おろろ曹長]
…………
[ちょん]
………………
[陰キャ中です]
な、なんてね
まあ、飽くまで可能性の話だけど
Bさんの遠征慣れしてない動き見てる限り現状そんな空気微塵もないし、考えても仕方ないよね
[モシャ]
そうそう
それにミラクリで付けられるスキルってランダムなわけじゃん?
仮に今からBさんが力を付けようと思い立ったとして、簡単に都合のいいスキルが付くわけでもなし
不安要素としては相当確率の低いものだと思うよ
[エルネギー]
だよな
杞憂よ杞憂
この話はもうやめにしよう
[ゆうへい]
うん、やめにしよう
******
ログイン137日目
ギルドインフォメーションの画面を睨みながら、現在私は悩んでいる。欲しいものが二つほどあるのだ。
まず一つ目が、試着室の増設。
今我がショップにある試着室は、通常エリアとビップルームに一つずつ。ビップルームのほうはいいとして、入れ替わり立ち替わりお客さんがやって来る通常エリアのほうは、もう一室くらい増やしたいんだよね。
行列ができるというのはお客さんの出入りが滞っているということでもあり、それって試着室の数も少なからず影響してると思うから。
で、二つ目に欲しいのが、ショップスタッフ。このゲーム、ギルドを通して店員モブを雇うこともできるんだ。
スタッフを入れる主な利点は、彼等がオート商品補充の役割を担ってくれるってこと。
実店舗のほうは店頭にだせるアイテムの数に限りがあって、それが売れたときの品出しなんかは、店主が手動でやらなきゃいけない。
――――――『手動』って言うと語弊があるか。実際にはカウンターのパネルからぽちぽち操作するだけでもいいんだけどさ。
それでも、ありがたいことにうちは頻繁に品薄になるもので、この作業をこまめに挟むの結構めんどくさいんだよね。
だから私は他の遊びに集中したいときなんかは、大分サボり気味。その結果店頭商品がすかすかになって、シエルちゃんに怒られたりもする。
私のためを想って苦言を呈してくれるシエルちゃんがこれまた可愛いんだ、でへへ。
しかしまあいつまでも彼女を怒らせておくのもアレだし、実際これが原因で客足が遠のいてしまうこともあるだろう。それで店員さんを雇って改善できればと考えた次第だ。
他にも、店員NPCには制服と称して店主側で自由に格好を決められるそうなので、マネキン代わりとしてもいいなと思っている。店員さんが自分とこのブランド服着るのは、リアルアパレル業界でも常套手段だもんね。
ある程度接客コミュニケーションもできるようなので、可愛く着飾れば看板マスコットとしてお店に華を添えてくれるだろう。
とまあそういった理由で、私は以上のものを欲しているのだけれど――――――これが、一筋縄じゃ手に入らないものでして。
というのも、
試着室の増設とショップスタッフの導入には、他にギルドポイントが必要になってくるの。しかも、大量に。
今まで私、GPのことで困ったことってあんまりなかった。けどどうやら、商売やらお店やら住居周りやらのシステムになってくると、結構入り用っぽい。
で、このGP、ミッションやクエストを毎日こつこつクリアしていく分にはある程度溜まってくものなんだけど、近頃のワタクシはこれをサボっていましてね。
とりまGPで必要なものは一通り集めたし、わざわざミッションやクエストから仕事を探さずともキマの収入源なら十二分に確保できてるし、って、驕ってしまった現在。
GPは枯渇、今からできそうなミッション・クエストを消化していくにても、欲しいものが手に入るのはひと月とかふた月とか、かなり先になりそう。そんな状況に陥ってしまったのです。
けど、短期間でGPを荒稼ぎする方法もあるにはあってね? それが“マッチクエスト”っていう種類のクエストなんだ。
もっとも報酬が美味しいとなると、それに伴う難しさも存在するのは当然のこと。
その一つが、受注できる回数は一日につき一人一回までと制限が課されていること。一度任務失敗となると、次に挑戦できるのは明日以降となる。
ただ、これは飽くまで本人が代表で受注できる回数制限なんだ。だから工夫すれば、一日に何回もプレーすることだって可能ではある。
他の人に代表して受注してもらって、自分はそこのパーティに加わればよいのだ。まあ、代表して受注してそこのパーティに私を入れてくれる誰かがいれば、の話なんだけど。
そしてそうなってくるとそれはそれで面倒臭い要素がでてくる。まあその辺はこの後語るべき事柄にもかかってくることなので、割愛する。
で、もう一つの不安要素が、このクエストのルールだ。『
ゲームの細かなルールはフィールドによって幾らか異なるみたいだけど、基本的には四人パーティ対四人パーティで得点を競い合う、スポーツ色の濃い内容になってるの。
クエストの背景としては、公式クラン所属採集師達の護衛を任される、という立ち位置のようだ。
遠征フィールドでは、豊富な収穫を望める採集ポイントがある。けど当然ライバルクランもそれを狙って邪魔してくるので、自分達の仕事が阻害されないよう守ってほしい、とそんな依頼なわけである。
となるとライバルクランのほうもまた別のプレイヤーに同様の依頼をするのは必然で、両者はぶつかり合うことに――――――そういった流れらしい。
……あれ、なんかどっかの坑道にてプレイヤーどうしでなされてる、ライト争奪戦のような話だね。
やっぱプレイヤーがこんなだからNPC事情も自然殺伐としてっちゃうのか、或いは元々こういうブラックな要素を含んだゲームだったからこそ、プレイヤーもああなってっちゃったのか……。
加えて私の腰を重くさせるのが、NPCの遠征ヘルプは呼べない仕様になっていること。つまり、味方は全員プレイヤーじゃなきゃならないし、相手チームも全員プレイヤーなのだ。
今まで私がこの手のクエストに見向きもしなかった理由、皆さんにはよーくお分かりいただけたことだろう。
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